盗難ノートPCの回収サービスが付いたツールも
盗まれたノートPCを奪還する追跡ツール5選
スマートデバイスの普及も何のその、モバイルワークの“主役”はいまだノートPCだ。重要な情報が詰まったノートPCが盗難・紛失に遭ったら、その影響は小さくない。防衛策となる主要な製品/サービス5種を紹介する。
ノートPCの紛失や盗難は日常的に起こっている。だがノートPCを無くす前にノートPC追跡システムを導入しておけば、被害を最小限にとどめることができる。
実用的なノートPC追跡システムには、機密データを保護する機能やノートPCの位置情報を特定する機能が備わる。このような機能を利用することで、代替PC購入のコストだけでなく、データ漏えいに伴う罰金や業務上の損失といったコストを抑制できる。
モバイルデバイス管理(MDM)製品の追跡機能を活用している企業の例もある。だがMDMが無くても、紛失や盗難に遭ったノートPCを追跡することは可能だ。市場にはノートPC追跡システムは数多く出回っている。その中から1つ選んで導入すればよい。本稿では、それぞれ異なる仕組みを備えた、5種のノートPC追跡システムを紹介する。
ツール1: EXO5
| 名称 | EXO5 |
|---|---|
| 対応OS | Windows XP以降、Mac OS X 10.7以降。Android版は2014年5月リリース予定 |
| 価格・料金 | 3年契約プランは年間499ドルで最大25台のノートPCをサポート。以降、1台追加ごとに年間19ドル。100台以上で割引あり |
米EXO5の「EXO5」は、数あるノートPC追跡システムの中でも特に企業向けだろう。オンラインサービスであるEXO5は、Webインタフェースから最大250万台のノートPCを管理できる。
EXO5には、ノートPCの状態に関する最新情報をリアルタイムで確認する機能や地図サービスの「Googleマップ」でノートPCの位置を特定する機能、監査ログなどのデバイス管理データにアクセスする機能がある。加えて、全てのデータ通信をエンドツーエンドのRSA暗号化で保護している。
EXO5の中核となる機能群は「RemoteKill」である。RemoteKillは、リモート暗号化やブートセクタロックに加え、ノートPCが一定時間オフラインになるとEXO5エージェントを自動的に起動する「呼び起こし」機能などをそろえる。
ツール2: FrontDoorSoftware
| 名称 | FrontDoorSoftware |
|---|---|
| 対応OS | Windows XP以降、Mac OS X 10.4~10.8。Mac OS X 10.9、Android、iOSは近日中にサポート。Linuxのサポートも予定 |
| 価格・料金 | Basicエディションは無料だが、追跡機能はない。Deluxeエディションには追跡機能があり、3年間で29.95ドル |
大半のノートPC追跡システムは、バックグラウンドでサイレントに動作する。そのため、ノートPCを収得した“窃盗犯予備軍”に情報は提供されない。だがこの点について、米Front Door Softwareの「Front Door Software」は異端児かもしれない。紛失や盗難に遭ったノートPCを持っている人に、その人の立場をきちんと教えるのだ。
Front Door Softwareで保護されたノートPCを起動すると、本来の所有者への連絡方法を提示するセキュリティ画面を表示する。この画面表示自体は、インターネットに接続されていなくても可能だ。
ノートPCの本来の所有者は、端末に正しい連絡先を表示できるよう、いつでも情報を更新できる。ノートPCの拾得者に所有者情報を確認してもらうために、端末に貼り付けておく説明ラベルのサンプルまで用意されている。
ノートPCを紛失した場合、所有者はノートPCにロックダウン(機能制限)用のコードを送信できる。ノートPCが起動してインターネット接続を確立すると、ロックダウンを実行する。窃盗犯に向けてテキスト形式のメッセージを送信したり、転売を防ぐために「盗難PCです」という警告を送信することも可能である。
ノートPCにインストールするローカルエージェントは、起動時(正確には、インターネット接続を検知したとき)に端末の位置情報を送信できる。ノートPCの所有者がこの機能を使うと、Front Door Softwareを通じてGoogleマップでノートPCを追跡可能だ。
ツール3: GadgetTrak for Laptops
| 名称 | GadgetTrak for Laptops |
|---|---|
| 対応OS | Windows XP/Vista/7、Mac OS X 10.5~10.8。Android 1.6以降またはBlackBerry OS 4.5以降を搭載の端末では「GadgetTrak Mobile Security」が利用可能。iOS 4以降を搭載の端末では「GadgetTrak for iOS」が利用可能 |
| 価格・料金 | 年間19.95ドル |
米GadgetTrakの「GadgetTrak for Laptops」(以下、GadgetTrak)でノートPCを追跡するには、ノートPCが起動してWi-Fiネットワークに接続していることが条件になる。だがひとたび動作すれば、10~20メートルの精度で位置を特定できる。
