2011年09月20日 08時00分 UPDATE
特集/連載

大進化を遂げた次期サーバOSMicrosoft、コードネーム「Windows Server 8」の詳細を発表

Windows 8に耳目が集まる「BUILD」だが、同時に発表された「Windows Server 8(コードネーム)」も極めて重要な存在である。現時点で判明したWindows Server 8の全てをお伝えする。

[Ed Scannell,TechTarget]

 米Microsoftの次期サーバOS「Windows Server 8(コードネーム)」では、エンタープライズIT管理を劇的に変えるさまざまな機能が提供される見込みだ。

 2011年9月13日から開催された開発者会議「BUILD」において、MicrosoftはWindows 8だけでなくWindows Server 8のプレβ版のデモを披露した。Windows Server 8には、システムレベルの仮想化をはじめ、さまざまな仮想化ネットワーク機能、ストレージ機能、管理機能などの重要な機能強化を含め、300に上る新機能が搭載されることが明らかになった。

 Windows Server 8に搭載されるこれらの新しいテクノロジーは、VMware、EMC、IBM、Red Hatをはじめとする複数の競合が攻防を繰り広げるクラウド時代において、Microsoftが競争優位を獲得するための大きな武器になりそうだ。

 MicrosoftでWindows Serverのリードアーキテクトを務めるジェフェリー・スノーバー氏は、「これまでWindowsは1台のサーバとその周辺機器のためのOSと見られていたが、その認識を変えたい。物理的か仮想的か、オンプレミスであるかどうかに関係なく、多数のサーバとそれらのサーバに接続される機器の運用に適したOSだと認められるようにしたい」と話す。

クラウドコンピューティングとモバイル端末

 Windows Server 2008 R2がリリースされたのは2009年秋のことだが、実は、Windows Server 8の開発はその前に開始されている。Windows Server 8には、次の4つの基本コンセプトがある。

  • ITベンダーがパブリッククラウドサービスを提供するプライベートクラウドを開発しやすくする
  • 可用性の高いクラウドサービスおよび複数のサーバにまたがるクラウドサービスを1台のサーバから管理する機能を実現する
  • 多種多様なモバイル端末が取り込まれた新しい企業ワークスタイルを実現する
  • あらゆるアプリケーションをあらゆるクラウドで実行可能にする

 Windows Server 8ではシステム対応が強化される。Hyper-Vは160個の論理プロセッサ、最大2TバイトのRAM、32個の仮想プロセッサをサポートする。また、仮想マシンは最大512Gバイトのメモリを使用できる。

おわびと訂正(2011年9月22日)

記事の一部に翻訳の誤りがありました。おわびするとともに、以下の通り訂正させていただきます。なお、本文は修正後の文に差し替え済みです。

(誤)

 Windows Server 8ではシステム対応が強化され、160個の論理プロセッサ、最大2TバイトのRAM、32個の仮想プロセッサをサポートする。また、ネットワークのみに使用できるメモリは512Gバイトだ。

  ↓

(正)

 Windows Server 8ではシステム対応が強化される。Hyper-Vは160個の論理プロセッサ、最大2TバイトのRAM、32個の仮想プロセッサをサポートする。また、仮想マシンは最大512Gバイトのメモリを使用できる。


 長年Windowsの動向を追っている専門家の中には、Windows Server 8の設計の進化に感銘を受けた専門家もいる。Windowsに詳しいIT系ライターのマーク・ミナシ氏は「Windows Serverが、これほどメインフレームに近く、堅固でエンタープライズ向けのプラットフォームであるように感じられたことはかつてない。Windows Azureを利用することがなくても、“Azureの運用から学び、サーバに反映された”機能から得られるメリットは大きいだろう」と話す。

 「Windows Server 8の本来の名称は“Azure Foundation Server 1.0”のようなものではないかと思う。将来、Windows AzureとWindows Serverが統合されて、Windows 9や10などになるのではないかと考えてしまう」(ミナシ氏)

 Windows Server 8は、まだ開発中の製品だ。引き続き開発者やユーザーから意見を聞くことで、さらに機能が追加される可能性があるという。これまでのところ、Microsoftは1000万ドルを費やして、200人のユーザーからWindows Server 8に搭載してほしい機能について約6000件のフィードバックを収集している。また、これまでに同社の調査に協力したユーザーの数は2万6000人を超える。

 Microsoftのサーバおよびクラウド部門を統括するコーポレート副社長のビル・レイン氏によると、IT担当者からは「ソフトウェアのアップグレードと保守に時間がかかり過ぎる」「サーバが常時サービスを提供するようにしたい」といった声が寄せられているようだ。他に「1台のサーバから複数のサーバを管理できるさらに便利な自動化機能が欲しい。サービスにアクセスできるユーザー数を増やしたい。しかし、コンプライアンスやガバナンスなどの問題をIT部門がよりコントロールできるようにもしたい」という意見もあるとレイン氏は明かす。

 事前のブリーフィングでは、Windows Server 8で提供される機能やテクノロジーの数と、その多くが緊密に統合され、連係して機能することを知り、一部のアナリストは舌を巻いた。Windows Server 8の開発プロセスのプランニングには、これまで以上に時間がかけられているという。例えば、Windows Server 8担当ジェネラルマネジャーのマイク・ネイル氏によると、Microsoftでは、いかにしてユーザーエクスペリエンスの向上につながる製品をハードウェアメーカーに提供してもらうかを検討したという。

Windows Server 8のUIと操作性

 Windows Server 8のサーバ管理機能には、各機能を見つけやすいタイル式のUIが採用されている。IT管理者は、この新しいダッシュボードから、1台のサーバ環境はもちろん、そのサーバに接続されている全てのサーバで実行中のプロセスを確認するための機能にアクセスできる。

 「複数のサーバで実行中のサービスの状態を確認でき、各サービスの情報を収集できる、そんな複数サーバ対応のダッシュボードになるようにした。また、管理機能も強化している」とスノーバー氏は話す。

 矛盾するようだが、MicrosoftはこのようにWindows Serverのグラフィカルシェルを強化する一方で、「Server Core」の拡充にも力を入れている。Windows Server 8では、Server Coreのコマンドラインから実行できるコマンド数は2300に上る予定だ。Microsoftは、いずれは複数のコンピュータを対象にしたコマンドの実行や機能の導入に、Server Coreが好んで使われるようになる可能性があるとしている。

 「現実の世界は、元来、雑然としている。しかし、新しいPowerShellは、巨大な管理自動化エンジンを基盤とするコマンドプロンプトだ。PowerShellを使えば、この雑然とした世界を運用上の作業内容を基にアプローチできるタスク志向の世界に変えることができる」(スノーバー氏)


 以上、本稿ではWindows Server 8について解説した。後ほど、次期ハイパーバイザー「Hyper-V 3.0」をテーマとした記事も掲載する予定だ。

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