自由放任ではうまくいかない
セルフサービスBI導入を成功に導く10の「べし・べからず」(1/2 ページ)
セルフサービスBIは、自然に成功するわけではない。企業はデータの品質を確保し、アナリストの仕事の仕方に目を光らせる必要がある。セルフサービス文化を実現するために何をし、何を避けるべきなのか。
企業はエンドユーザー向けにBIツールを導入し、インフラを整え、組織の文化的問題を克服する上で、さまざまな困難に直面する。本稿では、セルフサービスBIツールをスムーズに導入するコツを紹介する。
1. 従業員とデータ専門家でコンビを組ませる
セルフサービス分析を行うには、全従業員がデータにアクセスできるだけでなく、データ管理の経験がない従業員がデータ専門家と連携して働ける文化が必要だと、ITサービス管理プロバイダーのASG Technologiesで製品マーケティング担当副社長を務めるロブ・ペリー氏は語る。データ管理に精通した従業員とデータ管理に疎い従業員でコンビを組ませることで、分析に不案内な従業員によって新鮮な視点やアイデアが持ち込まれ、企業が従来の開発アプローチから脱却するのに役立つ可能性がある。
2. ユーザーに任せきりにしない
ユーザーにBIツールの調査と購入を任せるのは、必ずしも得策ではない。
「最高データ責任者のチームは、ツール選択を管理し、ユーザーが生産性を発揮するためのトレーニングとサポート体制を用意する必要がある」(ペリー氏)
そうすれば、従業員は、セルフサービスBIツールを使った分析方法の学習に集中できる。
3. “システムオブトゥルース”を構築する
適切に検証され、整理された正確なデータセットを作成する。これにより、企業はそうしたデータセットを使用するシステムを、“システムオブトゥルース”(注)と考えることができる。また企業は、ビジネスに必要な品質条件を満たさないデータをふるい落とす、検証プロセスを定義しなければならない。こうしたデータをデータパイプラインライフサイクルの早期にふるい落とし、エラーをソース段階で修正できるようにする方法を見いだすことが、1つの優れた戦略だと、LevaDataのCTO(最高技術責任者)を務めるスリーニ・アイヤー氏は語る。同社はコグニティブソーシングサービスを提供している。
注:「真実のシステム」という意味だが、ここでは「信頼性の高いシステム」を指している。
「Harvard Business Review」に掲載されたタッド・ネーグル氏、トーマス C. レッドマン氏、デビッド・サモン氏の調査によると、新しく作成されたデータレコードの47%には、少なくとも1つの重大なエラーがあるという。データ品質は、サイロ型の管理によって分析プロジェクトごとにばらばらであってはならない。データ品質の管理は、ウイルス対策ツールによるチェックのように全社的に行い、適切なデータ品質を一貫して確保しなければならない。こうしたデータ品質の確保は、データが分析される前に行われる必要がある。
「さらに、ビジネス部門が自らのデータの品質に責任を持つ必要がある。彼らのデータは彼らが最もよく知っているからだ」と、Talendのビッグデータ製品担当のマーケティングディレクターを務めるイザベル・ニュエージ氏はアドバイスする。ビジネス部門はデータの整理を手伝い、IT部門に協力して、全体的なデータ品質に貢献すべきだという。
4. 完全を求めない
Deloitte Consulting傘下の人材管理ソリューションプロバイダーで、シンクタンク業務も手掛けるBersin by Delolitteは、人材分析に関するレポート「High Impact People Analytics: The 2017 Maturity Model」の中で、全てのデータがクリーンで使用可能になるまで、行動を起こすのを待つのは、現実的ではないと指摘している。
「十分な品質のデータセットを使って、取り得る行動を判断し、実行に移すとよい」と、Bersinの人事技術およびソリューションプロバイダー戦略担当副社長、クリス・ハービラ氏は語る。例えば、特定の従業員データセットのレコードが1000件あり、そのうち10件だけが不正確、または古いと思われるなら、分析を行って構わないという。
5. 文化的な障壁を考慮する
セルフサービスBIツールを導入する際は、データ共有に関するさまざまな文化的な視点のバランスを取る必要があると、LevaDataのアイヤー氏は指摘する。一方では、「データを管理することが力の源泉になる」という考え方がある。この考え方に立つと、情報を共有したり、BIプロセスにパートナーに加わってもらったりすることに消極的になる。これとは正反対に、「データは民主化されるべき」と考え、アクセスを開放しようとする人々もいる。このアプローチを取る場合、全体的に多くのメリットが得られるが、データアクセスに関する明確なガバナンスを確立する必要がある。
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