ノートPCの所有者が紛失した端末の追跡機能をアクティブにすると、その機能を解除するまでノートPCのソフトウェア設定を変更できなくなる。だがGadgetTrakには、リモートでノートPCをロックするなどのデータ保護機能はない。その代わりというわけではないが、Webカメラで定期的に写真を撮影し、位置情報と一緒に送信する機能を用意する。米国内の150種以上の警察機関にオンラインで被害届を提出できる、統合届出機能もある。
ツール4: Absolute LoJack for Laptops
| 名称 | Absolute LoJack for Laptops |
|---|---|
| 対応OS | Windows Vista以降、Mac OS X 10.7以降など。Android 2.3以降を搭載の端末は制限付きでサポート |
| 価格・料金 | Basicエディションは年間14.99ドル。Standardエディションは年間39.99ドル/3年間で89.99ドル。Premiumエディションは年間59.99ドル/3年間で109.99ドル |
カナダAbsolute Softwareの「Absolute LoJack」は、ある理由からノートPC追跡システム業界で確実に人気を集めている。
Absolute LoJackの位置検索サービスでは、紛失や盗難に遭ったノートPCの追跡にGPSやWi-Fi、IPアドレスの位置情報を必要に応じて使う。この点は、この手段のうち1つしか使わない他の多くの製品と異なる。
多くのノートPCメーカーが、Absolute Softwareの常駐エージェントをノートPCのBIOSやファームウェアに組み込んでいる点も特徴的だ。この常駐エージェントにより、OSが起動していなくても、インターネット接続さえあれば端末の追跡が可能となる。
リモートロックが可能で、窃盗犯が機密データにアクセスできないようにできる。ノートPCのロック画面にオリジナルのメッセージを追加できる機能もある。紛失したノートPCにある機密データを完全に消去することも可能だ。
Absolute LoJackには、同社の捜索チームが現地当局と連携し、盗難に遭ったノートPCの回収を支援するサービスも付属している。端末の盗難・紛失国がカナダ、米国、英国、オーストラリアの場合、「PREMIUM」エディションを契約していると、ノートPCが60日以内に見つからなかった場合に最高1000ドルの払い戻しを受けることができる。
ツール5: Prey
| 名称 | Prey |
|---|---|
| 対応OS | Windows XP以降、Mac OS X 10.4以降、Linux(一部を除く)、iOS 4.3以降、Android 2以降 |
| 価格・料金 | Basicエディションは無料。Proエディションは、最大3台の端末が管理できるPersonalが月額5ドル |
米Forkの「Prey」は、オープンソースソフトウェア(OSS)ベースのノートPC追跡システムだ。通常版と「Prey Pro」の2つのエディションがあり、いずれも米Microsoftの「Windows」と米Appleの「Mac OS」の搭載端末をはじめ、各種端末で利用できる。
通常版は無料でありながら、ノートPC追跡システムに期待される機能をほぼ一通り備えている。紛失や盗難に遭ったノートPCの位置情報の特定やリモートロック、保存されているパスワードの消去、音による警告、メッセージの表示が可能だ。Prey Proには、自動インストーラや転送データのSSL暗号化、端末の常時追跡などの機能を追加で備える。
どちらのエディションでも、ノートPCの所有者はWebカメラにアクセスして写真を撮影できる。なお、PreyはOSSベースの製品なので、このような操作をサポートするモジュールを各国や地域の法規制に応じて無効にすることが可能だ。
Preyのエージェントを有効にしたり、紛失した端末に対してタスクを実行するための総合ダッシュボードを、ホスト型Webサービスとして提供する。エージェントは、端末の位置特定にGPSとWi-Fiの位置情報を使用している。つまり、他の位置検索サービスと同様、端末の追跡にはインターネット接続が必須となる。インターネット接続はLAN経由でも構わないが、位置情報の取得にはWi-Fiアクセスポイントを使用する。
さまざまな選択肢があるノートPC追跡システム
上記の5製品はもちろん、本稿で紹介していない機能も多数搭載する。利用する製品を決める前に、各製品を詳しく調べることをお勧めする。
ノートPC追跡システムを評価するときには、まずデータ保護の必要性について考える必要がある。情報が漏えいした場合に発生し得るコストと比べたら、ノートPC自体のコストは安い。仮にノートPC追跡システムを使っても、ノートPCの回収率は一律ではない。
ノートPC追跡システムを実行する場所で適用される法律と、製品機能の使い方についても、検討の必要があることに留意されたい。窃盗犯と思しき人物の写真を撮影、送信する機能がノートPC追跡システムにあっても、この機能の使用が法的に許可されない場合もあり得るからだ。
本稿で紹介した以外のノートPC追跡システムの調査もお勧めする。変化の激しい業界なので、各自で研究するのがよいだろう。とはいえ、先延ばしにしないのが賢明だ。ノートPCを1台紛失しただけで、会社の評判は失墜する可能性がある。ノートPC追跡システムを導入すれば、データ漏えいに対する防衛策が少なくとも1つ増えることは確かだ。
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