【連載コラム】医療ITの現場から
医療現場でiPadが好まれる5つの理由
医療現場での利用が進んでいるiPad。なぜ、それほど人気があるのか。5つの観点からあらためて考えてみる。
米Appleが2010年に「iPad」を発売してから4年。医療現場でiPadを活用したいという要望はますます高まっているように感じます。医療従事者はiPadに何を期待しているのでしょうか。今回は、医療現場で好まれるiPadの魅力をあらためて考えてみましょう。
1. 医師にAppleユーザーが多い
職場で「Windows」などの米Microsoft製品を使っていても、プライベートではApple製品を使用している人も多いでしょう。現在ほどApple製品の普及が進んでいないころから、医師にはApple製品を好んで使用していたといわれています。
このため、私が電子カルテ導入を支援している医師の中には「iOS(Apple製品のOS)で動く電子カルテ」を希望する人がいます。以前は、こうした要望が上がるたびに「電子カルテはビジネスユースなので、電子カルテにiOSを採用していることは少ないようです」と答えていました。この“Apple好き”という医師の嗜好こそが、現在の医療現場でのiPad活用への期待につながる要因の1つだと感じます。
2. 直感的でシャープな操作感
iPadを医療現場で利用したいという医師にインタビューすると、「操作性」への高い評価が真っ先に挙がることが多いようです。普段からApple製品を好んで利用している医師にとっては親しみがあり、Windows端末よりも使いやすいようです。
また、米Googleの「Android」端末やWindows端末と比べ、iPadは1つひとつの動作に「キレがある」という声もあります。ある医師は「わずかコンマ1秒の違いかもしれないが、医療現場では大きな問題となる。命を扱う現場で毎日使うものだからこそ、そのわずかな差が気になる」と話します。医療現場で使われるデバイスの操作性には強いこだわりを持たれる方が多いようです。
3. 価格の手ごろ感
1台5万円前後という価格も、医師にとっては魅力的に映っているようです。この価格設定は「少し高いけど、ちょっと使ってみようか」と思える価格帯であり、その投資が仮に失敗したとしても、それほど痛手はないと考えているようです。
4. デザインの良さ
Apple製品を購入する人の多くが、そのデザインを購入理由の1つに挙げます。iPadや「MacBook」などを小脇に抱えている姿が絵になるというのです。そのため、医療現場でタブレットを使っているシーンを想像して、スタイリッシュな雰囲気を演出できると考えるのかもしれません。
例えば、病院の回診でノートPCを載せたカートをガラガラ押す姿と、白衣からさっそうとiPadを取り出す姿とでは、患者が受ける印象が違うこともあるでしょう。無線通信規格Bluetoothの通信機能を搭載した血圧計や体温計、パルスオキシメーター、バーコードリーダーなどの医療機器と連動させて利用すれば、カートから何本も出ているコードもなくなり、スマート感はさらに増すことでしょう。
5. 利用シーンの可能性
「iPadが発売されたときから、これは医療現場で使えると直感的に思った」。先進的にIT化に取り組んでいる医師とのミーティングの中で何度も聞いた言葉です。大きなモニターのデスクトップPCを前に、キーボードで入力しながら患者とやりとりをする姿が、医療現場では理想的ではないという感覚があったようです。
実際、患者にレントゲン画像などを説明する際も、大きな高精細モニターで画像を見せるのと、患者に手渡ししたタブレットで見せるのとでは、注目度に大きな違いがあるようです。
医療現場でiPadの普及が着実に進み、受付ではiPad対応問診システム、診察室で患者説明用のサブモニター、在宅医療ではカルテの閲覧や記入、多職種間での情報連携など、さまざまなシーンで有効活用されています。
iPadの利用が進む一方で、無線ネットワーク環境のセキュリティに対する不安の声もよく聞きます。
医療現場におけるiPadの活用事例や、医療機関が安心して利用できる無線ネットワークの構築方法について紹介する「医療現場でもっと役立つiPadの活用方法」というイベントを2014年7月26日に東京の京橋で開催します。次回は、そのイベントの様子を紹介したいと思います。
著者紹介
大西大輔(おおにし だいすけ) メディキャスト株式会社 メディプラザ統括マネージャー
2001年一橋大学大学院MBAコース卒業後、同年日本経営入社。2002年に医療機関の“選ぶ”を支援する展示場「メディプラザ」の1号店を東京(神田)に立ち上げ、その後2003年にメディプラザ大阪、2005年にメディプラザ福岡を順次開設。2007年より東京・大阪・福岡の3拠点を統括する統括マネージャーに就任。専門の医療IT分野については、医師会、保険医協会などの公的団体を中心にセミナー講師を多数実施。
【関連サイト】
ITを活用した経営改善・業務効率化が実現できるショールーム「メディプラザ」
医師の右腕を育成する「電子カルテ+クラーク養成講座」
医療機関のための製品導入事例紹介サイト「事例Plaza」
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