比べて分かった“艦これ”以外の使い道
「Surface Pro 2」と「VivoTab Note 8」を徹底比較、ペン付きWinタブレットの最強はどっちだ?
ワコム製デジタイザやスタイラスペンが標準で付いてくる――。そんな共通点があるWindows 8.1タブレットが「Surface Pro 2」と「ASUS VivoTab Note 8」だ。両者の性能や特徴を徹底比較する。
米Microsoftの「Surface Pro 2」は、Windows 8.1タブレットの最高峰を追求したモデルだ。その携帯性とパワーの両立は他に類を見ない。これに対して台湾ASUSTeK Computerの「ASUS VivoTab Note 8」は控えめなスペックとなっている。だが両者には、もう1つ顕著な違いがある。570ドルの価格差だ。
Surface Pro 2は、米Intelの「第4世代インテルCoreプロセッサー」(コード名: Haswell)である「インテルCore i5プロセッサー」、解像度1920×1080ピクセルの10.6インチディスプレー、フルサイズのUSB 3.0ポートを搭載する。われわれが以前にレビューし、今回比較対象として取り上げた900ドルのモデル(国内販売はなし)は、オンボードストレージが64Gバイト、RAMが4Gバイト。OSは64ビット版「Windows 8.1 Pro」だ(参考:徹底レビュー:異彩タブレット「Surface Pro 2」の斜め上への進化)。
ASUS VivoTab Note 8は、Intelの新型「インテルAtomプロセッサー」(コード名: Bay Trail)、1280×800ピクセルの8インチディスプレー、Micro-USBポートを搭載。今回の比較に使った330ドルのモデルは、2GバイトのRAMと32Gバイトのストレージを備える。OSは32ビット版Windows 8.1だが、「Microsoft Office Home and Student 2013」(国内版は「Microsoft Office Personal 2013」)が付属する。
ASUS VivoTab Note 8とSurface Pro 2には、Windows 8.1タブレットの中で両者を際立たせる共通の特徴がある。ワコム製のデジタイザを備え、スタイラスペンの筆圧感知が可能なことだ。いずれもデジタルインク機能の利用や走り書き、メモ、描画用に筆圧感知型のスタイラスペンが付属する。
ここで“メモ魔”の人やデジタルアーティストに聞いてみたい質問がある。それは、「900ドルのSurface Pro 2が必要か、それともASUS VivoTab Note 8で十分か」である。以下ではその答えを探っていこう。
仕上がりとデザイン
生産性に関しては比較にならない。Officeは付属しないものの、Surface Pro 2が圧勝だ。フルサイズディスプレーやキックスタンド、フルサイズUSB 3.0ポートを備えるので、USBキーボードをつなげばノートPCのように手っ取り早く使える。Mini DisplayPortは、マルチディスプレーを利用する上ではそれほど便利ではないかもしれないが、適切なケーブルを使えばきちんと機能する。
8インチのASUS VivoTab Note 8は、本格的な作業をするには小さ過ぎるだけでなく、実用的な入出力のオプションが欠けている。Micro-USBポートしか用意されていないので、ユーザーがSurface Pro 2と同様のアクセサリサポートを確保するには、幾つものスプリッタやアダプターが必要になる。目を細めて画面を見るのが苦でない人以外は、Microsoft WordもExcelもPowerPointも、あまり使わなくなるだろう。
パフォーマンス
ASUS VivoTab Note 8は意外にも、比較的負荷の高いタスクをうまく処理する。Surface Pro 2がパフォーマンスでも大勝しているが、ASUS VivoTab Note 8でもOfficeは快適に動作する。
米Adobe Systemsのクリエイター向けクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」に含まれる「Photoshop CC」も動かしてみた。ASUS VivoTab Note 8はディスプレーが小さく、本稿執筆時点(2014年3月)では筆圧感知ドライバがうまく機能しなかった。だがこれらの問題がなければ、緊急の際にそこそこの画像編集やスケッチのための現実的な選択肢になりそうだ。ワコムの米国向けサイトでは、ドライバについての次のような説明が掲載されていた(現在は更新済み)。
