「Windows 8.1へのアップグレード」が無難な選択だが……
それでもXPから「Windows 8.1」へ移行したくない人へ贈る“3つの代替策”
既にサポートが終了した「Windows XP」。その移行先として「Windows 8.1」を検討している企業は、移行に踏み切る前に確認すべきことがある。
「Windows XP」を使い続けてきた多くのIT部門の中には、「Windows 7」を飛び越して「Windows 8」、厳密に言えば「Windows 8.1」へ移行しようと考えているところもあるかもしれない。米MicrosoftがWindows XPの公式サポートを終了したことで、移行の決断を迫られている企業もあるだろう。
本稿では、Windows XPからWindows 8.1への移行に際してのベストプラクティスや移行に必要なツール、注意すべき問題を整理する。さらに、Windows 8.1以外の選択肢も検討する。
Windows 8.1の場合も難点はUI
実際にWindows 8.1が備える機能、あるいは欠落している機能はともかくとして、ユーザーインタフェース(UI)がWindows 7と異なっていることが最大の難点だといえるだろう。大抵のユーザーが気付く2つの大きな違いは、スタートメニューがないこと、そしてWindowsキーを押すだけでファイル検索ができるわけではないということだ。
Windows 8.1のスタート画面は非常に“目障りな存在”であり、ユーザーはよく使うプログラムを見つけるのに苦労するかもしれない。これらのプログラムをタスクバーにピン留めしておけば、多少の時間の節約になるだろう。ユーザーがWindows 8.1の新しいスタート画面に違和感を覚えなくなるまでには、平均で約3~4週間かかる。
Windows 7のユーザーは、Windowsキーを押してキーワードを入力するだけで、ファイルやフォルダを検索するのに慣れている。Windows 8.1でもこれらは可能だが、Windows 7以前のスタートメニューと比べると使い勝手が悪い。スタート画面でキーワードを入力すればファイル検索機能が自動で呼び出されるものの、表示される検索結果の数はわずかである。
こうした不便を避けるために、Windows 7スタイルのスタート画面をWindows 8.1で実現できる米Stardockの「Start8」などのツールの導入を検討してもいい。あるいは、ユーザーが新しい環境に慣れるまで待つという手もある。
Windows 8.1ではアップデート手順が変更された結果、エンドユーザーのシステムでのパッチ管理動作の予測が難しくなったことも要注意だ。Windows XPや「Windows Vista」、Windows 7では、アップデート完了時にシステムが自動再起動する設定を、管理者が無効にすることが可能だ。だがWindows 8.1では、アップデート完了時のシステムの再起動を避けることができない場合がある。こうした部分がパッチ管理方針にどのような影響を及ぼすのかを検討する必要もあるだろう。
Windows 8.1への移行で考慮すべきアプリケーションのサポートとパッチ
OSの本格的な移行に際しては、考慮すべき問題が幾つかある。管理者が見過ごしがちなのが、アプリケーションのサポート状況や、アップデートが本当に必要なのかといった問題だ。
既存のアプリケーションやハードウェアが新OSでサポートされているかという問題については、Windows 7で動作するのであれば、Windows 8.1でもまず大丈夫だといえる。つまり、Windows 7での動作が一種の“リトマス試験紙”の役割を果たすということだ。
移行の可否を決める上での判断基準となるのは、特定業務用のハードウェアとアプリケーションがサポートされているかどうかだろう。既に廃業したベンダーが開発していたり、サポートが終了していたりする基幹業務用ソフトウェアをまだ社内で運用している場合も要注意だ。
ほとんどの標準的なWindowsアプリケーションは、Windows 8.1でも問題なく動作する。そのため、標準的でない製品の対応状況を調べることに力を注いだ方がいい。
移行するのであればWindows 8ではなく、一気にWindows 8.1へ進むべきだ。Windows 8.1ではWindows 8と比べ、バグが修正されていたり、使い勝手の面でも改良が加えられていたりする。再アップグレードに伴う追加コストも発生しない。Windows 8.1ではなくWindows 8を選択する理由は、1つもない。
最新のアップデートを適用することも忘れてはならない。サポートや重要なフィックス、セキュリティアップデートなどを入手するにはWindows 8.1のアップデートパッチをインストールする必要がある。
また、ハードウェアを更新しなくても済む場合があることにも注意しよう。意外なことに、既存のハードウェアでWindows 7が何とか十分に動作するのであれば、Windows 8.1も十分に動作する。Windows Vista時代に購入してWindows XPを運用しているマシンもWindows 8.1へのアップグレードの候補になる。
基本的に、2007年以降に購入したマシンであれば、最もローエンドのノーブランドマシンでもない限り、ほとんどのビジネスアプリケーションはWindows 8.1で全く問題なく動作する。
Windows 8.1への移行に代わる選択肢
Windows 8.1への移行が正しい選択ではないという企業もあるだろう。その場合の選択肢は幾つかある。
選択肢1:XPを使い続ける
Windows XPを使い続けるというのがその1つだ。好むと好まざるにかかわらず、社内で使用していてサポートの対象にもなっているアプリケーションの中には、Windows 8.1で利用できないものもあるだろう。ソフトウェアによっては、特定業務用のハードウェアなど、最近のOS向けドライバが存在しないハードウェアを必要とするものもある。このような場合、少なくとも社内のマシンの一部はWindows XPにとどめておく必要があるだろう。Windows XPマシンをインターネットから切り離せば、セキュリティの脆弱性を狙うクラッカーの攻撃に対する部分的な防御にはなる。
選択肢2:Windows 7を導入する
もう1つの選択肢は、Windows 8.1ではなくWindows 7を導入するというものだ。仲間はたくさんいる。多くのITプロフェッショナルは、Windows 7のことを“新しいWindows XP”と呼んでいるのだ。これは「Windows 7は十分に優れており、サポート期間も十分に長いため、現時点でWindows 8.1を検討しなければならない理由はない」という意味である。
Microsoftは「Windows 10」のリリースを急いでいるという見方もある。同社はWindows 8.1が広範に普及していないことを知っているからだ。いずれにせよ、ボリュームライセンスかつソフトウェアアシュアランス(SA)契約を締結しているのであれば、ダウングレード権があるので、いつでもWindows 7を導入できる。
選択肢3:Windows以外へ移行する
Windows以外のOSへ移行するという選択肢もある。「Mac OS」は人気が高まっており、「Microsoft Office」も同OSで十分利用できる。Windows XPから移行する必要があり、新しいハードウェアも必要としている企業であれば、Mac OSを検討する価値がある。一方で、デスクトップLinuxはほとんどの企業にとってまだ現実的な選択肢ではない。
Windowsの移行で後れを取った企業は、Windows 8よりもWindows 8.1の方が全般的に優れていると思うだろう。タッチ機能を重視したユーザーインタフェースは、Windows 7やそれ以前のWindowsバージョンに慣れたユーザーには違和感があるかもしれない。だがMac OSなどの選択肢も存在する。
Windows 10の登場をめぐる話題も盛り上がり始めているが、Windows XPからの移行を検討中のIT部門にとってはWindows 8.1にアップグレードするのが無難な選択かもしれない。そのメリットを確実なものにするには、セキュリティ対策を怠らず、Windows 8.1用のサードパーティーユーティリティに注意を払うことが肝要だ。
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