ERP比較ガイド:クラウドERP(後編)
比較表で一覧可能、クラウドERPのコストを比較する
前編に続き、月額料金で会計や人事の機能を利用できるクラウドERPの機能を紹介し、コストを比較する。前後編の情報を統合した比較表もダウンロードできる。
前編記事「月額料金は? 海外進出を支援するクラウドERPのコストを比較する」に続いて、企業が海外進出を検討する際に現地で利用できるクラウドERPの機能を紹介し、コストを比較する。ERPは多機能な製品が多く、比較は簡単ではない。ただ、クラウドERPの料金は明確で比較が可能だ。利用するモジュールと利用ユーザー数が決まれば月額料金が決定し、年間の必要額も分かる。IT予算を立てやすいという点もクラウドERPのメリットだ。
本稿で取り上げるのは以下のクラウドERPだ。
- SuperStream-NX
- GRANDIT
- GLOVIA smart きらら
SuperStream-NX
「SuperStream-NX」はエス・エス・ジェイ(SSJ)のERP製品。会計と人事の機能を中心に提供していて、オンプレミス版はこれまで6000社が採用している。海外進出する企業でも利用できるようにグローバル機能の実装を急いでおり、英語のインタフェースやリポーティングに対応。さらに多通貨対応を急いでいる(参考記事:グローバル進出をにらむ「SuperStream」、視線の先には何が?)。
SuperStream-NXのクラウドERP版は、2011年2月に提供が開始された(参考記事:真の意味でのSaaS――「SuperStream-NX」が提供する価値とは)。提供しているのはオンプレミス版の「統合管理」に当たる機能で、具体的には一般会計、管理会計、支払管理、債権管理、経費精算を用意している。また、今春以降にはオプションとして固定資産管理も提供する予定だ。
SSJのクラウドERPは同社のパートナー企業が提供していて、サービス内容はパートナー企業によって異なる。現在、SuperStream-NXをクラウドERPとして提供しているのは、日立システムズの他、富士通、キッセイコムテック、鈴与シンワート、キヤノンITソリューションズなど15社。このうち、最も低価格なサービスを提供しているのが、鈴与シンワート。月額料金は3ユーザーで7万円から。初期導入費は0円からとなっている。1ユーザー当たりでは2万3333円となり、少人数の海外拠点などでも利用しやすい。本社側がオンプレミス版のSuperStream-NXを使っている場合はデータ連携なども容易になる。
GRANDIT
「GRANDIT」はインフォベックが提供するERP製品だ。ユーザー企業系の情報子会社が13社のコンソーシアムを組織し開発したERPで、新興のERPらしく新しい技術に対応しているのが特徴だ。標準で経理、資産、経費、販売、調達在庫、製造、債権、債務、人事、給与と10のモジュールを用意する(参考記事:国産最後発「GRANDIT」が目指す「ERPのあるべき姿」)。
NECネクサソリューションズは、このGRANDITを、クラウドERPとして提供している。サービス名は「GRANDIT-ASP・SaaS」。GRANDIT標準の10モジュールに、NECネクサソリューションズが開発した生産管理、原価計算のモジュールを追加した。サービスはNECのデータセンターから提供される。
GRANDIT-ASP・SaaSの導入期間は3カ月からで、初期導入費は250万円から。1モジュール、1ユーザーの月額利用料金は15万円からとなっている(月額基本料金含む)。ユーザーを追加する場合、経理モジュールで1ユーザー当たり7500円の追加となる。そのため、経理モジュールを2ユーザーで使う場合は月額15万7500円の計算だ。その他のモジュール追加やユーザー追加については個別見積もり。最低ユーザー数や最低契約期間などの制限はなく、1ユーザー、1カ月から利用できる。サポート料金は月額料金に含まれる。
GRANDITについてはインフォコムもプライベートクラウド環境で「GRANDIT for Cloud」を提供している(参考記事:“機能全部入り”でERPの本流を追求する「GRANDIT for Cloud」)。
GLOVIA smart きらら
富士通のERPは大企業向けの「GLOVIA/SUMMIT」(参考記事:「GLOVIA/SUMMIT」が切り開くグループ経営の新境地)、中堅・中小企業向けの「GLOVIA Smart」が主にある。その中で、「GLOVIA smart きらら」は年商100億円以下の中小企業を主なターゲットにするクラウドERPだ(参考記事:「GLOVIA smart きらら」はクラウドERP市場で輝けるか)。
提供する機能は会計と人事給与。会計は財務会計と管理会計に対応し、日常的な仕訳入力や決算処理が可能だ。手形管理や減価償却はオプションで機能を提供する。また、人事給与では、社員情報の管理と給与管理の機能を用意する。
クラウドERPとして利用する場合の価格は、会計、人事給与共に1ユーザー当たり月額9800円からと低価格だ。両機能を使っても月額1万9600円。1ユーザーから利用できるため、1人の経理担当者が回しているような新興企業にもマッチする。導入サービスは会計の場合で18万円から。操作指導を3回受けることができる。
GLOVIA smart きららはクラウドERP版の他に、サーバにインストールするオンプレミス版も用意している。
■紹介したクラウドERPの比較表
| 製品名 | SuperStream-NX SaaS対応版 | GRANDIT-ASP・SaaS | GLOVIA smart きらら |
|---|---|---|---|
| ベンダー | 鈴与シンワート | NECネクサソリューションズ | 富士通 |
| 主な機能 | 一般会計 管理会計 支払管理 債権管理 経費精算 |
経理 資産 経費 販売 調達在庫 製造 債権 債務 人事 給与 生産管理 原価計算 |
財務会計 管理会計 人事 給与 |
| 月額基本料金 | ― | ― | ― |
| 1ユーザー当たりの月額料金 | 2万3333円 | 15万円 (基本料金含む。ユーザー追加は「経理」で1ユーザー7500円) |
1万9600円 |
| 最低ユーザー数 | 3 | 1 | 1 |
| サポート料金 | ―(月額料金に含む) | ―(月額料金に含む) | ―(月額料金に含む) |
| 初期導入費 | 0円から | 250万円から | 18万円から |
クラウドERPコスト比較表のダウンロード
- 今回紹介した3製品と、前編で紹介した「NetSuite」「BusinessACXEL for SAP ERP」「EXPLANNER for SaaS」を合わせた全6製品をまとめた比較表をPDFで提供しています。「ERP比較ガイド:クラウドERPコスト比較表」からダウンロードしてください。
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