ハイパーバイザーのコモディティ化
マルチハイパーバイザー管理ツールがデスクトップ仮想化を後押しするわけ
仮想化管理ツールのマルチハイパーバイザー対応が進んでいる。それはつまり、仮想デスクトップインフラにおいても、1つのプラットフォームに縛られる必要がないこと示している。
適切なハイパーバイザーの選択は、VDI(仮想デスクトップインフラ)プロジェクトの重要なステップである。だが、マルチハイパーバイザーに対応する管理ツールの普及が進んでいるため、VDIの展開において複数ベンダーの技術を採用しやすくなっている。
多くの選択肢から、VDIのハイパーバイザーをどう選べばよいか。IT担当者は、互換性、OSサポート、表示プロトコルなどの要素を重視してプラットフォームを選ぶ。しかし、今ではマルチハイパーバイザー環境を実現できるため、ハイパーバイザーは高度な機能や性能を持ちながらも、ほとんどコモディティ化しているといえるかもしれない。だとすれば、どのハイパーバイザーを選ぶかは、重要ではなくなってきている。現在の管理ツールが、さまざまなベンダーの多種多様なハイパーバイザー技術をサポートしていることが背景にある。
マルチハイパーバイザーに関する記事
ハイパーバイザー技術の進化
サードパーティーベンダーは、自社製品とさまざまなハイパーバイザーの統合を可能にする方法論を導入し始めている。すなわち、サーバやデスクトップの仮想化に必要な(仮想マシンの作成や管理などのための)管理製品において、特定のハイパーバイザーをサポートするアプローチからの転換が始まっているわけだ(また、こうした動きに伴い、ハイパーバイザーベンダーは、他の技術との統合を実現するAPIやその他の仕組みをオープン化するようになっている。これは、業界における統合、管理、制御技術の標準化に役立っている)。
IT部門はもはや、ベンダーへのロイヤルティーや既存のハードウェア/ソフトウェアのために、1つのプラットフォームに縛られることはない。VDIを利用する企業にとってこれは大きな朗報だ。デスクトップ仮想化は、ハイパーバイザーだけでなく、表示プロトコル、ストレージ技術、管理アプリケーションといったさまざまな要素に支えられているからだ。
以前のデスクトップ仮想化環境は、1社のベンダーの技術で全てをそろえるものと相場が決まっていた。だが、複数ベンダーの製品を自由に組み合わせられなかったせいで、VDIプロジェクトはパイロット導入から本格導入に入る段階で失敗しがちだった。そこでITマネジャーは、ベストオブブリードのツールを組み合わせて、仮想デスクトップを展開、管理したいと考えている。それが可能なのがサードパーティーベンダー製のマルチハイパーバイザー対応ツールだ。
マルチハイパーバイザー対応ツールがVDIにもたらすメリット
今では、ハードウェアベンダーとソフトウェアベンダーがさまざまなハイパーバイザーを広くサポートしているおかげで、VDIの利用企業は仮想化プラットフォームを、互換性だけでなく好みでも選択できる。例えば、米Microsoftの顧客が、Windows Serverに含まれているという理由でHyper-Vにこだわる場合、どのVDI管理ツールを選択してもHyper-Vには大抵対応しているはずだ(関連記事:ここまで変わった! Windows Server 2012のHyper-V 3.0の新機能)。
さらに、ハイパーバイザー技術があまねくサポートされていることから、IT部門は異なるベンダーの製品を組み合わせることができる。米VMwareのVMware ESX/ESXiでサーバを仮想化し(関連記事:VMware vSphere 5の新機能)、米Citrix Systemsの技術を使ってVDIを構築し、この両方を同じ管理ツールセットで管理するといったことが可能だ(関連記事:ここまで分かった! XenServer 6.0の新機能)。
また、こうしたマルチハイパーバイザーのVDIアプローチが取れることは、企業が仮想化管理スイートや監視ツールといったサードパーティー製品への既存投資を無駄にすることなく、あるハイパーバイザーから別のハイパーバイザーに自由に切り替えられるということでもある。
マルチハイパーバイザー対応ツールのサーバ仮想化におけるメリットは明らかだが、こうしたツールの恩恵を最も享受するのは、デスクトップ仮想化を利用する企業である。VDIの構築と運用では、アプリケーション、OS、ハードウェアのいずれについても、さまざまな種類を扱うことが多いため、多種多様なハイパーバイザーを使うことが、各種の仮想マシン環境を提供する最良の方法になり得るからだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー