ビジネスへの理解は不可欠
新米CIOが120日で必ず結果を出す方法(1/2 ページ)
新任CIOがやる気を証明できる期間は短い。米Accenture Strategyのダイアナ・バーソーン氏が成功するための120日計画を語る。
エグゼクティブは就任初日から成果を求めるプレッシャーにさらされる。最高情報責任者(CIO)もまた、最高経営責任者(CEO)に成果を求められる点において変わらない。そう語るのは、米Accenture Strategyのマネージングディレクターで、2015年に同社が発行したリポート「Go Live on Day One: The Path to Success for a New CIO(初日から動け:新任CIOの成功への道)」の著者であるダイアナ・バーソーン氏だ。新任のCIOにはポスト特有の課題があり、自分の実力を示し、組織全体に利益をもたらす成果を実現するために、時間を無駄にすることはできないと同氏は語る。またリポートの中で、「CIOは既存の問題や現行のギャップを解消する一方、最新のテクノロジーとデジタルイノベーションを用いて、迅速に新しい機能、商品、サービスを構築し、それらを提供できることを証明しなければならない」と指摘している。
CIOが成功への道を進むために、就任後の最初の数カ月がなぜ重要であるのか、新任CIOは一体何を達成すべきなのか、本稿でバーソーン氏の考えを共有したい。
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CIOが直面する新たな課題
IT部門は他部門とどう付き合っていくべきか
――新任CIOは他の新任エグゼクティブよりも大きなプレッシャーにさらされるものでしょうか?
ダイアナ・バーソーン氏(以下、:バーソーン氏) もちろん。CIOは他のエグゼクティブより大きなプレッシャーにさらされていると私は考える。世界は変化し続けており、デジタル情報がビジネスとテクノロジーの境界を曖昧にしつつある。結果的に、CIOに特有の新しいチャレンジが生まれた。CIOには、その変化に影響を与えることのできる空前のチャンスがある。なぜなら今日、環境が急激に変化しつつある中、CIOが影響を及ぼす範囲は以前より拡大しているからだ。大きなチャンスがそこにある。
――新任CIOは新任CEO以上に勝負に出なければならない?
バーソーン氏 それに関して細かく比較はしたことはない。しかし、今日のCIOは5年前のCIOより大きなプレッシャーにさらされている。CIOとCEOを対比することはあまり意味がなくなった。比較するのが難しくなったからだ。CIOの役割は進化し、変化している。CIOはテクノロジーの専門家であるというだけでなく、同時にビジネスに目を向けなければならず、これまで以上に顧客重視の姿勢を迫られている。5年前であれば、深い専門知識を持ったテクノロジスト(高度技能技術者)として、各事業部門と周辺的な関係を持つだけで十分に職責を果たせただろう。だが今日、CIOは社内の他部門や他部署とより協調的な関係を築かなければない。
――新任CIOが認められるための時間はわずか90日から120日とのことですが、なぜそれほど時間が短いのでしょうか?
バーソーン氏 IT組織は、ビジネスニーズに応え結果を出すことに非常に大きな期待が掛けられる。一方で会社はITの価値が十分理解できるようになるまで気長に待ってはくれない。IT部門が行動計画を持ち、状況を変え、正しい方向へ進んでいることを示すために、CIOに与えられる時間は短い。新しいCIOが成功するのも失敗するのも、90日から120日で決まる。まずはその短い期間に会社から信頼を得て、他部門との協調関係を構築し、より長い時間をかけて取り組むべき次の段階へ向かう必要がある。
――その最初の3、4カ月で、新任CIOが達成すべき第1の任務は?
バーソーン氏 第1の任務は、現行ITのパフォーマンス、IT部門に対する認識などの事実を収集すること。ITが今どのように機能し、どこにチャンスがあるか、それがベースラインとなる。ベースラインが決まれば、そこから先に向かって実行可能な計画を策定し、具体的な進展を示すことが可能になる。その計画に、迅速な成功と長期的な革新的イニシアチブを組み込めば、利害関係者にも進歩していることを示すことができるだろう。
――新任CIOが実行すべき第2、第3の任務は?
バーソーン氏 第2の任務は、顧客と会社のマインドセット(考え方、ものの見方)を理解し、各部門との間で相互関係を構築することだ。すなわち、ITの向こう側を見ることが、第2の任務ということになる。相互関係を構築し、同意を得なければ、効率性は損なわれる。改革の多くはIT部門の外で行われるため、CIOが会社全体にわたって協調関係を維持する必要性は極めて大きい。
第3の任務は、より長期的なプランニングの視点から行われるべきものとなる。CIOは、会社の外を見渡し、パートナーや競合他社など、より広範なエコシステムを理解しなければならない。業界間の境界線はぼやけつつある。今こそ視野を広げ、テクノロジーをどのように使えば企業の利益を引き出せるかを判断するチャンスが、CIOにはある。
――新任CIOが最初の数カ月以内につまずきやすい最も一般的な失敗とは何でしょうか?
バーソーン氏 その質問は私ならこう問い直すと思う。「CIOが直面している最大のチャレンジは何か?」。それはITに関する個々の視点や、ここまで論じてきたITのベースライン化、広範な行動計画の策定、協調関係を構築することなどのバランスを取る必要性だ。新任CIOにとって、それらのバランスを実現することは極めて重要になる。失敗はいずれかに偏ってしまう。利害関係者の調整に重点を置き過ぎる、あるいは組織内のことに力を入れ過ぎる、利害関係者の幅広いニーズを理解することなくITのみに目を向け過ぎる、といった失敗だ。
――新任CIOが短期間で成功したか否かを測定する基準とは?
バーソーン氏 事実を収集するという第1の任務に帰着する。その実績のベースラインを基に測定基準を設定し、成功か否かを判断すべきだ。その場合、短期的な成功を量的に示すことのできる当面の課題も組み込んでおく必要がある。比較的短期に達成可能な改善項目を組み込んだ業務上の測定基準と同じようにシンプルな課題になるはずだ。
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