「IT」から「BT」へ
ビジネステクノロジーで変わるIT部門とビジネス部門の関係
現代のビジネステクノロジーは、単にビジネスニーズに対応するだけの域を超えている。進化したCIOは意見を持ち、非IT系の管理職と進んで協調しなければならない。
ビジネステクノロジー(BT)とはその名の通り、ビジネス部門のニーズに応えるテクノロジーのことだ。CEOとの密接な連携からビジネスニーズ対応強化のためのIT部門構造変革に至るまで、ITとビジネスとの関係を次のレベルに引き上げる。その概念は新しいものではないが、2010年5月26日に開催された「Forrester's IT Forum 2010」のテーマとして浮上した。
Forrester Researchによるとその理由は、景気低迷と文化的変化がビジネスの在り方そのものに影響を及ぼす中で、顧客や過去の出席者から、このテーマについてさらなる情報を求める声が出たからだという。CIOの役割の変化について多くのことが語られる中、BTをどう使いこなすか、そしてその実現が実際にはいかに困難かについて、盛んに言い立てられている。
StarbucksのCIO兼デジタルベンチャー担当ゼネラルマネジャー、スティーブン・ジレット氏は「ITは線引きの作業をやめて、木を動かす作業に着手する必要がある。ビジネス部門と連携したいと思ったら、なぜそうするのかを知る必要があり、意思決定の話し合いに加わらなければならない」と話す。
現代のBTは、単にビジネスニーズに対応するだけの域を超えている。CIOなどのIT管理者は、こうしたサービスが組織にどう影響するかについて、最初から意見を持たなければならない。進化を続ける次世代のCIOの役割には、意見を持ち、非IT系の管理職と進んで協調することも含まれる。
「CIOはもはやITの最高職ではなくなった。信頼性を高めビジネスへの理解を深めるために、CIOはほかのリーダーの役割においても成功を収める必要がある」とジレット氏は言う。
こうした理解はBTの概念をITに導入するに当たり、CIOが陣頭指揮を執る助けになるが、CIOにとってはITの中核となる全局面を完全に理解・把握しておくことが、まず何よりも重要だ。ジレット氏は、部分部分でBTを取り入れることを勧めている。必ずしもITの完全な刷新は必要ないという。
「一夜にしてITからBTに切り替えるというわけにはいかない。どうすれば自社の組織に最もフィットするかを学び、その態勢を徐々に追求することだ」(ジレット氏)
ただし、BTサービス導入の成否はCIOだけに掛かっているわけでも、全体の戦略に掛かっているわけでもない。カナダの従業員賃金委員会WorkSafeBCの事業分析・設計担当マネジャー、ダイアナ・ノース氏は、自分の組織がこの変革の真っただ中にあるといい、時には戦略よりも、人間の方が問題になるケースもあると指摘する。
基本は常に存在し、「優れたIT部門なら、最初からビジネスニーズに注力していたはずだ」とノース氏は言う。「しかし今では事が複雑になっている。ビジネス部門がIT部門に、問題と一緒に解決策を持ち込んでくるからだ――それが良いものであろうとなかろうと」
「組織では全般に、テクノロジーについての情報量が増えた。そこでIT部門に『この技術パッケージについて読んだのだが、これがわが社の問題を解決してくれるそうだ。ぜひやってみよう』と言いに来る。対応すべき深刻な文化的変化が起きているのだ」(ノース氏)
幹部やナレッジワーカーはさらに多くの端末、プログラム、ハードウェアを使って会社全体で情報を利用・共有している。このような技術意識の向上により、ITとビジネスとの関係の問題はさらに複雑になったと、WorkSafeBCのソリューションマネジャー、キャロル・マレー氏は言う。
「ビジネス部門は技術に詳しくなり、洗練され、IT部門への期待度も高くなった。しかし、中核となる事業目標が明確になっていない、あるいは理解すらされていないため、ビジネス部門の真の問題は対処さえされていない」
ビジネス部門はニーズに対応するさらなる技術サービスを求めており、IT部門にはそのサービスを提供する意思はあるが、優先課題に食い違いがある。
「ビジネス部門は自分たちの優先課題を把握する必要があり、IT部門はそれと緊密に連携する必要がある。そのためには、ふさわしいリーダーを見つけなければならない」とマレー氏は話している。
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