2013年10月7日に公開されたEnhanced Driver 7.1.2は、2014年にリリースされたASUS VivoTab Note 8をサポートしていません。ASUS VivoTab Note 8をサポートするEnhanced Driver 7.1.4のリリースの遅れをおわびいたします。われわれは新ドライバをできるだけ早くリリースできるように取り組んでいます
Surface Pro 2では、Photoshop CCをはじめ、米AutodeskやカナダCorel製など、企業に人気の画像制作プログラムを快適に使える。Surface Pro 2の10.6インチディスプレーであれば、Adobe製品の煩雑なユーザーインタフェース(UI)も、少し窮屈ながらも無理なく利用できる。
また、前述したこのタブレットのデザインのおかげで、USBアクセサリや拡張ディスプレーが接続しやすい。つまり、Surface Pro 2はアーティスト向けタブレットとして十分に強力であり、妥協を極力排して設計されている。これらの点は、いずれもASUS VivoTab Note 8には当てはまらない。
ベンチマーク
2つのWindows 8.1タブレットのベンチマークテスト結果を比較する。
バッテリーテストでは、ASUS VivoTab Note 8はSurface Pro 2を上回る結果を記録している。これは予想通りだった。Surface Pro 2の方がプロセッサが強力な上、ディスプレーが大きく、画素数も多いからだ。最新のインテルCoreプロセッサーは、従来のものよりもバッテリーの持ちが改善されているが、新しいインテルAtomプロセッサーは、省電力に特に優れている。
メモ取りに関しては、ASUS VivoTab Note 8は有効な選択肢だ。軽く作られていることが主な理由である。Surface Pro 2の重さは約907グラムだが、ASUS VivoTab Note 8は約380グラムと、その半分にも満たない。数百グラムの違いは大差ないように思えるかもしれないが、数分以上メモを書いていると、Surface Pro 2はASUS VivoTab Note 8と比べて“れんが”のように思えてくるだろう。
生産性効果はあまり期待できないが、ASUS VivoTab Note 8のデザインはメモを取るのにうってつけだ。横向き時の左右のディスプレーベゼルが比較的広く、そこを握れば画面が指紋で汚れる心配がない。レビューの結果、ASUS VivoTab Note 8の画面は汚れが付きやすいことが分かっている。また、ASUS VivoTab Note 8にはスタイラスペンの収納スロットもあるが、これはSurface Pro 2にはない。
ペン
残念ながら、ASUS VivoTab Note 8のペンは、少し細すぎて使いにくいと感じるかもしれない。ASUS VivoTab Note 8のスタイラスペンは5インチ(約127ミリ)弱で、平均的な大きさの手にはかなり長い。ペンが細く、軽いせいで手が痛くなり、数分以上メモを取り続けるのは難しい。
これに対し、Surface Pro 2のペンははるかに快適である。われわれの評価はこうだ。「Surface Proのペンの方が2分の1インチ(約12.7ミリ)程度長く、重く、太く、手で握りやすい。これらのことから、より快適な選択肢となっている。
どちらのペンも両方のデバイスで使える。快適さが段違いなので、ASUS VivoTab Note 8のユーザーは、Surface Pro/Pro 2用のペンを30ドルで買うことを考えてもよい。このペンはASUS VivoTab Note 8のスタイラスペン収納スロットには入らないとしてもだ。
結論
結局のところ、ASUS VivoTab Note 8で十分だろうか。メモ取りに関してはイエス。ほかの用途ではノーだ。もしメモ取り専用にするのであれば、このタブレットと同額以下でAndroidタブレットを買うこともできる。例えば、韓国Samsung Electronicsが提供する同様のサイズの「GALAXY Note 8.0」は、優れたメモ用デバイスで、Surface Pro/Pro 2用のペンも使える。
ASUS VivoTab Note 8は、便利なアクセサリデバイスになる可能性もある。ユーザーは、緊急のオフィスワークや、ことによると画像編集にASUS VivoTab Note 8を使うかもしれない。その場合、周辺機器をつなぐためにMicro-USBとフルサイズUSBの変換アダプターが必要になる。これはAmazon.comで5ドル程度で販売されている。
われわれは、「Surface Pro 2は間違いなく最高のフルサイズWindows 8タブレットだ」と繰り返し述べてきた。ただし、最安モデルなら受け入れられるかもしれないが、有力な選択肢となるまでの道のりは遠い。900ドルで売られている限りは。
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