TechTargetジャパン会員を対象に、サーバ仮想化技術/ツールの利用状況に関する調査を実施。試験導入を含めると6割近い回答者がサーバ仮想化を導入しているものの、運用管理では依然として課題が残る。
TechTargetジャパンでは2011年1月21日から2月8日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「サーバ仮想化」に関する読者アンケート調査を実施した。2009年2月に実施した同調査(参考:「サーバ仮想化で物理サーバ統合進むも『運用管理コストは……』」)では、サーバ仮想化の導入状況は43.6%だった。あれから約2年がたち、読者のサーバ仮想化に対する導入状況や課題はどう変化したのか。また、読者は今後のサーバ資産をどうすべきと考えているのか。以下で、調査リポートの一部を紹介する。
目的:TechTargetジャパン会員のサーバ仮想化導入について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年1月21日〜2月8日
有効回答数:268件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
まず、現在のサーバ仮想化の導入状況に関する設問では、回答者の45.5%がサーバ仮想化を「既に導入済み」と回答。2009年の調査結果43.6%と比べる と微増にとどまった。ただし、「試験導入している」と回答した11.6%を含めれば、6割近くがサーバ仮想化を取り入れていることが分かる。サーバ仮想化がいよいよ本格的な普及期に近づいている様子だ。
サーバ仮想化を導入する目的でも、上位を占めたのは「サーバ統合」(49.9%)、「ハードウェアリソースの有効利用」(36.5%)とコスト削減を意識した回答で、2009年とほとんど変化していない。
しかし、仮想化を実施しているサーバに関する設問では、2009年は少なかった「基幹系アプリケーションサーバ」や、「メール・グループウェアサーバ」の割合が増加(表1)。サーバ仮想化技術が成熟し、安定性やパフォーマンスで信頼性が向上してきていると考えられる。自由回答でも「ようやくサーバ仮想化が実務に耐えられるようになってきた」といったコメントが見受けられた。
だが、運用管理の面では依然として課題が残る。サーバ仮想化製品を導入する上で障害となる要因を尋ねた設問では、「障害時のリスク」(38.8%)、「運用管理ノウハウ不足」(27.6%)を不安視する傾向が強かった(表2)。障害が起こったときに誰がどう対処するのか、物理/仮想混在環境でどう運用管理するかといった課題や、仮想化について新しい技術の習得が必要になるといった運用管理者のスキルに関する不安が挙げられるだろう。
こうした問題を解消するために欠かせないのが管理ツールだ。現在利用しているサーバ仮想化管理ツールを尋ねた設問では、「VMware vCenter Server」(53.6%)、「VMware vSphere Client」(49.0%)、「Citrix XenServer」(10.5%)といったハイパーバイザー標準の管理ツールが圧倒的多数を占めた。サードパーティー製品で最も多かったのは「JP1」で9.8%だ。回答者の多くがハイパーバイザーや仮想マシンといた仮想レイヤーと物理的なサーバを別々に管理している状況だといえる。
最後に、サーバ資産についての今後3〜5年後の展望について尋ねたところ、「自社所有とクラウドを切り分けたい」(63.8%)といったハイブリッドクラウドを実現したい意向が多数だった(表3)。「全てをクラウド化したい」は6.7%だったものの、サーバ仮想化の次のステップとしてクラウドを視野に入れることは必然のようだ。
サーバ仮想化はサーバ統合によるコスト削減だけでなく、ITインフラを統合しサーバリソースを柔軟に提供するなど、業務効率を向上させるメリットも大きい。クラウドコンピューティングの土台になる技術として、今後も導入が進むものとみられる。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果と共にアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。
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