まだ使ってない人も、まだまだ使いたい人も
大躍進のコンテナ技術「Docker」、導入と活用のための5つのヒント
2014年に脚光を浴び始めて以来、ファンが増え続けている「Docker」。その理由を理解するとともにDockerコンテナを有効活用するためのポイントを紹介する。
オープンソースのコンテナ管理ソフトウェア「Docker」は2014年にコンテナ技術に新たな光を当て、2015年にはコンテナ市場を席巻した。コンテナのポータビリティとスケーラビリティがクラウドユーザーや開発者の反響を呼び、Dockerは普及が進み、企業ユーザー向け機能がますます充実してきている。
競合技術でも同様のサービスの整備が急ピッチで行われているが、Dockerは既におなじみの名前だ。それでも、「そもそもコンテナを導入すべきかどうか」、あるいは「コンテナをクラウド環境にどのように統合するか」で悩んでいる企業もある。
こうした悩みなどを解決するヒントやポイントを紹介する。
コンテナ技術は自社に適しているか
Dockerや、米CoreOSの「CoreOS」のようなコンテナ技術は、全ての企業に適しているわけではない。ハイパーバイザーベースの仮想化の代替となるコンテナベースの仮想化は、主要なコンポーネントを共有し、高いスケーラビリティを必要とする環境で最も効果的に機能する。例えば、企業が同じワークロードとOSの数百コピーを展開する必要がある場合、コンテナベースの仮想化の方がハイパーバイザーベースの仮想化よりも効率的な選択肢だ。
コンテナを使うメリットには、リソースの無駄の削減、OSのライセンスコストの低減、パフォーマンスの向上などがある。コンテナは、ハイパーバイザーベースの仮想化で使用する仮想マシン(VM)と比べて軽量で、あまり手間をかけずにアプリケーションをクラウド間で移動できる。しかし、データセンターで多様なワークロードへの対応やワークロードの分離が必要な場合は、ハイパーバイザーベースの仮想化の方が良い選択肢だ。
5つの基本的ステップでアプリケーションをDockerコンテナ化
企業がアプリケーションをDockerコンテナに移行する目的は、ポータビリティやスケーラビリティの向上にある。アプリケーションをDocker化するプロセスには、以下のような5つの重要なステップがある。
- アプリケーションをデータベースとミドルウェアサービスに分割し、分散型にする
- 「Docker Registry」の基本イメージをアプリケーションの基盤として使用する
- アプリケーションのセキュリティ対策を策定する
- コンテナとコンテナクラスタ全体をテストする
- コンテナを本番環境に展開する(コンテナ化されたアプリケーションの有効期間を延ばすために、必ずそれらを全て監視する)
マイクロサービスとコンテナでDevOps環境を構築
DevOps環境では、コンテナとマイクロサービスが重要な役割を果たす。どちらの技術も、開発者がアプリケーションを、DevOpsワークフローを効率化する新しい方法でパッケージ化し展開するのに役立つ。さらにコンテナは、アプリケーションにクラウドプラットフォーム間でのポータビリティをもたらし、マイクロサービスは、開発者が各アプリケーションサービスを独立して展開することを可能にし、障害の分離を支援する。
しかし、やみくもに取り組みを始めるのは禁物だ。まずDevOps管理戦略を策定する必要がある。コンテナのライフサイクル管理を導入すれば、コンテナの複雑さを監視し、管理するのに役立つ。
Dockerコンテナのセキュリティ確保はIT部門の優先課題
Dockerユーザーはセキュリティ問題と無縁ではない。実際、Dockerコンテナ技術を展開する際には、IT担当者がセキュリティ上、考慮すべきことがたくさんある。例えば、コンテナは非常に柔軟性が高いため、企業にとって複数のコンテナインスタンスを実行しやすい。しかしこれは、コンテナによってセキュリティパッチの適用状況が違ってくる可能性があるということだ。
IT担当者は「Docker Content Trust」(DCT)のような技術を利用して、コンテナのセキュリティ侵害を防止しなければならない。DCTは鍵を使ってDockerイメージにセキュリティレイヤーを追加し、イメージが発行者以外の何者かによって改変されていないかの確認を可能にする。
また、Dockerに関するセキュリティ基準をまとめたさまざまなドキュメントが公開されている。例えば、サイバーセキュリティ対策の強化を目的とする米非営利団体Center for Internet Security(CIS)のドキュメントでは、Dockerコンテナの展開に関する84のベストプラクティスが説明されている。コンテナのセキュリティ問題の大半は、ずさんな設計に起因しており、こうしたベストプラクティスを学べば、どこが特に脆弱(ぜいじゃく)かを判断する助けになる。
PaaSプロバイダーにとってDockerの台頭は脅威か
Dockerは新興技術だが、PaaSは数年前からおなじみだ。いずれも似たサービスを提供するが、DockerはPaaSの代わりに使えることがあるとはいえ、PaaSに取って代わるものではない。例えば、永続データストアの提供など、PaaSの一部の機能は、Dockerでは簡単には再現できない。
実のところ、Dockerコンテナ技術はPaaSよりも、IaaSの仮想マシンにとって脅威になる。IaaSプロバイダーのコンテナサービスにより、企業はマシンインスタンスのプロビジョニングについて心配することなく、Dockerイメージをクラウドに展開できる。仮想マシンのリソースをフルには必要としない企業にとっては、これは魅力的な選択肢になる。
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