SMB向けストレージ製品紹介:ドットヒルシステムズ
5秒間隔のデータ階層化で運用負荷を削減するミッドレンジストレージ「Pro 5000」
ドットヒルシステムズのPro 5000は、独自の特許技術によってデータの自動再配置やI/Oの高速化、ストレージプールの効率化などを実現する。
米コロラド州ロングモントに本社を置くDot Hill Systemsは、1984年創業のストレージ専門企業だ。今回取り上げる「Pro 5000」シリーズ(以下、Pro 5000)は、同社が2012年11月に発表したミッドレンジSAN(Storage Area Network)市場向けのフラッグシップモデル。データアクセスの頻度によって自動的にデータ再配置を行い、なるべく人の手を介さない運用を実現する。データ再配置のポリシー設定なども不要だ。
学習しながら性能向上を図るアルゴリズムで階層化を実現
Pro 5000の特徴は、自律的階層化/仮想化ソフトウェア製品群「RealStor」を搭載していること。RealStorによって、データのアクセス頻度を常にモニタリングし、高速デバイス階層(SSD)や高速HDD階層(SAS)、大容量デバイス階層(ニアラインSAS)の3階層の中で最も適した場所に再配置する。I/Oの高速化とストレージプールの効率化を実現する。
ドットヒルシステムズ カントリーマネージャー 青木 登氏は「Pro 5000は、入力データをSASドライブに格納し、5秒ごとにページへのアクセス頻度を見ながらSSDやニアラインSASに再配置する。ページアクセスの本質を見極めながら学習し、じわじわと性能を向上させる独自のアルゴリズムによって階層化するのが特徴」と説明する。
また「ストレージ管理者はプロビジョニングやマッピングを手探りで行う必要がなく、日々の運用や拡張が容易に行えるようになる」とRealStorのメリットを語る。ここからは、RealStorの主な機能と概要を説明する。
ストレージ階層化機能「RealTier」
特許申請中の独自アルゴリズムを活用し、複雑なポリシーの設定なしに発見的アプローチによる階層化を5秒ごとに実施する。アクセスパターンに適した高速なI/Oを実現するとともに、急激な階層化を回避してI/Oへの影響を最小限に維持。階層化の状態を直観的に可視化するためのGUIによる性能モニタリングが可能。
シンプロビジョニング機能「RealThin」
ストレージの物理容量を問わずボリュームを再配置する。実装されているディスク容量を最大限に活用し、使用量によって2段階の警告を発するよう、しきい値を自由に設定できる。
仮想ストレージプール機能「RealPool」
ストレージのセットアップを容易にする。データを4Mバイト単位に細かく分解(ページ化)し、作られたプールからRAIDレベルを意識させずに必要なサイズのボリュームを切り出して割り当てるので、ドライブの性能を引き出せるようになる。
高速リビルド手法「RealQuick」
RAID全体ではなく、データが書かれているセクタのみを使って高速にリビルドする。一般的なリビルドと比較して、処理時間を最大5分の1まで短縮可能。壊れたドライブを交換するとホットスペアから自動的にリビルドバックできる。
シンプルな管理機能「RealSimple」
専門的になりがちなRAIDレベルの管理、LUN(論理ユニット番号)の割り当てなどの作業手順を簡素化するユーザーインタフェース(UI)。
その他、自動階層化をあえて中止して特定のページやデータをSSDに明示的に固定する機能「RealSolid」を実装する予定だ。現在、RealStorの各機能はPro 5000のみに適用されているが、将来的には個々の機能を組み合わせて既存の下位モデルに搭載することも検討しているという。
また、Pro 5000では「DMSパッケージ」を用意している。DMSパッケージは、AssuredSnap(スナップショット)、AssuredCopy(ボリュームコピー)、AssuredRemote(遠隔レプリケーション)、VSS(Volume Shadow Copy Service)、VDS(Virtual Disk Service)などのデータ保護機能を提供するオプション。VMware vSphereの「VMware vCenter Site Recovery Manager(SRM)」との連携により、仮想環境のサイトフェイルオーバーを実現できる。
