ただしApp Store申請にはMacが必要
iOSアプリ開発のMac離れ? Win環境で開発できる「Xamarin Live Player」登場
「Xamarin Live Player」はiOSアプリの開発やテストを高速化でき、Macがなくてもアプリケーションのデバッグができる。
Windows PCを使ったiOSアプリの開発やテストをこれまで以上に加速させることが可能になった。IT部門にとっては、アプリケーションをユーザーに届ける効率性向上が期待できる。
新ツールの「Xamarin Live Player」は、「Visual Studio」を使う開発者がWindows PCをAppleのiPhoneやiPadに接続して、ネイティブアプリのテストとデバッグができる。Macは不要。これによってiOSアプリ開発プロセスの合理化を図ることができる。翻って、組織がアプリをユーザーに配信するペースも速まり、問題は少なくなる。
「特にiOSのデバッグ機能が気に入っている」と話すのは、米国のペレットサプライヤーKamps Palletsの上級プログラマー兼アナリスト、ジャスティン・カミングス氏。「これは本当に素晴らしく、私たちの助けになるだろう。今後のモバイルアプリ開発のため、Visual Studio経由でXamarinを使い始める予定だ」と語る。
併せて読みたいお薦めの記事
MicrosoftによるXamarin買収の背景
クロスプラットフォーム開発の動向
新機能
Microsoftはこのほど、「Microsoft Build 2017」カンファレンスでXamarin Live Playerを発表した。これまでは、MicrosoftのVisual Studioで開発したiOSアプリのデバッグをするには、統合開発環境(IDE)の「Xcode」を搭載したMacと同じWi-FiにWindows PCを接続する必要があった。アプリケーションのエミュレータソフトウェアをインストールして使う必要もあることから、時間を取られる原因になっていた。
Xamarin Live Playerは、開発者が自分のWindows PCにiPhoneやiPadを接続してQRコードをスキャンし、デバッグのオプションを選択すると、アプリのデバッグができる。自分が書いたコードの変更がアプリにどう反映するかをリアルタイムでチェックすることもできる。
米国の調査会社Moor Insights & Strategyの社長兼主席アナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏によると、Windows開発環境に物理的なMacを置く必要がなくなれば、iOSアプリは一層開発しやすくなる。「真のメリットは、iOSアプリの開発、テスト、デバッグのペースを大幅に加速できる点にある」と同氏は言う。
依然としてMacユーザーフレンドリー
だがMicrosoftはMacを不要にすることによって、開発者をMacから引き離そうとしているわけではない。実際のところ、MicrosoftはBuildで「Visual Studio for Mac」もリリースし、Macの方が良いという開発者もWindowsと同じようにVisual Studioでアプリを開発できるようにした。
ただし、iOSアプリを「App Store」で配信するためには、Macでしか実行できないXcodeが必要だ。つまり、たとえXamarin Live Playerを使ってMacなしでiOSアプリを開発し、デバッグしたとしても、App Storeに提出するためにはXcodeを搭載したMacが必要になる。
Xamarinのメリット
Microsoftは2016年にXamarinを買収し、Microsoftの開発プラットフォームであるVisual Studioに統合した。一般的に、複数のOS向けのアプリケーションを開発する場合、開発者はそのアプリケーションを実行させたい個々のOS向けに最初からアプリケーションを開発する必要がある。しかしXamarinで開発したアプリケーションは、iOSやAndroid、Windows、macOSを含む複数のOSに移植できる。
カミングス氏は言う。「Xamarinを採用するのはそれが1つの理由だ。Xamarinが気に入っているのは、C#でアプリを構築できるからでもある。私はC#が大好きだから」
Xamarin Live PlayerはAndroidにも対応しているが、Visual Studioでは以前から、Androidアプリをネイティブでデバッグすることが可能だった。MicrosoftはBuildでXamarin Live PlayerをApp StoreおよびGoogle Play Storeを通じて公開している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
4
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
5
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
6
祝10周年! 創業者も予想できなかったRaspberry Pi活用例
-
7
「VMware旧ライセンス」ユーザーに届いた“最後通告”が波紋を呼ぶ
-
8
事業計画と製販計画の連携力を高める需要管理システム「Oracle Demantra」
-
9
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
10
ネットアップ、クラウド時代を見据えてストレージ製品群を刷新
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー