演算リソースの不正利用をどう防ぐか
仮想通貨を勝手に採掘するクリプトジャッキングの最悪の犯人
無断でPCやサーバの演算リソースを使って仮想通貨を採掘(マイニング)する「クリプトジャッキング」が問題になっている。中でも「ある人物」による犯行は検知が難しい。
ビットコインなどの仮想通貨の台頭に伴って発生しているのが、「クリプトジャッキング」(Cryptojacking)だ。パブリックのブロックチェーンは、採掘者(マイナー)と呼ばれる多くの異なるエンティティーを信頼してチェーンの状態を管理する。採掘者は報酬を得るため、競って新しいブロックをチェーンに作成する。
採掘者は、新しいブロックに取引を正しく記録していることを証明するため、その新しいブロックで特定の基準を満たす署名(シグネチャ)を計算する必要がある。そのためには試行錯誤を繰り返すしかない。基準を満たす答えが見つかるまで、そのブロックにランダムな値を追加することになる。この答えを最初に見つけた採掘者が仮想通貨の報酬を受け取る。これにより採掘者の不正行為を防げるが、この競争に勝利するには膨大な演算能力が必要になる。
結果として、分散コンピューティングを利用する採掘者も登場している。この分散コンピューティングには、PCの所有者の許可を得るものと得ないものがある。これは広告に代わるWebサイトの収入源として合法的に行うことができると提唱されていて、そのためのソフトウェアも開発されている。これは「Monero」(モネロ)などの新しい仮想通貨と共に広く普及している。だが、残念なことに、一部のWebサイトでは、ユーザーの許可を得ることなくアクセスするソフトウェアが不法に使用されている。
こうしたスクリプトベースの攻撃は、情報を盗み出そうとしたり、あからさまなサービス拒否を引き起こしたりしなければ、それ自体に悪意があるわけではない。また、ブラウザやタブが閉じられると即座に停止する。ただし、ユーザーのPCの速度低下や電力消費量の増加を引き起こし、モバイル端末ではバッテリーを消耗させることになる。
スクリプトベースの攻撃から保護する最も簡単な方法は、JavaScriptを無効にすることだ。ただし、この方法は必ずしも望ましくない。「Firefox」や「Chrome」など一部のブラウザには、クリプトジャッキングのブロックを目的とするブラックリストを利用するアドオンがある。クリプトジャッキングからの保護機能を組み込んでいるブラウザもある。また、採掘者がクリプトジャッキングを行わないようにブロックできる広告ブロックプログラムも多数存在する。ただし、クリプトジャッキングソフトをホストするWebサイトは、標準のWebフィルタリングシステムやDNSフィルタリングシステムによって望ましくないサイトとしてブロックされる。
ユーザーのPCやサーバにマルウェアのインストールを試みる、より深刻な手口のクリプトジャッキングもある。従来のフィッシング攻撃とは異なり、この種の攻撃は、最も強力なPCやサーバに狙いを定めてマルウェアのインストールを試みる。繰り返しになるが、データを盗んだり、あからさまなサービス妨害を行ったりする意図はない。だが、プロセッサの使用率が連続的に高くなり、サーバの電力消費量と空調設備の電力消費量が増える。こうした攻撃を防ぐには、サーバアプリケーションのホワイトリスト登録、ネットワークの監視、ウイルス対策技術など、他のマルウェアと同じ対策が必要になる。
たが、クリプトジャッキングの最も深刻な脅威は他にある。
続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly日本語版
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込みデバイスへのAI実装で開発速度と品質を両立する方法 -
製品レビュー
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 実画面を見れば納得 営業・設計・開発を「AI×CRM」でつなぐとこうなる -
比較資料
[アイティメディア広告企画] ERP導入ガイド:「OBIC7」「SMILE V 2nd Edition」「Oracle NetSuite」を比較 -
市場調査・トレンド
[アイティメディア株式会社] AI Overviews時代のB2Bマーケ! 成長企業が選ぶ戦略とは? -
市場調査・トレンド
[アイティメディア株式会社] なぜあの施策は失敗したのか? B2Bマーケ施策を成功させる3つの鉄則
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
3
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
4
「パスワード使い回し8割」の衝撃 なぜ“パスキー移行”が必要か
-
5
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
6
「GitLab」に最高深刻度の脆弱性 2014年以降の全版に影響を及ぼす恐れ
-
7
次期AI PC向けプロセッサの有力候補「Snapdragon X」 期待と不安の声の真相は
-
8
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
9
“つぶやき”ITの潮流
-
10
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
3
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
4
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
5
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
6
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
7
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
8
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
9
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
10
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー