NEWS
デジタルビジネスに必要な5つの観点とは ガートナー幹部が提言
Gartnerのリサーチ部門最高責任者であるピーター・ソンダーガード氏が世界のデジタルビジネスの動向について語った。デジタルビジネスの推進に必要な5つの観点と、これからの展望とは。
Gartnerのエグゼクティブ・バイスプレジデントで、グローバル・リサーチ&アドバイザリ部門最高責任者のピーター・ソンダーガード氏が2018年6月5日、報道機関向け説明会で世界のデジタルビジネスの動向と、企業がデジタルビジネスを推進する上での課題について語った。同社はデジタルビジネスを「センサーやクラウドを通じてシステム、人、モノの要素を相互につなげ、収益と効率性を高める新しいビジネス設計」だと定義している。
ソンダーガード氏は、デジタルビジネスを推進する企業が直面している課題として、従来プロジェクト単位だったデジタルビジネスを、企業全体で展開することを挙げる。企業が一貫したデジタルビジネスを実現するには、デジタルビジネスの具体的な目的と、実現に向けたロードマップをはっきり描く必要があると同氏は説明する。ロードマップを描くには、以下の5つの観点がポイントになるという。
- カスタマーエクスペリエンス(詳細は後述)の提供を意味する「顧客」の要素
- 企業とパートナーの連携を指す「エコシステム」
- 商品の生産開発やIoT(モノのインターネット)技術の領域である「モノ」
- コアシステムやサプライヤー向けアプリケーション開発などを指す「ITシステム」
- アルゴリズムや人工知能(AI)技術を使った分析で、他の4つの要素を助ける「インテリジェンス」
GartnerのCEO調査で過去5年にわたり、企業の最優先課題として挙がり続けた項目は、「顧客」の要素である新しいカスタマーエクスペリエンスの提供だ。カスタマーエクスペリエンスは、顧客サービスを設計・提供することにより、顧客の満足度を向上させる取り組みのこと。同氏によると「カスタマーエクスペリエンスの分野には、多種多様なデジタル化の機会がある。ここに力を入れられる会社が、ビジネスをアナログからデジタルに変える『デジタルトランスフォーメーション』(DX)に向けて良い一歩を踏み出している」という。
ソンダーガード氏は、デジタルビジネスを展開する上で、新しい「プラットフォーム」を構築する必要があると説明する。ここでのプラットフォームとは、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通して企業のエコシステムと他のエコシステムを連携させることで、ビジネスの機会を創出する仕組みを指す。
プラットフォームを提供する企業ビジネスは、役割に応じて「連携」「全体最適化」「創造」「結び付け」の大きく4つに分類できる。「連携」は協力者として、開発者や販売者およびこれらの製品のエンドユーザーと連携する役割。「全体最適化」はプラットフォームの中で自社が主導権を持ち、プラットフォームに所属するエンドユーザーや企業を巻き込んで、プラットフォーム全体を最適化するけん引役のことだ。具体的にはAmazon.comが当てはまるという。
3つ目の「創造」は他のエコシステムなどに対してデジタルサービスを作って提供する役割で、4つ目の「結び付け」は売り手と買い手を結び付ける。売り手と買い手が商品を売買するために、必ず自社を経由するようなシステムがこれに当たる。同氏は「APIを通してエコシステム同士が連携することで、今までになかった取り組みや事業モデルが生まれるだろう」と語る。
デジタルビジネスを推進するためのロードマップの描き方について、ソンダーガード氏は自動車メーカーを例に挙げる。最初に着手するのは「ITシステム」で、次にデータアナリティクスなど「インテリジェンス」の取り組みを進め、自動運転技術など「モノ(IoT技術)」の基盤を整え、最後に「顧客(カスタマーエクスペリエンス)」とエコシステムを構築するのが一般的だと説明する。「デジタルビジネスを推進するにはこれらの要素を包括的に捉え、企業の方針を理解して行動する人材が求められる」(ソンダーガード氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
6
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
7
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
8
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
9
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
10
「Windows派」「Linux派」を分ける決定的な違い
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー