HPの「TouchPad」はiPadに勝てるか?
「セキュリティ意識がないiPad」打倒を目指すTouchPad/webOS
iPadにはセキュリティ意識がなく、iPadユーザーはiTunesの支配にうんざりしていると話す米Hewlett-Packardは、同社のTouchPad/webOSに勝機があると分析している。果たして本当か?
米Hewlett-Packard(HP)とそのパートナーは、HPのTouchPadはiTunesの「支配」にうんざりしているiPadビジネスユーザーを獲得できると話す。
AppleのiPadを愛する多くのビジネスユーザーのために、会社のIT部門はこのコンシューマー端末の受け入れを余議なくされた。しかし、そのようなユーザーでさえも、iPadがiTunesに依存する構造は欠点だと考えている。
iTunesはiPadアプリケーションの唯一の配布経路(であると同時にボトルネック)だ。iPadで動作するアプリケーションは、iTunesからダウンロードし、Apple独自の白いケーブルを使ってiPadに転送する必要がある。
HPは現在、webOSベースのモバイルプラクティスの開発をパートナーに働き掛けている。それは、パートナーがこのAppleの制約からiPadユーザーを解き放ち、新しいHPのTouchPadに乗り換えさせると期待してのことだ。
HPいわく、企業はAppleの束縛を断つべし
2011年3月に開催されたHP Americans Partners Conferenceに参加した何社かは、まさにそれを実現できると考えている。「必要に応じてデスクトップの周辺機器として使えるビジネス指向のタッチ端末の市場は確実にあると思う」と、HPの長年のパートナーである米Camera Corner/Connecting Pointのリック・チャーニックCEOは言う。
このカンファレンスではデモ機が展示フロアで披露されていた。16、32、64Gバイトのメモリを装備した3モデルが“この夏”にリリースされる予定だ。HPの役員の1人の話では、Wi-Fiのみのモデルは新しいwebOS 3.0を搭載して6月中に発表されるという。
カンファレンスに参加していたパートナー企業の役員2人は、HPはこの市場に挑んではいるが、道のりは険しいだろうと話す。2人は自分たちのiPadを取り出して見せながら、HPのタブレットも、Motorolaの「XOOM」やCiscoの「Cius」もよくできているが、どれもiPadほど洗練されたルック&フィールを備えていないと指摘する。
webOSをiOSに代わるビジネス向けOSとして訴求
HPのチャネル統括者であるスティーブン・ディフランコ氏は、確かにAppleはコンシューマー指向のタブレットで一歩先んじたスタートを切っているが、HPは本気でこのTouchPad/webOSで攻めるつもりだと明かす。
「フィードバックから分かったのは、iPadにはセキュリティ意識がないことだ。しかし、セキュリティは企業にとって最大の関心事の1つだ。webOSなら、端末をPCにケーブルでつないで認証する必要がない。webOSは正真正銘のクラウドベースだ。また、webOSの場合は、SIMカードを別のPalmに装着すれば、5分間で予定表やOutlookなどダウンロードしたアプリケーションを全て読み込め、PCに接続する必要さえない」とディフランコ氏は話す。
このカンファレンスでは、TouchPadを企業向けデバイスとして紹介するセッションが大盛況だった。このセッションは、通信プロバイダーを専門とするトッド・アキレス副社長が進行を務めた。アキレス氏によると、webOSであれば会社のアプリケーションを承認されているユーザーに配布する安全でクリーンな手段を確立できるという。「IT部門はURLを社員にのみ通知するだけでいい。通知を受けた社員はダウンロードリンクをクリックして、プロプライエタリなアプリケーションを入手する。これは、社員の端末を管理する非常にクリーンな方法だ」と同氏は説明する。
アキレス氏の話では、webOS 3.0は、128ビットSSL暗号化と米MicrosoftのActiveSyncプロファイルの「ほとんど」をサポートするという。また、新しいTouchPadには、Microsoft Officeドキュメントの表示と編集を可能にするQuickoffice、会社のリソースを検索するためのOpenSearch機能、無線印刷機能が付属する予定だ。
このような端末向けのコンテンツ管理アプリケーションを開発する米ISVのBox.Netでビジネス開発担当副社長を務めるカレン・アップルトン氏は、HPに高い期待を寄せているが、それはTouchPadの訴求にHPが投入し得るマーケティング力およびセールス力のためだという。
アップルトン氏は、iTunesがAppleにとってのマイナス要素だとは全く考えていない。むしろ、HPの場合は同社のビジネスセールス部隊(とパートナー)が総勢でTouchPadを企業顧客に売り込めるが、Appleはエンタープライズ向けのセールス部隊の編成に「ほとんど着手していない」ことが問題だと言う。
米Nth Generation Computingの戦略サービスディレクター、レイ・カーベンター氏は、HPの新端末には非常に興味があるが、webOSの機能がいまひとつはっきりしないと言う。同氏は「iPadに勝つのは難しいだろう」と話す。
webOSはPalm Computingの血筋であるものの、iPad/iOSの唯一の対抗者ではない。懐疑的な見方をされているが、2011年3月終わりに発表されたIDCの予想では、2015年までにMicrosoft Windows Phone 7の売り上げがiPhoneの売り上げを凌ぐとされている。
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