XPユーザーに贈る、Windows 7移行の注意点(前編)
Windows 7へのXPアプリケーション移行の落とし穴
Windows XPからWindows 7への移行には直接のアップグレードパスが提供されていない。移行作業をスムーズに進めるためには幾つかの注意点を知っておく必要がある。前編ではアプリケーション移行のポイントを紹介する。
OS市場で、いまだに25%のシェアを占めるWindows XP
2001年、WindowsXPがリリースされた当時は、これほどまでに多くのユーザーに愛されるOSになるとは、Microsoftの人間でも誰1人として予想していなかった。デビューから12年が過ぎようとしている今も、Windows XPは依然としてOS市場で約25%のシェアを占めている。
もちろん市場をリードしているのは50%以上のシェアを誇るWindows 7だが、いまだに熱心なWindows XP支持者がおり、その市場シェアは1カ月に約1%のペースでしか減少していない。だが2014年4月のサポート期間終了が近づくにつれて、今後、非常に多くのユーザーがWindows XPからWindows 7への移行に取り組むことになるだろう。
ただ、Windows XPからWindows 7への移行は、単一のステップで済む作業ではない。これにはさまざまな理由があるが、その大半は2つのOSのアーキテクチャの違いによるものだ。また、MicrosoftはユーザープロファイルとデータをWindows XP環境からWindows 7環境に移行するための方法を幾つか用意しているが、直接のアップグレードパスは提供していない。そのため、アプリケーションのサポートなどに関する疑問が残ったままのユーザーは多い。本稿ではWindows XPからWindows 7への移行に伴う幾つかの問題への対処法を紹介する。
アプリケーションの移行は、16ビット版アプリケーションの互換性に注意
Windows 7への移行に当たって最初に直面する現実は、前述のようにWindows XPからWindows 7に簡単に移行できるアップグレードパスがないことだ。これまでMicrosoftは良くも悪くも新世代OSの開発に全力を注いできた。アップグレードパスも完全に整備されていると思っていた人もいるかもしれないが、残念ながらそうではない。
Windows 7への移行をよりスムーズに行うために、「Windows XPからいったんWindows Vistaにアップグレードした上で、Windows 7に移行する」方法を勧める向きもある。実際にそれを試した一部始終を報告しているサイトもあるが、この方法はWindows VistaとWindows 7、それぞれのインストールメディアが必要となるなど、その手間から考えて効率的な解決策とはいえない。それよりもアプリケーションやデータ、システムの互換性などについて考えるべきだ。
まずアプリケーションの移行については、Windows 7への直接のアップグレードパスがない以上、全て再インストールする必要がある。Windows XPで動作するアプリケーションの大半はWindows 7でも正しく動作するが、幾つかの例外がある。その代表が16ビット版のアプリケーションだ。
正しく動作させるためには32ビット版のWindows 7が必要になる。64ビット版のWindows 7には、16ビット版のアプリケーションの動作に必要な16ビット互換レイヤーがないからだ。次善の策としては、「Windows 7のWindows XPモードを用いる方法」と、「64ビット版のWindowsで動作する仮想マシン上で、Windows 7の32ビット版を動作させる方法」がある。
究極の解決策は16ビット版アプリケーションの使用を打ち切ることだ。だが、いまだに多くのユーザーに使われている16ビット版アプリケーションはカスタムメイドのアプリケーションである可能性が高く、使用を断念できる例はまれだろう。そうなると、最初からプログラムを書き直すしかない。
なお、インストーラーが用意されていないアプリケーションは丸ごとリプレースするか、手作業で新しい環境に移行させなければならない。ちなみに、手作業での移行に伴う各種トラブルについて議論していたあるコミュニティーサイトでは、「FileMon」や「RegMon」といったツールが紹介されていた(両ツールはその後「Process Monitor」として統合された)。これらはアプリケーションの挙動をキャプチャーすることで、移行後の環境でもアプリケーションに同じ動作を再現させるための手引きとなるツールだ。いずれにせよ、移行作業にはある程度の時間がかかる。作業に着手していないのなら、すぐにでも始めるべきだ。
◇
後編「Windows 7への移行後にXPユーザーが注意すべき2つのポイント」では、ユーザーデータの移行と、移行後の注意点を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー