仮想オフィス環境では忙しいふりは通用しない
リモートワークによるプロジェクト成功のコツ
在宅勤務者や異なる支店の従業員同士など、日常的に顔を合わせることのないメンバーによるプロジェクトを成功させるには、それなりのルールが必要だ。
現在では、仕事の場はオフィスなどにとどまらず、さまざまな便利な場所に広がっている。自分のデスクだけでなく、車やお気に入りのコーヒーショップをはじめ、インターネットや少なくとも携帯電話サービスが使えるところならほとんどどこでも、いつでも仕事ができるようになっている。ビジネスの世界では、国内や世界の各地にいる同僚とコミュニケーションを取りながら業務を行うことが大きな流れになってきている。
適切なツールがあれば、オフィス以外の場所で仕事をするのは難しくなく、そうしたツールは簡単に見つかる。実際、既にわれわれのほとんどはそれらを持っているか、それらにアクセスできる。テキストメッセージング、IM(インスタントメッセージング)、マイクロブログ、Skypeなど、そうしたツールは山ほどある。しかし、その効果はユーザーの使い方に左右されるため、それらを使う上では、常に明確なコミュニケーションと組織文化が肝心だ。
メンバーがオフィス外で業務に当たるプロジェクトを成功に導くには、マネジャーは、チームが生産性を高め、通信ネットワークによる仮想オフィスのメリットを生かせるように基本ルールを定めなくてはならない。以下では、チームが物理的にオフィスにいなくても、マネジャーがプロジェクトを円滑に進めていくための6つのコツを簡単に紹介しよう。
リモートワークを成功させるための6つのルール
1. 顔を合わせて信頼関係を築く
メンバーが通信ネットワークを介した仮想オフィス環境で効果的に共同作業を行うには、信頼関係がなければならない。それは自然に生まれるものではない。リーダーが研修やチームの立ち上げでメンバーを一堂に集め、お互いが顔を合わせる中で信頼関係が築かれる。そしてリーダーが一貫して明確な目標設定、管理を行うことで、信頼関係はより深まっていく。
2. 過程ではなく結果を管理する
物理的なオフィス環境では、忙しいふりをしている人が、よく働いていると思われてしまうことがよくある。仮想オフィス環境では、チームメンバーが何をしているかを見ることはできない。このため、結果を管理することが重要になる。目標を設定し、日々の業務過程ではなく結果を監視すべきだ。
3. 定期的なコミュニケーションをスケジュールに組み込む
メンバーが仕事の進ちょくと起こり得る問題をチームに報告する時間を定期的に設けることが重要だ。そうすることで、メンバーに計画の実行を徹底させ、全員の実行結果をチームで体系的にチェックできる。
4. 効率的なコミュニケーションを実現する
やりとりが延々と続き、経過を読むのに何時間も掛かるというような、時間を浪費する電子メール文化ができてしまっていないだろうか。また、30分の電話会議で解決できたはずの問題を、電子メールのやりとりで解決しようとして何時間も費やしていないだろうか。電子メールは現在の仕事環境の中で極めて重要なツールとなっている。電子メールを使いこなす新しい文化を作ることが重要だ。「どうすればチームの電子メールコミュニケーションの生産性を高められるか」を考えなくてはならない。
5. 組織としての一体感を支える基準を確立する
「会社の品質基準はどのようなものか」「会社はどのような価値観を掲げているか」「会社のブランドは各社員にとってどのような意味を持つか」。社員が地理的に分散している場合、この3つの問いの答えを全員に周知することが極めて大切だ。仮想オフィス環境で働くメンバーに一体感を、そして会社が目指すものへの深い理解と誇りを持たせる必要がある。
6. 連絡対応をどの程度迅速に行うかのルールを定める
メンバーが遠隔地間で共同作業を行う場合、組織文化上、連絡にどの程度迅速に対応するかをルールとして定めておくことが大事だ。「電子メール、IM、電話にどの程度早く応答することをメンバーに求めるか」「メンバーがオフィスの外にいるときや休暇のときの規定をどうするか」を決めなければならない。顧客サービスを担当するチームでは、顧客からの各種問い合わせにどう対応するかについて、明確な基準を設けておくことが重要になる。
ネットワークを介した仮想オフィス環境でプロジェクトを行うのは、難しいことではない。だが、行うに当たってはチームの新しいルールが必要になる。以上の6つのルールを実行することは、チームを成功に導くのに大いに役立つ。こうした仮想オフィス環境における効果的なプロジェクト管理のベストプラクティスを実践することになるからだ。プロジェクトの道のりを楽しみ、チームを巻き込んで強力な組織文化を作っていただきたい。
本稿筆者のミシェル・ラブロス氏は、PMP資格を持つ有力起業家。簡単に、楽しく、短期間に成功を収める方法の提供に力を注いでいる。Cheetah Learningの創業者で、著書として「Cheetah Success Series」がある。プロジェクト管理に関する啓発に取り組む活発なブロガーでもある。
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