アプリのクラウド配信開始も残る課題
本命DaaS「Amazon WorkSpaces」が波に乗り切れない理由
AmazonはDaaSの顧客が簡単にアプリを購入したり、配信したり、管理ができるようにした。だが市場ではまだ後追いする側にある。
「Amazon WorkSpaces」のデスクトップアプリ配信機能が強化された。だがやるべきことはまだあると業界関係者は言う。
米Amazon Web Services(AWS)は、デスクトップアプリケーションの管理とアクセスを容易にする狙いで、DaaS(Desktops as a Service)のAmazon WorkSpacesに関連する新機能を導入した。
AWSは、オンラインソフトウェアストア「AWS Marketplace」に新たに「AWS Marketplace for Desktop Apps」を追加し、WorkSpacesの顧客が100種類以上のエンタープライズデスクトップアプリケーションを見つけて購入できるようにした。
新機能の「Amazon WorkSpaces Application Manager」(WAM)では、このようなエンタープライズデスクトップアプリケーションをWorkSpacesに配信し、IT部門はそれを一元管理できる。IT管理者はカタログを作成して、ユーザーにデスクトップ上でアプリを簡単に使ってもらうことができる。特定のアプリにアクセスできるユーザーをIT部門が指定することも可能だ。
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WAMではそうしたアプリをWorkSpaces上の専用コンテナに格納して保護する。IT部門はアプリケーションの利用状況を把握でき、組織は実際に起動して使った分の料金のみを支払えば済む。
DaaS市場においてAmazonは、米VMwareや米Citrix Systemsと競合している。従って、WorkSpacesのデスクトップアプリに中央で管理・導入できる機能が加わったのは正しい方向に向けた1歩だと、米調査会社IDCのリサーチディレクター、ロバート・ヤング氏は評価する。
「こうしたアプリを仮想化してモバイル業務を強化することに、IT部門は苦労しているからだ」とヤング氏。
AWSはまた、デスクトップアプリのサブスクリプションモデルも年間または恒久ライセンス方式から、月額ライセンス方式へと切り替えた。提供するアプリケーションは、「セキュリティ」「生産性およびコラボレーション」「イラストおよびデザイン」「ユーティリティ」などに分類されている。
AWSのブログによれば、今後数週間から数カ月で、さらに多くのアプリやカテゴリをAWS Marketplace for Desktop Appsに追加する計画だ。
ITコンサルティング企業、米Entelechy Associatesの仮想化アナリスト、サイモン・ブラムフィット氏は、AWS Marketplaceではアプリケーションをユーザーのデスクトップに届けるための調達プロセスに関する手順が省かれて簡素化されたと指摘する。
WorkSpacesに残る課題
そうした前進の一方で、完全性をさらに高めるためにAWSがWorkSpacesに追加できる機能はまだある。VMwareが2015年2月に買収したImmidioを通じて獲得したようなユーザー環境管理機能を、AWSも買収または独自開発によって獲得する必要がある。
「アプリをユーザーに届けることとは別に、IT部門はそうしたアプリをどの程度コントロールできるかに関心を示すだろう」とIDCのヤング氏は話す。
Entelechyのブラムフィット氏によると、クライアントドライブアクセスやHTML 5クライアントの提供、「Google Chromebook」のサポートといった分野でも、Amazon WorkSpacesは依然としてDaaSの競合他社に後れを取っている(Amazon WorkSpacesクライアントはWindows、Mac、Apple iPad、Kindle Fire、Androidタブレットおよびゼロクライアントに対応する)。
「そうした小さな欠点のため、他社のサービスに比べてAWSのサービスの魅力が大きく損なわれている」とブラムフィット氏は指摘する。
Amazon WAMには「Basic」と「Standard」の2レベルのサブスクリプションが用意されている。BasicではAmazon WorkSpacesのユーザー向けに、AWS Marketplace for Desktop Appsへのアクセスと限定的な管理コントロール機能を追加料金なしで提供する。Standardではユーザーとグループ用のプロビジョニングとポリシーコントロール機能、アプリ利用監査機能、アプリアクセスコントロールおよびバージョン管理機能が加わる。7月1日までは無料で利用でき、それ以降はユーザー当たり月額5ドルの料金が掛かる。
AWS Marketplace for Desktop Appsからのアプリ購入に関して請求書や契約が増えることはなく、ソフトウェア料金は毎月のAWS請求書に課金される。
AWSにコメントを求めたが、今のところ返答はない。
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