クラウドデータベース選定のポイントも解説
AWSで試すべきクラウドデータベース四天王
クラウドの雄 Amazon Web Servicesのデータベースサービス担当者が、Amazon RDS、RedShiftなど4つの同社サービスの概要や機能の特徴を明かした。
企業がクラウドで成功するためには、クラウドデータベースの選択肢を検討する上での考え方を改めなければならない。キャッシュ機能などの技術を重視するのではなく、レイテンシや拡張性など市場投入までの時間にかかわる問題を重視する必要がある――。Amazon Web Services(AWS)のデータベースサービス担当プロダクトマネジャー、ラーフル・パサク氏は、このほど米ニューヨークのジェイビッツ・コンベンションセンターで開かれた2013 AWSサミットでそう力説した(関連記事:Amazonのクラウドデータベース「DynamoDB」はSQL Azureの脅威になるか?)。
「データベースを選ぶ際にはデータベース技術に注目しがちだ。しかし本当に考えなければならないのは、アプリケーションの必要条件や、どこに時間を費やしたいのか、その会社にとってそれがどの程度重要なのかだ」とパサク氏は言う。
データベースの選択肢が膨大になる中で、クラウドプロジェクトのためのデータベース選定はますます難しくなっている。しかし焦点さえ定まっていれば、どんなクラウドプロジェクトであっても確実に最善のデータベースを選択できると同氏は語った。
米Gartnerの報告によると、データ報告と分析に使われるデータベースの市場は、ビッグデータの台頭によって急成長している。適切な選定をどう行うかについてはっきりした考えを持たないまま、データベースとデータウェアハウスの流行に飛びつく企業は増える一方だ。
この点についてパサク氏は単純に、「1つで全てに対応することはできない」と助言した。「データモデルが比較的単純でアップデートも直接的な場合は、NoSQLデータベースが最適であり、拡張性にも優れている。一方、アプリケーションを重視するのであれば、フル管理型のデータベースが最適だ」(同氏)
リレーショナルデータベースと非リレーショナルデータベースのいずれかを選ぶ場合、どうしても必要なのはどちらの機能かで判断すべきだという。例えば、複雑なクエリが要求されるアプリケーションの場合はリレーショナルデータベースの方が適している。そうでなければ非リレーショナルデータベースの方がうまくいくかもしれない。
さらにパサク氏は、1つの種類のデータベースだけにとらわれてはいけないとも助言し、「両方のいいところを取って、1つのアプリケーションでSQLとNoSQLのモデルを使うこともできる。個々の層を別々の方法で管理することも可能だ」と解説する。例えばあるAWSの顧客は、フル管理型のデータベースを使いながら、フロントエンド層については完全なコントロールを握る方法を選んだという。
AWSのデータベースサービス概要
MySQLからRedis、Cassandra、MongoDBに至るまで、クラウドデータベースは選択肢のあまりの多さに圧倒されかねない。パサク氏も多くの製品がひしめくデータベース市場の現状を認め、AWS顧客のために同社のデータベースの概要を紹介、それぞれの機能の違いについて説明した。内容は以下の通り。
Amazon Relational Database Service(RDS)
フル管理型のSQLデータベースサービス。データベースエンジンの選択肢を多数用意する。「RDSの目標は、移行、バックアップ、復旧、パッチといったデータベース管理に関する煩雑な作業を全て引き受けることにある」(パサク氏)。主なRDSユーザーはSEGA、TweetDeck(Twitterのクライアントアプリ)、韓国Samsungなど。
Amazon ElastiCache
フル管理型のキャッシュサービス。プロトコルはMemcachedに準拠している。ユーザーはキャッシュクラスタをプッシュボタンで簡単に拡張でき、「読み取りスケーリングに対する応答時間は超高速」(パサク氏)だという。
Amazon Dynamo Database(DB)
フル管理型のNoSQLデータベースサービス。「どんな量のデータでも保存して引き出すことができ、レイテンシは極めて低い」とパサク氏は説明する。主なユーザーは米New York Times紙、米Heroku、米IMDBなど。
Amazon RedShift
フル管理型のP(ペタ)バイト級データウェアハウスサービス。パサク氏によると、「RedShiftではデータウェアハウスが数分で導入できる。他のオプションに比べて高速で料金が安く、かつ容易」だという。分析的ワークロード用に設計され、標準的なSQLベースクライアントとビジネスインテリジェンスツールに接続できる。
2013年のAWSサミット参加者の少なくとも1人にとっては、RedShiftについての知識が深まったことが大きな収穫だった。「RedShiftのデモをもっと見るために来た」と話すのは、コンサルティングとコンプライアンス技術システムインテグレーションを手掛ける米Matrix-Exzacのユバル・ナベハ最高技術責任者(CTO)。
同氏は「今のところRedShiftは使っていないが、間もなく使うことになると思う。従来型のデータウェアハウスはビッグデータに対応できないところまで来ている。時間枠は変わらない一方で、量が増大している。RedShiftはデータウェアハウスでありながら極めて高速で、SQLに準拠し、クエリは超高速なことから、この助けになってくれそうだ」と期待を語った。
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