定期的なファームウェア更新で継続運用を可能にするSMB向け「QNAP TurboNAS」SMB向けストレージ製品紹介:QNAP Systems

台湾QNAP Systemsが提供する「QNAP TurboNAS」は、予算や目的に応じてHDDを組み合わせて搭載でき、各種サーバ機能も利用可能なNAS製品だ。

2012年11月26日 08時00分 公開
[富永康信,ロビンソン]

コストを掛けずに信頼性の高いNASを選びたい

photo テックウインドの木村氏

 QNAP Systems(以下、QNAP)は、NVR(Network Video Recorder)を活用した監視システムや家庭用ビデオや音楽などのメディアプレーヤーを開発する台湾の企業だ。2004年にNAS(Network Attached Storage)製品の販売を開始し、主に米国や欧州で展開してきた。日本には2009年に進出しており、国内ではテックウインドなどが正規代理店として製品を販売している。

 テックウインド 営業本部 プロダクトマーケティング部 部長の木村 昇氏は「日本市場の参入当初はコンシューマー/SOHO向け製品が中心だったが、各種ソフトウェアの機能を豊富に搭載している点が企業向けとしても注目されるようになった。QNAPは台湾で組み込み向けマザーボードなどを製造するICPGroupであり、信頼性の高いコンポーネントでハードウェアを開発することで評価を得ている」と語る。

photo テックウインドの野嵜氏

 QNAPは2009年にIntel Xeonプロセッサーを採用したラックマウント型製品をリリースするなど、中堅・中小企業(SMB)から大企業の部門クラスまでをターゲットにした製品を市場に投入している。

 テックウインド 営業本部 プロダクトマーケティング プロダクトマネージャーの野嵜太郎氏は、「SMBが初めてNAS製品を購入しようと考える際、コストは掛けたくないが信頼性の高い製品を選びたいと考える。その条件を満たす製品として、QNAP製品が最初に候補に上がるケースが増えている」と話す。

幅広いモデルを提供

 QNAP TurboNASシリーズは、コンシューマー向けから中堅企業向けまでNAS製品の幅広いラインアップがある。企業向けとしてはタワー型「TS-x79Pro」「TS-x69Pro」「TS-x69L」の3シリーズと、ラックマウント型「TS-ECx79-RP」「TS-x79U-RP」「TS-x69U-RP」の3シリーズを提供している。この「x」はHDDの内蔵数を表している。

photo TS-869Pro(左)とTS-869L(右)

 TS-x69ProとTS-x69Lでは「Intel Atom」を、TS-x79Proでは「Intel Core i3-2120」を採用。また、TS-x69LはTS-x69Proには設置されている前面の液晶表示パネルがなく、TS-x69Proの廉価版という位置付けだ。TS-x69Lは「TS-269L」(HDD2台内蔵)から「TS-669L」(同6台内蔵)まで、TS-x69Proは「TS-269Pro」から「TS-1069Pro」までの種類がある。

 QNAPがマルチタスクやデータアクセスが集中する環境などでもパフォーマンスを発揮できる製品として挙げているのが、タワー型最上位シリーズのTS-x79Proだ。TS-x79Proは「TS-879Pro」「TS-1079Pro」の2機種がある。拡張インタフェースが設定されており、標準のギガビットイーサネット(GbE)2基に加えて、10GbEカードも追加可能だ。

photo TS-1079Pro

 ラックマウント型シリーズは、「Intel Xeon」と誤り検出・訂正機能を持つECCメモリを搭載するTS-ECx79U-RPと、通常のメモリを搭載するTS-x79U-RP(Intel Core i3)、TS-x69U-RP(Intel Atom)の違いがある。

photo TS-EC1679U-RP

予算や目的に応じてHDDを選択

 QNAP TurboNASシリーズでは基本的にHDDは別売りで、別途調達して予算や目的に応じて組み入れる。また、ホットスペアでボリューム容量の拡張が可能だ。例えば、NASを稼働させたままボリューム容量を拡張できる「オンラインRAID容量拡張」や、RAIDレベルの移行する「オンラインRAIDマイグレーション」などの運用が可能だ(関連記事:時代遅れのRAID認識を改めよう)。最新のHDDを柔軟に選択できるのは企業にとってメリットは多いだろう。「テックウインドはHDDも販売しているので、QNAP NASにあらかじめ組み込んだ状態で出荷することも可能」(野嵜氏)

 また、QNAP TurboNASシリーズではソフトウェアチューニングを細かく実施することでNASに求められている高いパフォーマンスを実現できる。OSに独自のLinuxを採用し、ファームウェアを定期的にアップデートすることで動作改善や機能追加を継続的に行っている。そのため、長期間活用しても技術が陳腐化せず使い続けられ、トータルコストも削減できるというわけだ。

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