米国の専門家4人が「仮想化、最大の課題」を語る【前編】
仮想化の専門家いわく「仮想化ベンダー同士のバッシングはやめろ」
成熟した仮想化技術であっても運用管理における課題は尽きない。前編では仮想化のライセンス管理、ベンダー同士のバッシング、管理ツールにおける課題を紹介する。
いかに優れたデータセンターでも仮想化に関しては課題がある。仮想化技術は成熟化が進むとともに難点の多くが解決されてきたが、まだ残っている問題もある(関連記事:普及期に近づくも運用管理ノウハウに課題が残るサーバ仮想化)。例えば、ライセンスや自動化、キャパシティープランニング、バックアップなどだ。
本稿ではこうした現状を踏まえ、米TechTargetのサーバ仮想化アドバイザリーボードのメンバーによる「仮想化の最大の課題は何か」についての見解と、彼らが感じている不満を紹介する(同アドバイザリーボードは、サーバ仮想化技術の専門家であるシステム管理者とコンサルタントで構成されている)。
マイシュ・サイデルキーシング氏(NDS Group勤務)
仮想化では2つの課題が目立つ。ライセンスとベンダー同士のバッシングだ。
まず、ライセンスについて。私は管理者として技術を扱うのが好きだが、事務的な管理は大の苦手だ。私にとってこうした対極にある業務として、ライセンスの発注(これは楽な方)と更新の追跡がある。
ライセンスの購入は、クレジットカードを出すのと同じくらい簡単だ。また、管理者は、付き合いのあるパートナーやリセラーからライセンスを購入できることだろう。もちろん、最も有利な取引を見つけて、相手が売りたいものではなく、自社に必要なものを購入するようにしなければならない。費用の節約も考慮する必要がある。
しかし、厄介なことに、ほとんどの企業はライセンスのまとめ買いはしない。必要に応じて購入するわけだ。つまり、新しいホストが必要になると、ライセンスを新規に購入する。ただし、すぐに使われないライセンスを買うのは賢明ではない。次の四半期から使う車を買うようなものだ。さらに、ライセンスを登録すると、サポート契約が開始される。
終了する契約を追跡し、更新しなければならないのも面倒だ。一部のベンダーは、顧客が年1回、ライセンスの使用状況に合わせてライセンスを調整できるプログラムを実施している。米Microsoftの「True-Up」プログラムと呼ばれる補正発注がその1つだ。しかし、ほとんどのベンダーはこの種のプログラムを実施してない。私は技術者として、以上に述べたようなこまごまとした管理をこなさなければならないことにうんざりしている。
また、ベンダー同士のバッシングという問題もある。製品の売り込みに関しては、営業担当者がもっぱら製品の強みを訴えることはいいことだと思うし、そうしてほしいと要求している。例えば重要なのは、あるベンダーの製品が競合製品よりもなぜ優れているかだ。競合製品はどこがダメか、何が劣っているのかという説明ばかりされるのは勘弁してほしい。営業担当者は、他社製品がいかにひどいかではなく、自社製品がいかに優れているかを説明すべきだ。私は、この小さな要求をすることが、現状の改善につながると考えている。
グレッグ・シールズ氏(Concentrated Technologies勤務)
仮想化を行う上で最も重要で難しい要素として、パフォーマンスとキャパシティーの管理が挙げられるだろう。現状では残念ながら、適切なツールを使わずに管理を行っている組織が多い。
パフォーマンス管理をきちんと行っていないと、問題を発見することができない。また、「仮想化がサービス上の問題を引き起こしている」と言われた場合に、反論するよりどころがない。
キャパシティー管理も、なおざりにしていると困ったことになる。例えば、「われわれの仮想マシン(VM)は、必要なリソースがどれだけ割り当てられているのか」と聞かれても答えられない。
だが、仮想化管理者の多くは、適切なツールを使わなければ、パフォーマンス管理とキャパシティー管理を成功させるのはほぼ不可能であることを理解していない(連載:標準ツールでは足りない!? サーバ仮想化の運用管理)。こうしたツールは、ハイパーバイザーの管理プラットフォームに含まれていないが、ハイパーバイザーを手掛けるベンダーが販売しているかもしれない。賢明な管理者は、仮想化を成功させるには、少なからず費用が掛かることを理解している。
後編「仮想化の専門家いわく『仮想化の問題はCPU、メモリ、ネットワーク、ストレージ』」では、仮想環境の障害で多くの場合に原因となるホストリソース、そしてバックアップにおける課題を紹介する。
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