CPU・メモリ要件を基に見積もる
Hyper-Vは何台の仮想マシンをサポートできるか? 検討のポイント
仮想環境のサーバ管理者にとって、1台の物理マシンに仮想マシンを何台統合できるかは重要な問題だ。本稿では、CPU・メモリ要件から搭載できるHyper-V仮想マシンの台数を検討する。
仮想環境の管理者は、よく数の問題に直面する。データセンターや予算に関するしっかりとした見通しを立てるために、「1台の物理マシンに仮想マシンを何台統合できるか」知りたがる。だが、その答えは常にケースバイケースだ。
仮想化が利用されていなかった時代は、台数の見積もりが至って簡単だった。サーバアプリケーションごとに1台のマシンを用意することが多く、これらのマシンは一般的に、アプリケーションの利用規模拡大への対応に必要なレベル以上のパワーを備えていたからだ。しかし今では、マシンパワーが複数の仮想マシンで共有されるようになっている。仮想マシンのタイプ、ワークロード、要件(RAM、ストレージ、CPU)によって、1台の物理マシンに仮想マシンを何台統合するのが適切かが決まる。仮想化ではリソースの有効活用を図るために、これらのファクターによって台数が変わる。
プロセッサ要件で仮想マシンの台数を検討する
仮想マシンの台数を検討するに当たっては、まずプロセッサ要件について考えるとよい。現在販売されているサーバは、最も基本的なものでもマルチコアプロセッサ搭載機が多いが、サーバでマルチコアが必要とは限らない。1台の仮想マシンには、OSによっては最大4個の仮想プロセッサを割り当てられる。しかし、マルチCPU構成の仮想マシンにサービスを提供するために、複数の物理プロセッサのコアを同期することはオーバーヘッドを招く。このオーバーヘッドは、統合の低下に伴って増加する。Windows Server 2008 R2仮想マシンでは、Windows 2000 Server仮想マシンと比べて、プロセッサ間通信の問題ははるかに小さい。仮想プロセッサの数を調整することで、仮想マシンに必要なリソースだけを提供できる。
1台のサーバ上で動作させることが可能な仮想プロセッサの数には制限がある。Microsoft Hyper-V Server R2は、物理ホスト1台につき最大512個の仮想CPUをサポートする。これは大きな数字だが、仮想CPUを無条件にそこまで増やせるわけではない。ソフトウェアベンダーによって仮想CPU要件の設定の仕方は異なるが、最終的には、仮想CPUを1論理CPU当たり幾つ動作させるかを考慮しなければならない。一部の仮想化プラットフォームとは異なり、Hyper-Vでは論理CPU数はコア数ではなく、コア数とスレッド数を掛けた値を指している。それを理解するための格好の例が、ほとんどのIntel製サーバチップに搭載されているハイパースレッディング(HT)テクノロジーだ。ハイパースレッディングが有効な場合、Windowsは物理CPUコアが4個でも、CPU数を8個と報告する。この場合、ハイパースレッディングの機能のおかげで、1クロックサイクルで2スレッドが実行される。ハイパースレッディング有効時には、論理CPU数は通常、サーバ上の物理コア数の2倍ということになる。
CPUの見積もり方
では、どのようにCPU要件を見積もればよいのか。推奨される一般的な方法は、仮想マシンでは、1個の論理プロセッサを最大8個の仮想プロセッサに割り当て、Windows 7仮想マシンのような仮想デスクトップでは、1個の論理プロセッサを12個の仮想プロセッサに割り当てるというものだ。この方法では、6コアHTプロセッサを2個搭載するHyper-Vホストで1個の仮想プロセッサを備える仮想マシンを動作させる場合、仮想マシンの台数は192台以内に抑えることになる。
現行世代のサーバプロセッサは、仮想化のパフォーマンスが大幅に向上している。ソケット当たり最大6コアに対応し、L2、L3キャッシュの増量やバスの高速化のような最適化が施されているおかげで、今日のサーバでは、かつてなく大規模な仮想環境を運用できるようになっている。Microsoftは最近のカンファレンスで、各サーバブレード(ソケット当たり6コアのIntel Xeon 5600プロセッサ2個と128GバイトRAMを搭載)当たり225台の仮想マシンを動作させる環境の試験運用を行ったことを明らかにした。高密度構成のおかげで、この環境のワークロードではCPUもメモリもフル稼働には程遠く、CPU使用率は大抵15%程度にとどまったとされる。
メモリ要件も視野に
基本的なワークロードを実行するサーバならこうした環境でよいが、サーバがCPU集約型のワークロードを実行する場合はどうか。当然のことながら、仮想マシンに割り当てるCPUコアを増やすという手がある。だが、例えばSQL Serverでは、多くのプロセッサリソースだけでなく、大量のRAMも必要になる。この場合、1台の仮想マシンに割り当て可能なメモリは最大64GバイトであるというHyper-Vの制限に直面するかもしれない。仮想マシンはスリム型の2ソケットハードウェアに配置されることが多いが、Hyper-Vが1台のホストでサポートする論理プロセッサ数は最大64個であるため、CPU負荷の高いアプリケーションでは、スケールアップソリューションが必要になる可能性がある。
また、仮想マシン台数の上限に関して言えば、Hyper-Vホストをクラスタ化した場合、1台のホスト上で実行できる仮想マシンの最大数は通常のように384台だが、クラスタ上で実行できる仮想マシンの総数は最大1000台にとどまることを念頭に置く必要がある。また、仮想マシンに大量のメモリを割り当てる場合、Hyper-Vホストで使用可能な最大メモリは1Tバイトであることに留意しなくてはならない。仮想マシンの配置は、このことを踏まえて計画する必要がある。
Windows Server 8では割り当てられる仮想プロセッサ数が増える?
2011年9月にDeveloper Previewが公開されたWindowsサーバOSの次期バージョン、開発コード名「Windows Server 8」(関連記事:Microsoft、コードネーム「Windows Server 8」の詳細を発表)では、さまざまな変更が加えられる。Hyper-Vでは、1台の仮想マシンに割り当て可能な仮想プロセッサ数が最大4個から16個に増える他、特定のワークロードを特定のコアに割り当てることが可能になる見込みだ。長期的な計画を立てていて、プロセッサ集約型のワークロードがある場合、これらの機能強化が今から1年後の仮想マシンの配置に、どのような影響を与えるかを考えるとよいだろう。
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