デスクトップ管理者が知っておきたい
わずか35ドル、「Raspberry Pi」に学ぶ「ナノコンピュータ」の基本(1/2 ページ)
企業にナノコンピュータが進出している。その一例は、英Raspberry Pi Foundationの「Raspberry Pi」だ。管理者は、この小さなシステムで行われる処理について知っておくべきだ。
近年台頭しているナノコンピューティングプラットフォームの多くをよく知らない方は、ぜひこの機会に学習されたい。これらの「Linux」を基盤とするデバイスは、急速な進化を遂げているテクノロジーだ。まだ存在していないもの含めて、興味深い多くの新たな就業機会を生み出す可能性を秘めている。
クラウドコンピューティング、モバイルテクノロジー、米Microsoftの「Windows」を搭載した従来型のデスクトップPCは、今日のエンタープライズコンピューティングに欠かせない。だが、メイカームーブメントを支持する技術者や野心的な企業家が先陣を切る形で、次の大きなIT革命が起きようとしている。これらの人々は、ほぼLinuxのみで稼働するナノコンピューティングプラットフォームを使用してプロジェクトを作成している。
企業のIT担当者、システム管理者、デスクトップPCの専門家がナノコンピューティングに注目するべき理由は何だろうか。英Raspberry Pi Foundationの「Raspberry Pi」とそれに付随するLinuxベースのナノコンピューティング関連製品は、すさまじい勢いで増加している。これらが企業で利用されるようになれば、この小さなシステム上で開発、管理、ユーザーサポートに対応する職務が必要になる。
そもそもナノコンピュータとは何なのか
最新の「Raspberry Pi 2 Model B」には、英ARMのクアッドコア「ARM Cortex-A7」(900 MHz)と1GBのRAMが搭載されている。また、4つのUSB端子、フルサイズのHDMI端子、100MB/秒のイーサネット端子、40本の汎用I/Oピン、「VideoCore IV 3D」グラフィックエンジンも装備している。この馬力は大きい。性能は申し分なく、56(高さ)×85(幅)ミリの回路基板にパッケージ化されている。標準的なデスクトップPCの機能を実行することも、最新のWebブラウザでWebを閲覧することも、米Googleの「YouTube」を視聴することも可能だ。わずか35ドルという価格で、各種Linuxディストリビューションを実行できる。
小型のUSB Wi-Fiチップを接続し、ワイヤレスのキーボードとマウス、バッテリー、小型のカラーLCDモニターを取り付ければ、カスタマイズ可能なWi-Fi対応の自家製ポータブルノートPCの完成だ。モニターなしで実行し、センサー、モーター、アクチュエータに接続すると、自己完結型のIoTプラットフォームになる。Linuxコンピュータであるため、Linuxコミュニティーで提供される幅広いサーバ、プログラミング言語、アプリケーションを利用できる。
標準的なRaspberry Pi Linuxコンピュータは、安定性や性能が非常に高く、メンテナンスも簡単だ。microSDカードにイメージを焼いて、基板上のスロットに差し込んで、イメージを起動すれば、処理が開始される。必要に応じて、Secure Shell経由でリモートログインできるようにしたり、タイムゾーンを設定したり、コマンドラインとデスクトップ環境のどちらで起動するかを指定したりすることもできる。しかも、これらの機能はほんの序の口だ。
例えば、Raspberry Piで会議用の名前バッチを作成したとしよう。このシステムは、モジュールデザイン、シームレスなWi-Fi、プログラム機能、自動化機能を備えている。15ドルで購入した充電式の緊急用携帯電話バッテリーを使用して、150MBのmp4ビデオを30fpsで小型のカラーモニターに約3時間ループ表示させることができる。私物のLinuxノートPC、WindowsデスクトップPC、韓国Samsung Electronicsのスマートフォンから、LAN経由であらゆる構成や変更を行うことができる。また、Raspberry Piを大型モニターに接続し、マウスとキーボードを取り付けて変更を行うことも可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
想像以上に多い? 調査で見えた「ワークフロー」が従業員満足度に与える影響 -
製品資料
なぜワークフローシステムのポテンシャルは眠ったままなのか? -
製品資料
大手銀行もPPAP廃止へ いま金融企業が知っておきたいPPAPの問題点と代替手段 -
市場調査・トレンド
なぜ海外事業は失敗するのか? 元味の素常務が語る、ASEAN事業成功の原理原則 -
製品資料
AIを使った情報収集では不十分? 新規事業開発を計画通りに進めるためのコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
2
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
Microsoft 365の知られざる5つの裏口 パスワードを変えても攻撃者は消えない
-
5
イーロン・マスク氏が生成AI「Grok」をオープン化する“語られない狙い”
-
6
多要素認証導入済みでもランサムウェア被害に 復旧費用は平均2億7000万円
-
7
身代金支払いは逆効果 情シスのためのランサムウェア対策ガイド2026
-
8
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
9
ランサムウェア「The Gentlemen」急拡大 21経路の「同時多発的」内部侵略を試みる
-
10
「技術屋」で終わるか、部長へ昇格するか 今取りたい「IT×ビジネスの認定資格」5選
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
属人化や仕様バグはなぜ起きる? AI時代に必須のドキュメント文化の作り方
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
4
5分で分かる「AI駆動開発エージェント」 要件定義から設計・実装・テストまで
-
5
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
8
オープンウェイトLLMの推論最適化事例:ローカル環境で応答速度を約15分の1へ
-
9
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
10
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー