ケアレスミスほど解決が難しい
見くびっていると超難問、無線LANとWindowsの単純トラブル処方薬
IT機器管理者は多くの複雑な問題に遭遇する。しかし、無線LANに接続できないなど、基本的な問題を解決することもスムーズな運用には不可欠だ。
IT機器管理者の仕事に就けばすぐに、Windowsの不具合や無線LANの接続不良など、一見小さな問題が日々絶え間なく発生することを実感するだろう。
Windowsのごみ箱アイコンを消してしまった、アプリケーションがフリーズしたといった問題もあれば、ユーザーのログイン資格情報が分からないまま問題を解決しなければならない状況もある。頭の痛いことばかりだが、うろたえてはいけない。
無線LAN接続不良やローカル管理者権限問題など、IT機器管理者が遭遇する5種類の基本的な問題とその解決策を紹介する。
処方薬その1:無線LAN接続不良の原因を突き止める
無線LANはすっかり定着した技術なので、重大な問題の要因になり得ることを見落としやすい。だが、無線LAN関連機器にわずかな不具合があるだけで大きな悪影響を引き起こすことがある。それだけに、この問題の迅速かつ効率的な解決は優先課題だ。
無線LAN接続の問題が発生したら、IT機器管理者が確認すべき大事な点が2つある。1つは、誰がその問題に遭遇しているかだ。それが確認できれば、1人だけの問題なのか、それとも一定範囲に及ぶ問題なのかが分かる。一定範囲で無線LANがつながらない場合は、通信可能域に問題があることが多い。また、この点を確認することで、無線LANに接続できないユーザーの共通点が分かるときもある。例えば、ファームウェアを更新していないユーザーにだけ問題が発生している場合だ。
確認すべきもう1つの点は、その問題が継続して発生するのか、一時的なのかだ。継続して発生している場合、ユーザーの無線LANログインパスワードに問題がある。一時的な場合は、アクセスポイントが過負荷になっているのかもしれない。IT機器管理者が自分で調べて原因をなかなか特定できないときは、オンライン診断ユーティリティを利用することも検討してみよう。
処方薬その2:アプリケーションのフリーズには動じない
アプリケーションにアクセスできないと業務に支障を来す。アプリケーションがフリーズしたりロックしたりしたら、すぐにその問題を解決しなければならない。無線LANの問題と同じように、まず、それが広範に発生しているのか、一部なのかを確認しよう。広範な場合は、アプリケーションのバグが顕在したと考えるべきだ。
特定のユーザーだけに問題が発生する場合は、機器の設定に原因がある。システムメモリやCPUの不具合、ストレージの制約など、ハードウェアが原因で複雑な問題が発生する。クーラーユニットのファンが故障したといった単純なトラブルがコンピュータの過熱を招き、アプリケーションのパフォーマンスに影響することもある。ハードウェアに原因がなければ、OSを疑ってみる。デバイスドライバが最新でなかったり、Windowsページファイルが破損していたりすれば、アプリケーションの挙動に問題が発生する。「Windows Update」を実行して全てを最新にすることも必要だ。
処方薬3:ごみ箱が消えた
IT機器管理者が対処すべきWindowsの問題としてごみ箱が挙がるとは意外かもしれないが、たまにこのアイコンが消えてしまうことがある。サードパーティー製アプリケーションやグループポリシーによって非表示になる場合もあれば、レジストリ情報で消えていたり、ユーザーが間違って削除したりする場合もある。
幸い、「Windows 8」ではごみ箱の右クリックメニューから「削除」がなくなり、これまでほど簡単には削除できないようになった。だが、Windows 8でも誤ってごみ箱を別の場所へ移してしまう可能性はある。「Windows Vista」や「Windows XP」にいたってはWindows 8のような安全策がない。
ユーザーがごみ箱を削除した場合や、何らかの理由でごみ箱が消えてしまった場合、復旧には簡単な方法とリスキーな方法がある。簡単な方法では、コントロールパネルの「個人設定」で「デスクトップアイコンの変更」をクリックし、「ごみ箱」のチェックボックスをオンにすると元に戻る。リスキーな方法では、OSのレジストリを変更する。1つ間違えばOS全体を破壊しかねないので、この方法を使う場合は事前に全てをバックアップしておく必要がある。
処方薬4:ユーザーのパスワードが不明な場合
ユーザーのコンピュータに発生した不具合を解決しなければならないのに、パスワードが分からない場合がある。お手上げと思うかもしれないが、方法はある。そのコンピュータがドメインネットワークに所属しているなら、そのドメインが認証しているアカウントでログインすればいい。言うまでもないが、管理者権限でログインしてはならない。マルウェアが原因だったとしたら、それをネットワーク全体にまき散らしてしまうからだ。
ドメインに所属していない場合でも、手はある。そのコンピュータのHDDを外して別のWindows PCにスレーブドライブとしてつなぎ、「CHKDSK」を実行する。これならログイン情報がない状態でブートセクタの問題も修正可能だ。
処方薬5:管理者権限に関する問題
ローカル管理者権限は扱いが難しく、Windowsで問題が起こる原因の1つでもある。役員など企業上層部が相手の場合はなおさら対応が面倒だ。そうした人々は、自分にできることに制約を受けるのを嫌うし、権限が減ると軽んじられたと誤解しやすい。だが、管理者権限を持つかどうかは各自の意向で決めていい問題ではない。
確かに、管理者権限があればちょっとした問題を自力で解決できるだろうし、自分でコントロールできている感覚を得るかもしれない。しかし、各自にローカル管理者権限を付与することは大きなセキュリティリスクになる。それは全権を委任することであり、それによって何でもできるようになってしまう。アプリケーションのダウンロード、プログラムの利用、IT部門の決定を無視することも可能になる。これは絶対に避けるべきセキュリティ問題の1つだ。
ローカル管理者権限を限定する駆け引きを上手に進めるには、ユーザーごとに権限を制限するか、段階的に制限していくとよい。例えば、いきなり多くの権限を剥奪するのではなく、IT部門が行った設定を変更できないようにするところから始める。それから、ダウンロードできるアプリを制限するなど、徐々に進めていく。最初は嫌がられるとしても、いずれは慣れてくれるし、それでIT担当の心配事はかなり減るだろう。
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