過酷な環境でも動作する頑丈なハードウェア設計
ドットヒルシステムズのストレージ製品は、第1世代の廉価版「Pro2000」シリーズから最新のPro5000まで共通の設計思想を貫いている。ローエンドモデルもミッドレンジモデルも全て2Uの筐体を用いた共通デザインを採用している。電源とコントローラーユニットが共用できる他、2.5インチと3.5インチのSAS/SATA、SSDの混在搭載が容易だ。加えて、管理CPUとRAID計算用CPUが独立して搭載され、RAID機能の可用性を高めている。
また、過酷な環境でも動作し続ける頑丈な設計となっており、通信事業者向け機器の仕様規定「NEBS(Network Equipment Building Systems)」のレベル3(最高ランク)や、米国防省が規定する環境耐性規定「MIL-STD-801F/810G」に準拠。米国防省や通信事業者などでも採用されている。
VMwareのDeath Testをクリア
仮想化ベンダー、VMwareもPro 5000のユーザーの1社だ。同社のグローバルサポートサービスオフィスではiSCSI版を採用している。1万8000~5万 IOPSのワークロードでリアルタイム階層化機能を利用した文書管理を行っている。青木氏によると「VMwareでは、試験的に行った“過酷なテスト(Death Test)”をクリアし、より大規模なワークロードでも耐えられる」と評価しているという。
日本国内でPro 5000のファーストユーザーとなった流通業の企業では、新サービスを次々と投入する中でMicrosoft SQL Server用のストレージの性能要件と管理の煩雑化が課題となっていた。しかしPro 5000のシンプロビジョニング、仮想ストレージプール機能などによってSSDを容易に追加できるようになり、ビジネスの変化にストレージ性能が追従できるようになったという。
FC/iSCSIハイブリッド版を投入予定
Pro 5000の価格は、最小構成となる2階層/48ドライブモデルにオプションのDMS(データ保護機能)を加えて約1000万円から。全てのライセンス費用が含まれるので、ドライブを増加しても追加コストはかからない。
ドットヒルシステムズでは、今後、日本からのレプリケーションへの要望に対応するために、ファイバーチャネル(FC)とiSCSIの両方のインタフェースを備えたハイブリッドバージョンをリリースする予定だという。
また、データ保護機能の拡張も視野に入れている。「現在は、Pro 5000でもミッドレンジのエントリー向けだが、2014年にはより性能を高めたミッドレンジの中位クラスのモデルも投入していく」(青木氏)
| モデル構成 | モデルタイプ | ドライブ構成 | 筺体タイプ |
|---|---|---|---|
| 基本構成 | 2階層+リードキャッシュモデル | 2×SSD、22×SAS、22×NL SAS | 2U24×2 |
| 2階層パフォーマンスモデル | 4×SSD、44×SAS | 2U24×2 | |
| 2階層キャパシティーモデル | 4×SSD、44×NL SAS | 2U24×2 | |
| 3階層モデル | 4×SSD、22×SAS、22×NL SAS | 2U24×2 | |
| 3階層キャパシティーモデル | 4×SSD、22×SAS、22×3.5型 NL SAS | 2U24×1 + 2U12×2 | |
| 拡張構成 | 2階層パフォーマンスモデル | 4×SSD、20×SAS | 2U24×1 |
| SAS パフォーマンスモデル | 24×SAS | 2U24×1 | |
| 2.5型 NL SAS キャパシティーモデル | 24×2.5型 NL SAS | 2U24×1 | |
| 3.5型 NL SAS キャパシティーモデル | 24×3.5型 NL SAS | 2U12×2 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
BMWも導入 78兆円市場に化ける「フィジカルAI」の衝撃
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー