SMB向けストレージ製品紹介:イメーション
RDX搭載でバックアップまで1台で解決するNAS「Data Appliance T5R」
SMB企業におけるNASの採用が増えている。また、バックアップ対策をより少ないコストで実現したいという声も多い。イメーションはRDXカートリッジを活用するバックアップ機能を備えたNAS製品を提供する。
現在のSMB向けストレージ製品市場はエンタープライズレベルの信頼性を保証した数千万円以上のクラスと、数十万円クラスのエントリーレベルNAS(Network Attached Storage)に二極化し、その中間をカバーする製品があまり存在しない。コストを掛けずに長期間の運用に耐えられる信頼性の高いストレージが望まれる中、その期待に応えられそうな製品がある。イメーションの「Data Appliance T5R」「Data Appliance R4」だ。
連載インデックス
- ポートフォリオの拡充を進めるデルのSMB向け「Dell EqualLogic」シリーズ(デル)
- ストレージの利用率向上を階層型プールで実現する「IBM Storwize V7000」(日本IBM)
- 拡張性に優れたSMB向けユニファイドストレージ「FAS2240」(ネットアップ)
- ストレージへの高い投資対効果を目指す「ETERNUS DX S2」シリーズ(富士通)
- SMB向け機能とコストのバランスを重視したNAS「ReadyNAS」(ネットギア)
- ファイル仮想化を推進するSMB向けプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform 50」(日立製作所)
- 高性能とシンプルを追求したSMB向けストレージ「EMC VNXe」(EMCジャパン)
低コストでエンタープライズレベルの品質を
Data Appliance T5Rは5基のHDDを内蔵できるタワー型筐体。5Tバイト(1Tバイト HDD 5基)と10Tバイト(2Tバイト HDD 5基)の2つのモデルが用意されている。また、同社が提供するカートリッジ型ストレージ「RDX」を搭載できる(詳細は後述)。Data Appliance R4は、1Uのラックマウント型筐体。内蔵HDDは4台(4Tバイト、8Tバイト)だが、電源の冗長化を標準実装しているのが特徴だ。
ともに「Intel Atom Processor D2700」の省電力タイププロセッサーとDDR3 RAM 2Gバイトを標準搭載。また、NASとiSCSI接続の両方に対応し、ギガビットイーサネットポート×2基、USB 3.0ポート×2基、eSATAポート×1基を備えている。さらにロードバランシング機能による負荷分散と、外付けディスクドライブを使ったバックアップ運用が可能だ。
「エントリー型NASのほとんどが安価なデスクトップPC用HDDを採用しているのに対し、Data Applianceではエンタープライズストレージで使われる高性能・高信頼型HDDを搭載している。その分、I/O性能や耐久性に優れている」と語るのは、イメーション コマーシャル商品事業本部 マーケティング部 スケーラブルストレージ製品 テクニカルエキスパートの鈴木健一氏だ。
障害の予兆を検知し事前にデータを退避させるPDM
とはいえHDDを使用している以上、ディスク障害が発生した場合のデータ保全を常に想定しなければならない。鈴木氏は「エントリーレベルのNASでは、HDDの交換時にリビルドが発生するため、I/Oパフォーマンスが著しく低下する。また、長時間のリビルド中に二次障害によるデータロストが発生する可能性もある」と指摘する。
Data Applianceシリーズでは「PDM(Predictive Data Migration)」という独自の機能を搭載している。PDMがHDDをモニタリングして障害の予兆を検知し、HDDが使用不能になる前にスペアドライブにデータをコピーして、不良HDDをディスクアレイから除外する。そのためリビルド自体が発生せず、短時間でデータ移行を完了でき、二次障害によるデータロストの危険性も低い。PDMを利用することで、別のNASを設置してミラーリングする必要もなく、結果的に投資を抑えることが可能になる。
Data Applianceシリーズでは、Webブラウザベースの「DataGuard Appliance管理インタフェース」画面でNASのボリューム内データのバックアップを実施。スナップショットやレプリケーション、Amazon S3、Dropbox、OpenStackなどのクラウドサービスへのバックアップ、Mac OS X準拠のTime Machineバックアップなど、数多くのバックアップ方法が選択できる。
テープバックアップの置き換えでのメリットがあるRDX
コスト削減の要請によって、NASを重要データの保存に積極的に活用するケースが増えている。また、東日本大震災以降は事業継続性の確保から日々のバックアップや遠隔地での保管などにも注目が集まっている。しかし、ITへの投資コストが限られている企業では、コスト面でそうしたバックアップ対策を実施しづらいのが現状だろう。
