誤送信対策製品紹介:NTTソフトウェア編
柔軟な導入形態、利便性を追求したメール誤送信防止製品「CipherCraft/Mail」
NTTソフトの誤送信防止製品「CipherCraft/Mail」は、送信者に再確認を促す機能や暗号化機能が特徴だ。導入形態はサーバとクライアントの2種類を用意している。
2003年10月に暗号化製品としてNTTソフトウェアが販売を開始した「CipherCraft/Mail」は、2007年11月にメール誤送信防止機能が追加された。2010年現在、アイ・ティ・アール(ITR)やミック経済研究所が発表した調査リポート(※下記リンクを参照)でいずれも国内シェアNo.1になるなど、誤送信防止製品として広く国内に普及している。
ラインアップは、導入形態に合わせて「サーバタイプ」「クライアントタイプ」の2種類があり、それぞれに暗号化版、誤送信防止版が用意されている。
以下、CipherCraft/Mailの機能を「誤送信防止機能」「暗号化機能」「そのほかサーバタイプ限定の機能(あて先Bcc自動追加機能、一時保留機能、上長承認機能)」に分け、それぞれの特徴を順に紹介する。
誤送信防止機能
主要機能となる「誤送信防止機能」は、送信者にメールの再確認をさせる機能だ。送信者がメールの送信ボタンを押したタイミングで、注意を喚起する画面が表示される。画面には「宛先」「本文」「添付ファイル」を確認する3つのチェックボックスが用意されており、すべての項目にチェックを入れなければ送信されない仕組みとなっている。
「誤送信は、人が意識を変えなければ防止するのは難しい」と語るのはNTTソフトウェア 渡邊浩朗氏。誤送信対策には送信の一時保留や上長承認といったシステム側での制御を強制するという方法もあるが、CipherCraft/Mailはまず、送信者本人に注意を喚起するというアプローチを取ることで、送信者本人に気付きを与えるという。
あて先のチェック項目では、送信種別、メールアドレス、あて先名、(添付ファイルがある場合に)暗号化の有無、アドレス情報、経歴を確認する。アドレス情報は、あて先が社外や協力会社であれば赤字、社内であれば黒字で表示される(ただし条件や色は管理者側で自由に設定できる)。履歴は、初めて送信する相手であれば「×」、過去に送信経歴がある相手であれば「○」となる。
本文のチェック項目では、中身をすべて確認できる。大抵のメールは“A社 B様”のようにあて先名を本文の冒頭に記載するため、あて先のチェック項目にあるメールアドレスと照らし合わせながら確認することで、あて先記載ミスの防止にもつながるという。
添付ファイルのチェック項目では、一度ファイルを開いて内容を確認しなければチェックボックスが有効化されない仕組みを設けている。これにより、例えばあて先とメール本文、添付ファイル名は合っているが、中身が違うというようなミスを防げる。
すべてのチェック項目の確認が終わると、危険度(誤送信の可能性)が低いと判断され、誤送信防止画面の送信ボタンが有効となる。なお、画面下方に表示されている危険度の点数は、送信者(正社員か非正社員かなど)、あて先、添付ファイルの有無など、各要素に応じて管理者が事前に設定するもので、各チェック項目にチェックが入ることで減点されていく仕組みだ。ただし、条件によってはすべての項目のチェックが終了しても点数が残るため、その場合にはシステム側で「一時保留」「上長承認」などの制御をする(サーバタイプ限定の機能)。要素と点数のひも付け、そして点数に応じたポリシー(しきい値)設定は、すべて管理者側で設定できる。
「例えば、あて先に社外アドレスが含まれているときは2点、送信者が派遣社員のときは10点とし、チェック項目確認後の点数が10点以上であればあて先Bcc機能を使用すると設定しておけば、派遣社員のメールはすべてBccに上長や第三者が含まれるようになる。このように社内のセキュリティポリシーに応じて柔軟に設定できるのもCipherCraft/Mailの特徴だ」(渡邊氏)
一見、豊富な機能があるが故に運用が難しく感じるCipherCraft/Mailだが、このように点数やしきい値を事前設定してポリシーを運用することで、ユーザーが感じる煩わしさを取り除きながら管理者の負担も軽減するという。
暗号化機能
CipherCraft/Mailは暗号化製品から派生したこともあり、ほかの誤送信対策製品と比較して豊富な暗号方式を備えている。セキュリティ強度の低いものから順に「パスワード付きZIP暗号化」「独自の暗号形式Camelliaを用いた自己復号形式の暗号化」「復号ツールを利用するCamellia形式の暗号化」「公開鍵方式の暗号化」の4つがあり、いずれも暗号化する範囲を添付ファイルのみ、またはメール本文+添付ファイルから選択できる(設定は管理者側で事前に行う)。
パスワード付きZIP暗号化は、本文とパスワードを別のメールに分けて送信する。送信方法は送信者本人が送る方法と、CipherCraft/Mail側で自動送信する方法の2つから選択できる。
Camelliaは、NTT研究所と三菱電機が共同開発した暗号アルゴリズム。2010年問題に対応した暗号形式として、IETF(Internet Engineering Task Force)に公式標準暗号の1つとして承認されたほか、ISO/IECの国際標準暗号規格に採用、国内で唯一、EUで認められた純国産の暗号技術だという。自己復号形式の場合は、専用ツールを用いず、パスワードを入力することで本文や添付ファイルを閲覧できる(パスワードの通知方法はパスワード付きZIP暗号化と同様)。
Camellia形式では、NTTソフトウェアが独自開発した無償の復号ツール(同社のWebサイトからダウンロード可)を使用する。同ツールにファイルをドラッグすることで、展開・閲覧できる。
公開鍵方式の暗号化は、CipherCraft/Mailのユーザー間で利用できる暗号方式だ。暗号化から復号までをすべて自動で行うため、利用者は特別な操作をせずにセキュア環境でデータの送受信ができるという。
サーバタイプ限定の機能
サーバタイプでは、以下3点の機能を利用できる。上長承認機能についてはオプションとなる。
- あて先Bcc自動追加機能
上長のほか、あらかじめ指定した第三者をBccまたはCcに強制追加できる。
- ちょっと待った機能
誤送信防止機能でチェック項目をすべて確認した後、サーバ上にメールを保留する。保留時間は秒単位で指定でき、最大100万秒まで設定が可能。
- 上長承認機能
誤送信防止機能と同様の画面で、上長が「あて先」「本文」「添付ファイル」を確認し、承認または却下の処理をする。却下された場合は、送信者本人に却下理由が記載されたメールが送信される。却下理由はフォームボックスで定型文を選択またはフリー記述が可能。
セキュリティを担保しながら利便性も追求
導入については、前述の通りサーバタイプとクライアントタイプの2種類から選択できる。
サーバタイプは、ユーザー数に関係なく一括での導入が可能なため、大企業や企業内で統一のポリシー運用をしたい企業に最適だ。メールクライアントに依存せず、Lotus Notes/DominoやExchange Server、WebメールなどSMTPに対応しない(使用していない)製品を利用している企業でも導入できる。一方、クライアントタイプは、個々のクライアント(ユーザー)単位で導入でき、小規模での導入や部分導入から開始したい企業に適している。
各製品とも評価版(30日間)を用意しており、クライアントタイプの誤送信防止版については同社のWebサイトで公開されている。「評価版を試してみて、納得した上で購入を検討してもらえれば」(渡邊氏)としている。
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