米国の専門家4人が「仮想化、最大の課題」を語る【後編】
仮想化の専門家いわく「仮想化の問題はCPU、メモリ、ネットワーク、ストレージ」
仮想環境における障害の原因となるのは、多くの場合、仮想化技術よりもホストリソースだ。またバックアップでは、幾つかの問題をクリアする必要がある。
前編「仮想化の専門家いわく『仮想化ベンダー同士のバッシングはやめろ』」では、仮想化のライセンス管理、ベンダー同士のバッシング、管理ツールにおける課題を紹介した。後編では、障害の原因であるホストリソースやバックアップにおける課題を紹介する。
クリスチャン・モーン氏(EVRY Consulting勤務)
サーバ仮想化は非常に成熟しており、仮想化レイヤーが問題になることはめったにない。このレイヤーは有効に機能している。極めてうまく機能していると言ってもいいかもしれない。仮想化のメリットが議論されることもなくなっている。仮想化は、ごく小規模なデータセンターを含めて、全てのデータセンターで当たり前のように利用されているからだ。
仮想化の課題は多くの場合、ハイパーバイザーに接続された環境に関連している。一般的に、問題を引き起こすのはホストリソース(CPU、メモリ、ネットワーク、ストレージなど)であり、ボトルネックの根本原因を特定するのは大変なことが多い。
もっとも、管理ツールや監視ツールは急速に改善されており、管理者に有益なフィードバックを提供することで、仮想環境のトラブルシューティングを、経験と勘に頼らずに行うことを可能にしている。仮想化の成熟とともに、日々のオペレーションと管理は簡単になり、管理者のミスは起こりにくくなるだろう。すなわち、業界は正しい方向に進んでいるということだ。
仮想化の最大の難点は、私の知る限り、仮想化ソリューションや管理ツール、OS、VM内のアプリケーションのライセンスだ。さまざまなライセンス方式に対応していくのは非常に手間が掛かる。そしてライセンスの条項や条件は、もともと複雑だ。
各ベンダーにどのハイパーバイザーが採用されているかによって、仮想化の扱いはまちまちだ。VDIも組み合わせて利用すると、ライセンス条項はさらに輪を掛けて複雑になる。
しかし、仮想化を利用していて間違いなく最悪なのは、不具合が出たサーバを使用停止後に物理的に破壊しないことだ。せいぜいVMを削除するだけであり、これでは物足りない。この方が断然効率的だが、やや不満が残るのは確かだ。
ジャック・カイザー氏(Focus Technology Solutions勤務)
Focus Technology Solutionsでソリューションアーキテクトを務めるブラッド・マー氏に見解を聞いた。彼の回答を以下に示す。
仮想化の最大の課題はバックアップだろう。バックアップのためのライセンスは非常に複雑になることがある。基幹アプリケーションが関連する場合はなおさらだ。VMイメージのバックアップアプリケーションには優れた製品があるが、それらはテープへの保存や、ファイル単位、メールボックス単位のリストアといった機能が不十分なことが多い。
また、バックアップに関しては、幾つかの問題をクリアする必要もある。例えば、バックアップをどこに保存するかが問題になることがある。オフサイト保存がバックアップ要件に含まれる場合は特にそうだ。その場合、テープとディスクのどちらを使うかを決めなければならない。さらに、「重複排除アプライアンスを使うことが自社にとって適切かどうか?」「適切だとしたら、データ量に対してそれをどうサイジングするか?」「LANベースとSANベースのどちらのバックアップを採用するか?」「自社のデータセンターが100%仮想化されているわけではない場合、物理環境と仮想環境の両方のニーズを満たすバックアップソリューションがどうすれば手に入るか?」など判断が必要な問題もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
米国の専門家4人が「仮想化、最大の課題」を語る
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー