バックアップアプライアンス紹介:シマンテック
中堅・中小企業のバックアップ環境の最適化を支援する「Symantec Backup Exec 3600」
「Symantec Backup Exec 3600」は、中堅・中小規模向けバックアップアプライアンス。仮想環境を意識し、ストレージ容量を削減する重複排除機能の他、導入の手軽さや管理性の容易さ、コストパフォーマンスなどを兼ね備える。
所要時間や仮想化対応で意外と課題の多いバックアップ対策
バックアップ/リストア製品を導入したはいいが、想定以上にバックアップ時間がかかったり、導入時、または拡張する際のサイジングが面倒でコストが掛かるなどの課題で悩まされている企業は多い。
特に「事業や会社の規模が小さい中小企業の場合、小規模向けのバックアップ製品を導入し、テープやHDDをサーバに直接接続していることが多い。しかし、事業が拡大するとともにこれまでと同様のバックアップ対策をただ追加していくだけでは、コストも管理の手間も一方的に上がってしまう」と、シマンテック セールスエンジニアリング本部 GBソリューションSE部 プリンシパルセールスエンジニア 伊吹山 正郁氏は指摘する。
特に、サーバ仮想化が進む現在、仮想環境の特性を無視して物理環境と同じバックアップ対策を取った場合、バックアップ成功率の低下や仮想マシン単位のバックアップ/リカバリ運用が困難になるといった問題が噴出しているという。
サイジングなどの煩雑さを取り払い、仮想環境にも十分な効率を発揮し、運用負担の少ないバックアップ/リカバリを実施したい。こうしたニーズに応えるのが、シマンテックの「Symantec Backup Exec 3600」(以下、Symantec BE 3600)だ。
シマンテックが2013年10月1日に販売開始したSymantec BE 3600は、バックアップソフト「Backup Exec 2012」、メディアサーバ(Windows Storage Server)、5.5Tバイトの重複排除対応ストレージをまとめたアプライアンス製品だ。中堅・中小規模で、特に仮想マシンホスト3~5台、仮想マシン30~50台の規模での利用を想定している。
同製品の特長は、大きく3つある。重複排除技術「V-Rayテクノロジー」、運用管理性、そしてコストパフォーマンスだ。
特長その1:重複排除技術「V-Rayテクノロジー」
V-Rayテクノロジーは、仮想環境に最適化された独自開発の特許取得技術だ。一般的なバックアップ製品の場合、仮想ハードディスク(VMwareの仮想環境の場合、VMDKファイル)レベルまでは認識できても、その先にある仮想ハードディスク内のファイルシステムやファイル単位まで見えていないことがある。そのため、ブロック分割でバックアップする際、仮想マシン上のファイルを2つの物理的なブロックに分断してバックアップすることがある。
その結果、「そのファイルが変更された後の差分バックアップでは、2つのブロックに変更があったと見なされ、両ブロックがバックアップされる。つまり、それだけバックアップデータ量も多くなり、時間もかかるということだ」(伊吹山氏)
これに対して、V-Rayテクノロジーではファイルを意識して効率的にブロックを分割できる。つまり、変更箇所“だけ”のバックアップができ、高い重複排除率を実現できるという(図1)。
シマンテックでは、V-Rayテクノロジーの効果を検証する実験を行った。総容量2Tバイト、毎日のデータ更新量が100Gバイトの仮想マシンを対象に、重複排除なしの場合とV-Rayテクノロジーありのバックアップを2週間運用した結果を比較するというものだ。
その結果を基に計算すると、重複排除なしで実行した場合、週1回のフルバックアップと毎日の増分バックアップで、2週間後のストレージ使用量は5Tバイトになった。一方、V-Rayテクノロジーを利用した場合では、最初のフルバックアップの時点で既に900Gバイトへとデータ容量が抑えられただけでなく、初回以降に実行されるバックアップのデータ容量は8Gバイトになった。こうして2週間後には約1Tバイトのストレージ使用量に抑えることができ、重複排除を利用しない場合と比べて5分の1となった。
Symantec BE 3600の重複排除機能は、バックアップ対象先に入れるエージェントとメディアサーバのどちらで実行するかを選択できる。ネットワーク負荷を抑えたいのであればエージェント側で、バックアップ対象側の負荷が気になる場合は、メディアサーバ側で実行するなど、要件に合わせて選べる。
特長その2:運用管理の手間を削減
2つ目の特長は、運用管理性だ。Symantec BE 3600は、単一のコンソールで物理環境も仮想環境も統合管理できるだけではない。
例えば、仮想環境では仮想マシンの作成・削除を簡単に行える一方で、バックアップ対象として指定するタイミングが非常に難しい。「Symantec BE 3600のダイナミックインクルージョン機能では、バックアップ対象の指定や運用を開始した後でも、仮想マシンなどを追加すると自動的にバックアップ対象に追加する」と、シマンテック プロダクトマーケティング マネージャ 長島理恵氏は説明する。
また、Symantec BE 3600にはリカバリ用の起動メディアが同梱されており、バックアップ対象とリストア先のハードウェアが異なる場合にも問題なく展開できる。「リカバリは、元に戻せるだけでは意味がない。“どのような形でもすぐに戻せる”ことが重要。P2V(物理環境から仮想環境への変換)やB2V(バックアップ環境から仮想環境への変換)にも対応し、手作業をなくすことで設定や運用を楽にしてくれる」(長島氏)
管理担当者は、こうした導入や運用管理の手間の削減によって生まれた時間をバックアップポリシーの策定や見直しなどに有効活用できると、伊吹山氏は言う。
特長その3:高いコストパフォーマンス
3つ目は、コストパフォーマンスに優れている点だ。前述した通り、Symantec BE 3600には、バックアップソフトウェア、メディアサーバ、ストレージ、重複排除機能が標準搭載されている。加えて、VMwareとHyper-Vなどの仮想マシンや「Microsoft Exchange Server」「Microsoft SQL Server」「Active Directory」といったアプリケーションのエージェントも同梱されており、ライセンスの追加購入なしで無制限に利用できる。
ライセンスモデルは、基本的な機能は全て備えた「Symantec Backup Exec 3600 Appliance Essential Protection Suite」と、複数アプライアンスの運用に対応する「Symantec Backup Exec 3600 Appliance Total Protection Suite」の2種類。それぞれ1年版と3年版があり、最も標準的な1年版のEssential版であれば、他社製品からの乗換価格を適用すると198万円から導入できる。また、他社製品からの乗換価格をEssentialの3年版に適用すると278万9200円となり、1年版を2年分更新するよりも38万円近く安くなるという。
「アプライアンスでは、サーバやストレージ容量の選定、重複排除機能の有無の判断、ソフトウェアとの相性の検証などが必要ない。しかも、ソフトウェアとハードウェアを個別に選定するバックアップ製品では、Symantec BE 3600に同梱された全てを購入しようとすると、260万円以上は掛かる試算である。それが、約24%も安く導入できるのは大きな優位性だ」と、長島氏は太鼓判を押す。
テープや他社HDDも構成に組み込める柔軟性
こうした3つのメリット以外に、オープンな構成を組めるところも特筆すべき点だ。
例えば、既存のバックアップ構成で既にテープや他社のHDDを利用していることがある。そんな場合でも、Symantec BE 3600ではSAS接続でテープ装置につなげることができる他、連携API 「OpenStorage」を実装した製品であればシームレスに統合、2次バックアップ先やストレージ増強用として接続することができる。「USBでHDDを外付けしたり、NAS上の共有フォルダをバックアップ先に追加したりできる。外部デバイスを利用した拡張により、環境に合わせた柔軟な構成が組める」(伊吹山氏)
ディザスタリカバリ環境を構築する場合も、バックアップ対象拠点にEssential版を、DR先にTotal版を導入すれば、重複排除を効かせてネットワーク負荷を抑えたDRが実現する。環境の設計や構築の手間はもちろんのこと、帯域や維持費の問題も解消されるので、やりたいと思っていながらできなかったDR導入のハードルが一気に下がる。
なお、同社は重複排除アセスメントツールを無償公開している(http://www.symantec-smb-solutions.com/jp/partner/backup)。これはツールを実環境にインストールし、バックアップ対象マシンと対象データを選択、どれくらいバックアップが最適化されているかを数字で可視化するというものだ。
「最適化というのは便利な言葉。それがどれくらいの実力を発揮しているのか、目で見て確認できる」。長島氏は、販売パートナー企業だけでなく、ユーザー企業にも現状をまず確認してもらった上でぜひ利用してほしいと説明する。
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