Windows、Androidは企業利用でiPadに追い付けるか Part1
「iPad以外」が企業に食い込む可能性は?
企業ユースで先行するAppleのiPadをめぐり、Windows、Android搭載タブレットの各陣営が攻勢を仕掛けようとしている。しかし、「全社規模でのiPad本格導入には時間がかかる」とする向きも少なくない。
米Appleは法人市場でiPadの導入が広く進んでいることをアピールしているが、これまでのところ、企業は実際にこのAppleタブレットをどのように使用しているのだろうか? また、WindowsやAndroidなど、他のOSを搭載するタブレットがiPadに追い付ける可能性はどの程度なのだろうか?
Appleは2011年1月に行った決算発表会見において、今やFortune 100社のうち80%以上がiPadを既に導入しているか、試験導入していると誇らしげに発表した。一方、テクノロジーアナリストや開発者からは、少なくともiPad 2がリリースされるまでは、iPadの全社的な大規模導入が活発化することはないのでは、との指摘も挙がっている。とはいえ、情報を得られる立場にいる人たちの間では「他の競合端末と比べて、iPadはより多くのビジネスシーンに登場しつつある」との見方が大方だ。
実際、最近はiPadを使う経営者があらゆる業種で増加中だ。また、ヘルスケア、販売、保険などの業界では、少ない台数でのiPadの試験的導入が目立って増えつつある。多くの企業にとっては、WindowsやAndroid、カナダRIMのBlackBerryを搭載するタブレットの方が、ビジネス上の利点をより多くもたらしてくれるのかもしれない。ただし専門家によると、iPad以外の選択肢に興味を抱いているのはIT部門であって、エンドユーザーではないのだという。
「iPadが企業幹部の間で好評なのは、単にクールなフォームファクタのせいだけでなく、アイデアを表示したり、仕事仲間に助言したりするのに便利に使えるからだ」と指摘するのは、Microsoftのソリューションパートナー、米IdentityMineでグループクリエイティブディレクターを務めるジョーナ・スターリング氏だ。「幹部にとっては、iPadさえあればどこでも会議室にできる」と同氏は言う。
ヘルスケア業界もiPadの真価が発揮される分野の1つだ。例えば、医療機器メーカーの米Medtronicsは2010年秋、幹部と販売員向けに4500台のiPadを一括購入した。また米シカゴ大学医療センターは当初の試験導入を拡大し、全ての内科研修医にiPadを支給している。
医師の間では、「iPadはカルテを閲覧したり、患者にレントゲン写真を見せたりするのに便利」との認識が広まりつつある。それを念頭に置き、米Epocratesは目下、WebベースのSaaS(Software as a Service)型システムと組み合わせて携帯端末からアクセスできる電子カルテの取り組みを進めているところだ。Epocratesは米国の医療現場で広く利用されている医薬品データベースのメーカーで、同社のデータベースは複数のスマートフォンプラットフォームに対応している。
iPadの普及はいつ本格化する?
iPadやその他のタブレット端末では、対応するアプリの種類も増えつつある。IdentityMineは、Windows版のエンタープライズビジネスアプリケーション──例えば、データベースへのアクセスを伴う複雑なカスタムアプリなど──の大半のコードを、Windows Phone 7やiOSで実行できるバージョンに高速変換するためのアプリケーションツールキットを開発済みだ。iOSは、AppleがiPadとiPhoneに採用しているOSだ。「次はWindowsからAndroidへの変換もサポートする計画だ」と同社のスターリング氏は語っている。
とはいえ、観測筋の中には、「大半の組織においては、全社規模でのiPadアプリの本格導入はすぐには始まらない」と予想する向きも少なくない。例えば、米Network Knowledgeでネットワークエンジニアを務めるスティーブ・ベデル氏は、iPad 2にはビデオ会議やソーシャルネットワーキングアプリ用に前面と背面にカメラが搭載されるとのうわさに言及し、「iPad 2のリリースが出発点になる」と予想している。
一方、米Enderle Groupの主任アナリスト、ロブ・エンダール氏は、Apple製タブレットが企業での本格導入に対応できるのは、さらにその先のiPad 3か、あるいはiPad 4のタイムフレームにおいてだと予想している。「iPad 2はまだ、十分な売上増の潜在力を持たないだろう」と同氏は言う。
次回は、iPadを“負かす”ための対抗策を打ち出したMicrosoftの動きを追う。
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