「Data Appliance T5Rは基本的なバックアップ機能を備えており、1台でメインとバックアップの両方のストレージとして活用できる。その手段がRDXというテクノロジーだ」(鈴木氏)
RDXは、2.5インチHDDを内蔵するカートリッジ型ストレージ。320Gバイトから1.5Tバイトまでのタイプが用意されている。業界標準規格のカートリッジとして、主要なサーバベンダーがOEMで採用している。USB接続型ドッキングステーションやオートローダーなどに差し込んでデータをバックアップする。
RDXは抜き差し可能で可搬性に優れている。その特性を利用し、キャビネット保管や遠隔保管などのオフライン保管なども可能だ。また、セキュリティが心配という場合には「RDXカートリッジセキュア」モデルも提供する。このモデルでは「AES 256ビット暗号化」技術と米国政府が策定した情報セキュリティ規格「FIPS 140-2 Level-1」準拠の暗号化技術を採用しており、搬送中に紛失や盗難などのトラブルが生じても情報漏えいのリスクが極めて低い。
RDXでは静電気をシャットアウトする耐熱性の導電性素材を用いており、HDD本体は衝撃吸収材で作られたサスペンションによって柔軟に保持されている。ヘッドを退避させる仕組みもあり、約1メートルの高さからの落下にも耐える構造を持っている。テープカートリッジほどチリやホコリの影響を受けず、ローディング機構もないため故障や破損のリスクも少ない。
RDXはテープバックアップの置き換えでも多くのメリットがある。イメーションはRDXを最大8基搭載するオートローダー「RDXマルチオートローダーA8」を提供している。「データのバックアップをLTOで行う企業にとって、RDXマルチオートローダーA8と比較し、LTOチェンジャー装置はロボット機構の故障率やバックアップの失敗率が高いことなどが大きな悩み。中長期的にはコストが大幅に削減できることからもRDXマルチオートローダーA8への置き換えが進んでいる」(鈴木氏)
RDXはテープバックアップの置き換えでも多くのメリットがある。「データのバックアップをLTO(Linear Tape-Open)で行う企業にとって、テープドライブの故障率やバックアップの失敗率が高いことなどが大きな悩み。中長期的にはコストが大幅に削減できることからもRDXへの置き換えが進んでいる」(鈴木氏)
文書ファイルや画像、動画、音声などの非構造化データの急激な増加が、企業の管理者にとって頭の痛い問題となっている。IDC Japanが発表した2010年~2015年のCAGR(年平均成長率)予測では非構造化データの増加率は53.5%となり、構造化データ(21.7%)や複製データ(40.6%)よりも高い(関連記事:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。
特に、映像を活用する業界ではデータ容量の拡大が進み、データの受け渡しやバックアップにRDXカートリッジセキュアを活用するケースが増えている(関連記事:ストリーミング配信の鍵を握るNAS JストリームがIsilonを選択した理由)という。
HDDを含めた長期保証も提供
鈴木氏は「構成や使い勝手はシンプルでも、HDDやエアフロー、電源など本当に重要な部分は安易に妥協しないのが、SMB向けストレージに対するイメーションのこだわり」と説明する。
Data Applianceの提供価格(オープン)は、T5R、R4ともに1Tバイトモデルが30万9000円、2Tバイトモデルが37万8000円。イメーションでは、万一のトラブル時のサポート体制を強化。Data Appliance T5R/R4ではHDDを含む3年間の長期保証を標準で提供し、有償で2年間の延長保証サービス、24時間365日コール受付のオンサイトサポートサービスの設定も追加可能だ。
| モデル | T5R(HDD 5基+RDX搭載) | R4(HDD 4基) |
|---|---|---|
| CPU | インテル Dual-core Cedar View Atom D2700 2.13GHz | |
| メモリ | 2.0Gバイト DDR3 RAM | |
| 最大HDD容量 | 10Tバイト | 8Tバイト |
| RAID | RAID 0、1、1E、3、5、6、10 | |
| 対応OS | Windows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008/2008 R2、Mac OS X 10.4 以降、Mac OS X Server 10.6、Linux Kernel 2.6 以降 | |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー