Nokia製Androidスマートフォンは変化の兆しか
「MSはAndroidを全面的に採用すべき」、新CEOが求められる5つの決断
新CEOの就任で大きな変化フェーズに入った米Microsoft。クラウド事業の好調さの一方で、モバイル事業には課題が多い。新CEOが真っ先にすべきこととは。
サトヤ・ナデラ氏のCEO就任により、コンピュータ業界最大手の米Microsoftは大きな転機を迎える(ナデラ氏は同社の3人目のCEOである。参考記事:「Nokia」「Surface」をどうする? 問われるMicrosoft 新CEOの決断力)。同社は依然として記録的な収益を上げており、2013年10~12月期決算では過去最高の売上高を記録した。この新時代の中で同社の競争力を維持するために新しいCEOが取り組むべきことが5つある。
1. モバイルデバイス管理ソフトを強化する
「Windows Intune」は、もともとデスクトップ管理サービスである。モバイルデバイスの管理機能を徐々に追加して着実に進化してきた。また、Windows Azure開発キットを使用すると、iOSデバイスやAndroidデバイスでも適切に機能するカスタマイズ可能なプッシュ通知を利用することもできる。しかし、Microsoftは同社の製品/サービスを強化できるEMM(Enterprise Mobility Management)企業の買収を検討する必要がある。
2. ビル・ゲイツ氏のアドバイザーとしての役割を最小限に抑える
元CEOのビル・ゲイツ氏によると、同氏はMicrosoftのアドバイザー職に就任することをナデラ氏から要請されたという。元CEOのビル・ゲイツ氏の役割を強化することが同社のメリットになると考える、弱腰な役員陣がいるように思える。この転換期にMicrosoftの創業者の役割を強化したことは合理的な判断だ。しかし、その時期は長引かせるべきではない。この転換期において、ゲイツ氏がMicrosoftの新CEOの相談役となるのは良いことだが、その期間は半年から1年にとどめるべきだ。もちろんゲイツ氏のソフトウェアに対するビジョンには価値がある。しかし、同氏の影響力により社内の問題が複雑になり、株主などのオブザーバーが実質的な責任者が誰なのかを懸念するようになる恐れがある。
3. Windows Phoneを撤廃して、Androidを全面的に支持して受け入れる
Microsoftは2008年以降モバイルOSとモバイルデバイス戦略に重点的に取り組んできた。市場シェアは緩やかに向上しているが、ナデラ氏はこのプロジェクトの廃止を検討すべきである。一般ユーザーだけでなく、テクノロジージャーナリストも高品質なNokiaのスマートフォン「Lumia」シリーズを待ち望んでいる。しかし、このスマートフォンでWindows Phoneが実行されることに落胆している。ユーザーが求めているのはAndroidを実行できるLumiaスマートフォンだ。これは単独のAndroidデバイスメーカーだけでできることではない。だが、これはMicrosoftの腕の見せ所になり得る。NokiaがAndroidスマートフォンを開発しているといううわさはあるが、確実な情報は何も表面化してはいない(編注:Nokiaは2014年2月24日、Androidをベースにしたスマートフォンを発表した)。
4. 第三者(米Googleのサンダー・ピチャイ氏)に運営を任せる
Windows Phoneを撤廃したくないというのであれば、Microsoftは、デスクトップ用のソフトウェアをモバイルに統合できることを世に示したリーダーを獲得する必要がある。そのリーダーとはGoogleで上級副社長を務めるサンダー・ピチャイ氏だ。同氏は、「Google Chrome」のような規模の製品をAndroidに統合するためのチームを統括する能力があることを証明した。
ピチャイ氏であれば、WindowsとWindows Phone 8.1、それから将来のOSに対して同じレベルの視点で取り組み、現状を合理的な収束に導くことができるだろう。WindowsとWindows Phoneでは共通のコードベースが採用されている可能性が高いが、ピチャイ氏が手掛ければOSのエクスペリエンスは向上するだろう。ただし、ピチャイ氏はMicrosoftのCEOへの就任を断ったと報道されている。そのため、これは実現性が低いと思われる。
5. Windows AzureとOffice 365の技術革新の速度を維持する
ナデラ氏がCEOに就任したのには理由がある。Windows Azureとそのオンラインサービス製品が好調で、同社の売り上げは快調に伸びている。この事業が発展し続けることは周知の事実であり、誰の目から見ても、このクラウドOS計画はうまく行っている。また、Windows Azure関連のサービスや製品と並行して、「Windows Server」とその関連データセンター製品を提供することは、いずれ同社の中心的な戦略となるだろう。
補足:お金を使って商標変更するか「Windows RT」ブランドを廃止する
Windows 8とWindows RTにより、紛らわしく、嘆かわしいユーザーエクスペリエンスが生まれた。Windows RTの機能は限られており、デスクトップモードで実行できるのは「Officeアプリケーションスイート」だけである。例えるならばWindows RTは冬季オリンピックのバイアスロンのようなものだ。なぜスキーと射撃を同時に行う必要があるのだろうか。全てのビジネスユーザーがWindowsに期待することは1点だけだ。レガシーアプリが動かないのなら“Windows”とは呼べない。それだけだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー