混戦状態の市場を制するのは、どのベンダー?
2014年は「DaaSの年」だった AWS、Microsoft、VMwareの気になる戦略とは
2014年は「Amazon WorkSpaces」「VMware Horizon DaaS」「Microsoft Azure RemoteApp」などのサービスによって、クラウド型のデスクトップやアプリケーションの重要性が確認された1年となった。
「今年はVDI(仮想デスクトップ環境)の年になる」との予測が数年にわたって続いた後、2014年は実際には「DaaS(Desktops as a Service)の年」となった。米VMware、米Amazon、米MicrosoftなどのベンダーがDaaS事業への注力を強めた結果、クラウド型デスクトップは2014年の最もホットなトピックの1つになった。
2014年のDaaSに対する関心の高まりには、AmazonやMicrosoftとともにVMwareが大きく貢献した。VMwareはDaaSの草分けである米Desktoneを2013年10月に買収し、2014年3月にDesktoneの技術を「Horizon DaaS」としてリリース。以前からDaaSを手掛けていたDesktoneの技術をベースとするHorizon DaaSは、当然ながら大好評のDaaSプラットフォームとなった。
ただしDaaSをめぐる2014年の動きの中で最も特筆すべきは、間違いなく米Amazon Web Services(AWS)の参入だ。AWSが「Amazon WorkSpaces」でこの分野に参入するまで、クラウド型デスクトップは周辺的でニッチな技術にとどまり、デスクトップ仮想化コミュニティーではよく知られていても、それ以外の人たちにはほとんど知られていなかった。
その状況を一変させたのがAWSだ。AWSの参入によって、DaaSの概念自体が妥当性を認められ、データセンターベースの各種サービスを「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」に移行し始めていた企業にはDaaSという新たな選択肢が提示された。これを機にDaaSに対する認識が高まり、2014年は「DaaSの年」と呼ばれるに至った。
Microsoftが「Project Mohoro」という開発コード名の新サービス「Microsoft Azure RemoteApp」を公開しDaaS分野への参入を果たした時点では、既にDaaSは急速に勢いを伸ばしつつあった。Microsoftの参入は当然予想されていたことではあったが、同社がデスクトップ仮想化市場で慎重な姿勢を見せていたことを踏まえると、幾分驚きの展開でもあった。Microsoft Azure RemoteAppが素晴らしいのは、デスクトップではなくアプリケーションに重点を置いている点だ。結局のところ、われわれが本当に気になるのはアプリケーションなのだ。
新しいライセンス体系も
さらにMicrosoftはWindowsクライアントOSのライセンス体系にも変更を加え、従来のデバイス単位ではなくユーザー単位で「Windows 7」や「Windows 8」のライセンスを取得できるようにした。この変更以前は、仮想デスクトップを導入するためには、「Software Assurance(SA)」ライセンスを取得済みのデバイスからアクセスするか、SAを取得していないデバイスからVDIデスクトップにアクセスするために端末1台当たり年間100ドルもの料金を支払うかしかなかった。
Microsoftは長らくWindowsのライセンス体系について頑固な姿勢を貫いていたので、こうした路線変更は誰も予想していなかった。だが、Microsoftが「Windows 10」ではあえて一歩後退してでも、Windows 10からWindows 8っぽさを排除しようとしているという事実を踏まえれば、サトヤ・ナデラ新CEOの指揮下で「新生Microsoft」が姿を現しつつあるということのようにもみえる。
ナデラ氏がMicrosoftをクラウド企業へと導く中、2015年半ばにWindows 10がパッケージ版としてだけでなく、ユーザー単位のライセンス体系でAzureからDaaSとして配信されるようになることも想像に難くない。こうした提供形態は、数年前にはユーザーがどれだけ希望しても、ほぼ不可能と思われていたことだ。
仮想化ベンダーの米Citrix SystemsがDaaS分野でどのように動くのかが気になる人もいるだろう。Citrixには、自社で仮想デスクトップを提供する計画はない。その代わりに同社は、パートナープログラム「Citrix Service Provider」に加盟する多くのサービスプロバイダーがDaaSやマネージドデスクトップの多様なパッケージを顧客企業に販売できるようにしている。私が思うに、この選択の最大の理由は「CitrixにはAmazonやMicrosoftやVMwareに太刀打ちできるほど魅力的な製品を支えるためのインフラがないから」ではないだろうか。それにCitrixにはパートナー企業の機嫌を損ねないようにする必要もある。
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