仮想環境における障害の原因となるのは、多くの場合、仮想化技術よりもホストリソースだ。またバックアップでは、幾つかの問題をクリアする必要がある。
前編「仮想化の専門家いわく『仮想化ベンダー同士のバッシングはやめろ』」では、仮想化のライセンス管理、ベンダー同士のバッシング、管理ツールにおける課題を紹介した。後編では、障害の原因であるホストリソースやバックアップにおける課題を紹介する。
サーバ仮想化は非常に成熟しており、仮想化レイヤーが問題になることはめったにない。このレイヤーは有効に機能している。極めてうまく機能していると言ってもいいかもしれない。仮想化のメリットが議論されることもなくなっている。仮想化は、ごく小規模なデータセンターを含めて、全てのデータセンターで当たり前のように利用されているからだ。
仮想化の課題は多くの場合、ハイパーバイザーに接続された環境に関連している。一般的に、問題を引き起こすのはホストリソース(CPU、メモリ、ネットワーク、ストレージなど)であり、ボトルネックの根本原因を特定するのは大変なことが多い。
もっとも、管理ツールや監視ツールは急速に改善されており、管理者に有益なフィードバックを提供することで、仮想環境のトラブルシューティングを、経験と勘に頼らずに行うことを可能にしている。仮想化の成熟とともに、日々のオペレーションと管理は簡単になり、管理者のミスは起こりにくくなるだろう。すなわち、業界は正しい方向に進んでいるということだ。
仮想化の最大の難点は、私の知る限り、仮想化ソリューションや管理ツール、OS、VM内のアプリケーションのライセンスだ。さまざまなライセンス方式に対応していくのは非常に手間が掛かる。そしてライセンスの条項や条件は、もともと複雑だ。
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