「2年以内の移行が必要」
機能強化なしでもWindows 7 SP1が重要である理由
MicrosoftはWindows 7およびWindows Server 2008 R2用のSP1の提供を順次開始した。Windows 7 SP1に新機能は含まれないが、移行するには重要な理由がある。
米Microsoftは2011年2月10日、OEMパートナーに向けてWindows 7およびWindows Server 2008 R2用のService Pack(SP)1の提供を開始した。一般ユーザーには米国時間2月22日に提供(※)が開始される予定だ。またMicrosoftは、Windows Thin PCという新しいソフトウェアアシュアランス特典も導入している。Windows Thin PCは、PCのシンクライアントデバイスへの転用を図れるITベンダー向けの軽量版Windows 7だ。
※Windows Updateおよびマイクロソフトダウンロードセンターでのダウンロード提供(日本時間2月23日)。なお、MSDN Subscription/TechNet Subscriptionでは日本時間2月17日から提供が開始されている。
多くの専門家は、最初のSPリリースを新製品に安全にアップグレードできるタイミングであると考えているため、今回のWindows 7およびWindows Server 2008 R2用SP1の正式リリースは非常に重要だ。なお、どちらのSP1もβ版は2010年6月のTechEdにおいて、続くβ2は7月にリリースされている。
Windows 7 SP1では新機能の追加はなく、Windows Updateを通じて既に公開されているセキュリティアップデートとバグ修正プログラムの集成にすぎない。
それでも、このSP1は重要なマイルストーンであることに変わりはない。サービスパックの提供が開始されれば、その前のリリース(この場合はWindows 7の初期リリース)のライフサイクルの終了が近づくからだと、米調査会社Gartnerのモバイルおよびクライアントコンピューティングアナリスト、マイケル・シルバー氏は言う。
「SP1がリリースされると、その24カ月後には初期リリースに対するセキュリティ修正プログラムの提供が停止される。最近多くの企業が、Windows XP SP2のサポート終了により手痛い思いをした。つまり、SP3に移行しておかなかったばかりに、年間20万~50万ドルをMicrosoftのカスタマーサポートに支払うはめになったのだ。従って、全ての企業はWindows 7 SP1への移行を計画し、SP1のリリースから24カ月以内に移行を実施する必要がある」とシルバー氏は語る。
Microsoftはこれまで、SP1には重要な機能強化は盛り込まれないため、SP1のリリースを待たずにWindows 7にアップグレードするようユーザーに勧めてきた。
実際に、多くのユーザーがこのアドバイスを聞き入れている。米Net Applicationsが運営するインターネットテクノロジ関連の統計情報サイト「NetMarketShare」によると、2010年12月の時点で、Windows 7は全世界で使用されているOSの20%を占めている(11月時点では1.18%)。12月時点では、いまだにWindows XPが56.72%と健在だが、同月のWindows Vistaのシェアは12.11%にすぎない。
Windows Server 2008 R2 SP1には仮想化向け新機能を追加
Windows Server 2008 R2 SP1は、特にデスクトップ仮想化環境で同製品を使用したいユーザーにとって、意味の大きいリリースだ。なぜなら、このSP1にはMicrosoftの新しい仮想マシンのメモリ管理機能であるDynamic Memoryや、VDIリモートプロトコルのRemoteFXが含まれている。
RemoteFXは、仮想デスクトップでビデオやグラフィックスを利用可能にするリモートデスクトッププロトコル技術のセットで、米Citrix SystemsのHDXテクノロジーや米VMwareのPCoIP(PC over IP)に相当する。
米コンサルティング企業Directions on Microsoftのアナリスト、マイケル・チェリー氏によると、Windows 7とWindows Server 2008 R2はどちらもよくできたリリースで、SP1もテストが十分になされていると思えるとのこと。今回のSP1は迷わず導入することを同氏は勧めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー