Android端末が多くなるとの予測も
iOSの牙城が崩れた!? 医療機関のモバイル活用に変化の兆し
医療分野で最も広く使われている米Appleの「iOS」。しかし、ある調査によると、Android端末やWindows端末の台頭によって同分野のモバイルOS市場にある変化が現れているという。
医療機関では、業務にかかわる重要なアプリケーションの多くをモバイル端末で利用できるようにする取り組みが進み、「どのプラットフォームをサポートするか」の判断がかつてないほど重要になってきている。モバイル医療の動向に関して米TechTargetが実施した最新の調査では、医療分野で最も広く使われているOSは依然として米Appleの「iOS」であることが明らかとなった。ただし、CIOにより多くの決断を迫っているのはその他のモバイルOSのようだ。
病院や医療センター、医療専門家など240の回答者を対象に実施されたこの調査では、iOSが依然としてトップの座を維持していることが明らかとなった。職場で使われているモバイルOSの種類を尋ねたところ、81.7%の回答者が「iOS」を挙げた。iOS以外では、「Android」を挙げた回答者が67.7%、「Windows Mobile」は53.7%、「Blackberry」は32.3%となっている。
また、「モバイルOSをいずれか2つに絞るとすれば、どのOSを選ぶか」との質問には、回答者の74.5%が「iOSを選ぶ」と答えている。2番目に多く選ばれたのは「Android」で49.7%、「Windows Mobile」を選んだ回答者も小差の42.9%だった。「Blackberry」を選んだ回答者は14%にとどまった。
医療機関では依然としてApple製品が人気のようだ。だが、Android端末やWindows Mobile端末の台頭により、医療機関の選択肢は増えてきている。これからBlackberryを選ぼうという人は少ないだろうが、まだここ数年の間に大々的に投資を行い、今もレガシーシステムを使っている医療機関は多くある。つまり、医療機関は広範なモバイルOSをサポートしなければならないということだ。
米シリコンバレーにある病院、El Camino Hospitalの最高情報責任者(CIO)グレッグ・ウォルトン氏は、医師らがさまざまな端末を使いたがるようになると考えている。実際、Apple製品を使っている医師は多いが、同氏は今後、Android端末が他のどの端末よりも多くなると予想している(関連記事:米医療機関でマルチベンダー型システムが敬遠される理由)。
端末やモバイルOSが増えれば、セキュリティについての懸念も高まることになる。今回の調査で、「モバイル端末の統合に伴う問題」の上位2つを選択してもらったところ、回答者の71%以上が「セキュリティの管理」を選んだ。医師が希望の端末をどれでも使えるようにするということは、それぞれのOSについてセキュリティをコントロールし、各ユーザーに最新版のOSへの更新を徹底させる必要があるということだ。
「とりわけAndroid端末はリスクが高いのでは」との懸念も示されている(関連記事:AndroidのマルウェアがiOSよりも多い理由)。AndroidはオープンソースOSであり、ほとんど誰でもGoogle Playストアにアプリを登録できるため、マルウェアに感染するリスクも高まりかねない。だが、ウォルトン氏が勤務するEl Camino Hospitalでは、Android端末をサポートしているという。さまざまなモバイルOSをサポートすれば、医師に力が与えられ、生産性にもプラスに働くからだ。
「リスクは、白黒で判断できるものではない。常にグレーだ。リスクを緩和するには、適切なポリシーや慣行、テクノロジーを用いて、時間の経過とともに適切な措置を講じていく必要がある。われわれは常に、直面する問題のレベルに合わせて順応している。私はAndroidを恐れてはいない」とウォルトン氏は語る。
米ルイジアナの医療センター、Ochsner Health SystemのCIO、クリス・ベルモント氏は、私物端末を職場に持ち込む職員の増加に伴い、さまざまなOSをサポートしなければならなくなっているという。コンシューマー市場の技術は多岐にわたっているからだ。
「端末や端末の種類を追跡するのは諦めた。私物端末かそうでないか、タブレットかスマートフォンかといったことだ。いずれにせよ、そうした区別は実に曖昧になりつつある。だから、われわれはこの状況にどう対処するのが最善かを考えるようにしている」とベルモント氏は語る。
実際、医療機関にはスマートフォンがほぼ浸透しているようだが、医療機関がより重視しているのはタブレットの導入だ。今回の調査では、「モバイル端末の統合における優先事項」として、回答者の81%強が「タブレットのサポート」を挙げている。「スマートフォンのサポート」を挙げた回答者は68.9%だった(関連記事:最も導入・更新したいのは「電子カルテ」、読者調査が示す医療ITの現状)。
「AndroidやiOSはオープンな環境であるため、ある程度のセキュリティリスクは避けられない。セキュリティの点ではBlackberryの方が安全かもしれないが、もはや新たにBlackberryを購入する人はほとんどいないだろうから、Blackberryだけをサポートするという選択は難しいはずだ」とベルモント氏は語る。同氏は引き続き、さまざまな端末を安全かつ確実にサポートする方法を検討していく方針という。
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