ストレージ投資動向調査
SSD vs. クラウド 世代交代を迎えるプライマリーストレージ、次の選択肢は?
プライマリストレージとバックアップストレージに関する優先事項の中でも、クラウドは人気が高い。一方、ほとんどの人がプライマリデータストレージに採用しようとしているのがオールフラッシュアレイだ。
2010年ごろ、将来を見据えたストレージの専門家たちは、フラッシュとクラウドがゆくゆくはストレージの中で優勢なものになると予想していた。
TechTargetが実施した2017年の年次調査「IT Priorities Survey」(IT優先度調査)によれば、人気のあるデータストレージの選択肢に関して、その予想は的中している。この調査では、201人の回答者が「ストレージ/バックアップ」と「災害復旧」に最も多くの時間を費やしたと答えている。また、各グループの約半分は、クラウドが主な優先事項だと回答している。クラウドバックアップを優先事項として選んだ48%の回答者は、重要度が低い作業の中ではクラウドを最優先事項と見なしている。また、48%の回答者は、クラウドストレージをプライマリストレージの重要度の高い作業として挙げている。これを上回ったのは、オールフラッシュアレイ(31%)とSSD(30%)の組み合わせだけである。
勢いを増すクラウド
データストレージの選択肢を考えるとき、1年前よりも多くのストレージの専門家が、クラウドを思い浮かべるようになっている。2016年の調査では、37%がプライマリストレージとしてクラウドを導入するつもりだと回答し、クラウドバックアップを導入するつもりだと答えたのは24%に過ぎなかった。2017年の調査では、クラウドバックアップが最優先事項という結果になり、バックアップハードウェア(26%)とバックアップソフトウェア(19%)を合わせた数よりも多い結果となった。
16%の回答者は、クラウド災害復旧(DR)または外部委託によるDRを2017年に導入するつもりだと答えている。これは2017年に社内でDRを行うと答えた回答者(26%)より少ないが、クラウドDRとクラウドバックアップを合わせると、データ保護プロジェクトの73%を占める結果となっている。また、クラウドが社内DRプロジェクトに割って入り、社内DRプロジェクトは2016年の40%から減少している。
着実に数を伸ばすフラッシュ
SSDもプライマリデータストレージの選択肢として上位を占め、60%以上の回答者がオールフラッシュアレイかSSDを導入すると回答している。なお、2016年の調査では、SSDを導入するつもりだと答えたのは29%だった。プライマリストレージのデータ削減はオールフラッシュアレイの導入要因となる主要テクノロジーだが、SSDの人気も相まって、2016年の16%から25%に急上昇している。これは当然の結果であろう。
増加傾向にあるハイパーコンバージェンス
ハイパーコンバージドインフラは、2017年におけるストレージの上位優先事項の中でも大きな躍進を遂げている。24%の回答者がハイパーコンバージドインフラを優先事項に挙げている。これは、2016年の調査でコンバージドインフラかハイパーコンバージドインフラを導入すると答えた回答者(13%) の約2倍にあたる。他に大きく順位を上げたのは、オブジェクトストレージで、2016年の9%から16%に伸びている。2017年のオブジェクトストレージの人気は、非構造化データ用のストレージに選ばれているスケールアウトNAS(17%)に匹敵する。
また、データの仮想化(23%)、FCoE(Fibre Channel over Ethernet)ストレージネットワーク(26%) 、ソフトウェア定義ストレージ(21%)が2016年に比べて上昇している。
その反面、ストレージ仮想化を優先事項として挙げた回答者は、16%にとどまった。これは、2016年の24%からの減少だ。
2016年と2017年のセカンダリストレージプロジェクトを比較した場合、最も急増したのがクラウドバックアップだ。また、バックアップ重複排除(30%)、仮想サーバのバックアップ(43%)、継続的データ保護(27%)、コピーデータ管理(10%)の全てが、優先事項として2016年と比較して増加している。
いまだ解決しない仮想化の問題
ストレージの専門家は、データストレージの選択肢に関して、プライマリシステムとセカンダリシステムの両方で仮想化に引き続き取り組んでいる。バックアップの最優先事項として、仮想サーバのバックアップはクラウドバックアップに比肩している。2016年が38%だったのに対し、2017年では43%が優先事項と見なしている。2017年は、仮想環境のストレージが主要ストレージの27%を占め、データの仮想化(23%)もわずかな差で続く結果となっている。また、16%の回答者がストレージの仮想化を計画していると答えている。
予算は2016年から微増
ストレージの管理者にとって2017年の予算は、少し楽観的な見通しとなっている。50%の回答者が、2016年と比較して予算が増加すると答えている。24%が予算は変わらない、16%は不明としているが、予算が減ると答えたのは10%だけだった。24%弱の回答者が予算は10%以上増える見込みだとし、21%は5~10%の上昇を予想している。なお、2016年の調査では、50%が予算は増える見込みと答えた一方で、26%は減ると予想していた。また、10%以上増えると予想したのは回答者の16%に過ぎなかった。
要するに、2017年は、ストレージの管理者がフラッシュとクラウドに費やす予算が増えるということだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
6
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
7
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
8
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
9
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
10
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー