「Palm Pilot」時代の遺産ではない
徹底レビュー:主要タブレット対応のスタイラスペン選び決定版
「iPad」「Nexus 9」「GALAXY Note」「Surface Pro」など、ビジネスで使えるタブレットに最適なスタイラスとは? 用途に合わせたてさまざまなスタイラスをレビューする。
米Appleの「iPad」、米Googleの「Nexus 9」、韓国Samsung Electronicsの「GALAXY Note」シリーズ、米Microsoftの「Surface Pro」などのタブレットは、仕事とプライベートの両方で非常に役立つモバイルツールだ。どのタブレットでも、基本的なタスクは問題なく行える。あなたが筋金入りのAppleファンまたはAndroidユーザーでも、外出先で予定表を確認したいビジネスユーザーまたは外出先で映画を見たいカジュアルユーザーでも、最新のベストセラーを読みたいだけという場合でも関係ない。
だが、頭の中にある図を伴う情報を形にしたい場合はスタイラスが必要になるだろう。例えば、絵を描いたり、最近の戦略会議で行ったマインドマッピングを書き出したりする場合などだ。このような用途に使える便利なスタイラスは入手可能だが、それぞれに固有の機能と欠点がある。そのため、スタイラスを購入する前に、ご自身のニーズを把握することが重要になる。
なぜスタイラスを使うのか
タブレットの主な特長は持ち運びやすさだ。そのため、タブレットに周辺機器を追加するという考えは一見奇妙に見えるかもしれない。1990年代後半に販売されていた「Palm Pilot」時代の遺産と見なして、スタイラスを使用するというアイデアを却下する前に、スタイラスによってタブレットの総合的な操作がどれほど向上するか考えてみて欲しい。例えば、タブレットを長時間操作する場合だ。スタイラスを使用すると、画面を絶えず指で操作するよりもずっと快適だろう。また、画面が指紋で汚くなることも回避できる。
スタイラスでは細かいところまで制御できる。これは、アーティスト、デザイナー、スケッチをする人にとっては重要なポイントだ。また、芸術的なセンスは問われないだろうが、落書きをする場合にも役立つだろう。アプリは基本的に指でも問題なく操作できる。大きなボタンと使いやすいユーザーインタフェースが用意されている。だが、全ての点においてパーフェクトというわけではない。そのため、文字入力にはBluetoothで接続するキーボードが支持されている。ほとんどのアーティストはフィンガーペイントを使用しないだろう。この状況を逆手にとって、指だけでデジタル作品を作成してみてはいかがだろうか。
KiwiPixelの「Inspire Pro Free」(無料)、ポーランドSylwester Losの「ArtStudio」(500円税込)、豪Savage Interactiveの「ProCreate」(600円税込)、米Autodesk「SketchBook Pro」(Amazonアプリストアで523円税込)などのアプリを使うと、驚くほど素晴らしい作品を生み出すことができる。だが、これらは数あるアプリの数例にすぎない。まずまずの機能を備えたお絵かきアプリであれば、さまざまなツールが用意されている。例えば、ペン、鉛筆、チョークなどだ。また、線の太さも選べるだろう。だが、タブレットでスタイラスを使用すると、より自然な形で文字や絵を描いて、かなり細かい部分を制御できるようになる。
学生であれば、講義などの内容についてメモを取る必要がある。標準のテキスト形式よりも柔軟な形式の方がよいだろう。例えば、Microsoftの「Windows」搭載タブレット対応の「Microsoft OneNote」(無料)、Viet Tranの「Notes Plus」(1000円税込)、米Ginger Labsの「Notability」(300円税込)を使用すると、絵、表、グラフ、図を手書きメモに追加できる。文字情報だけでなく、講義で得た全ての情報を書き記すことが可能だ。このようなアプリには、線を滑らかにしたり、図形を挿入したりする機能が用意されている。スタイラスを使用すると、講義でメモが取りやすくなり、後でテスト勉強のために見返すときにも読みやすいだろう。スタイラスを使って描いた絵は、指で描いたものよりも滑らかで正確だからだ。
制限とデバイスに関する考慮事項
スタイラスを使うと決めたら、今度はニーズに合ったタブレットを選ぶ必要がある。もちろん、まだタブレットを持っていない場合に限った話だが。
iPadは秀逸なタブレットだ。だが、iPad対応のすてきなスタイラスが欲しい場合は、高額な出費を覚悟しなければならないだろう。
アイルランドJust Mobileの「AluPen Digital」(49.95ドル)は手ごろな価格で購入できるスタイラスの1つだ。標準的なボールペンのように細いペン先が採用されている。だが、本体部分は単四電池を格納できるようにボールペンより太くなっている。デザインはよく考えられている。ペン先は本体に隠れるようになっており、自動オフの機能も搭載されている。米TechTarget編集部では非常に好評だった。
だが、このスタイラスは筆圧を感知しないことに留意されたい。筆圧を感知するスタイラスでは、画面を押す力に強弱を付けるだけで線の太さを変えることができる。
米Ten One Designの「Pogo Connect」(80ドル)は筆圧を感知するスタイラスの一例だ。Bluetooth 4.0対応の周辺機器で、第3世代と第4世代のiPadおよび「iPad mini」をサポートしている。ただし、最新モデルであっても「iPad Air」との互換性はない。よく考えられた作りになっており、単四電池1本で数カ月動作することが保証されている。現時点では、Pogo Connectの筆圧感知の機能に対応しているアプリは限られている。だが、切り替え可能なペン先が5種類用意されている点は、スケッチする人やアーティストにとって魅力的だろう。各ペン先の幅やスタイルは異なり、そのうち2つは筆の形をしている。
米Adonitの「Adonit Jot Touch」(99ドル)は他のスタイラスよりも高額だが、幾つかの優れた機能が搭載されている。最大の特長は充電可能なバッテリーと巧妙なデザインのUSBドックだ。重役の机の上にある旧式ペンスタンドと同じような形でスタイラスを支える。また、Jot Touch対応アプリのショートカットを登録できるボタンが2つある。Pogo Connectと同様、Jot Touchは、このスタイラスに対応しているアプリでしか使用できない。幾つか例を紹介しよう。アーティスト向けのアプリは、米TopHatchの「Concepts」、米Adobeの「Illustrator Line」と「Photoshop Sketch」、ピー・ソフトハウスの「Zen Brush」。メモを取りたい人向けのアプリはTime Base Technologyの「GoodNotes 4」、シンガポールFluid Touchの「Noteshelf」、米Evernoteの「Penultimate」だ。
さらに高性能なものが必要な場合はAdobeの「Ink & Slide」(2万2800円税込)が検討候補になるだろう。このスタイラスは、インターネット経由で「Adobe Creative Cloud」と連係し、デジタル定規にも対応している。価格は安くないが、アーティストとデザイナーが満足できる非常に強力なツールだ。線の太さはもちろん選べる。基礎レベルからの脱却をサポートする各種機能が用意されている。例えば、セット販売されている「スタンプパック」とデジタル定規「Slide」だ。
今度は、Android対応モデルを見てみよう。AluPen Digitalなどの静電容量方式のスタイラスはAndroid搭載デバイスで機能する。だが、最初から描画操作に対応した設計になっているデバイスをお望みの場合はSamsung Electronicsの「GALAXY Note Pro 12.2」がお勧めだ。持ち運びやすさに関しては、他の小型のタブレットに劣る。だが、筆圧を感知する大型のディスプレーは芸術的な創作活動にうってつけだ。また、「Sペン」とSペン対応の専用アプリが同梱されている。例えば、「ポップアップノート」だ。本体からSペンを取り出すと、このアプリが自動で起動する。Sペンには便利な機能が用意されている。「クイックコマンド」はその一例だ。この機能を使用すると、手書き認証機能を使用して、アプリの起動方法をカスタマイズできる。それほど多くの文字入力が必要でない場合は、キーボードの代替として重宝するだろう。1つ難点を挙げるとすれば、Sペン対応の専用アプリがタッチ操作用に最適化されていないことだ。そのため、GALAXY Note Pro 12.2を指だけで操作するのは得策ではない。
Windows搭載のタブレットを使用する場合の有力な選択肢は、Microsoftの「Surface Pro 3」と台湾ASUSの「VivoTab Note 8」だろう。Surface Pro 3には「N-trig」ペンが新たに搭載されることになった。N-trigペンにはボタンが2つあり、以前のモデルよりも書き心地と精度が向上している。一方、VivoTab Note 8にはワコムのスタイラスが搭載されている。スタイラスは本体に格納されている。そのためSurface Pro 3のようにクリップでとめるタイプのものより、スタイラスを紛失する可能性は低いだろう。ViviTab Note 8はかなり小型のタブレットだ。片手でも簡単にメモが取れるので、座る場所やタブレットを置くためのテーブルを探す必要はない。
結論
タブレットは持ち運びやすく、さまざまな用途に適した優秀なデバイスだ。どんなタスクにも対応できるため、あっという間に普及した。その勢いはノートPCを凌ぐ。スタイラスを使用すると、プライベート用の便利なデバイスが、仕事用のデバイスとしても使えるようになる。
スタンドアロンまたはケースに統合されているものなど、タブレットで何かしらのキーボードを使うことを検討したことがある人は少なくないだろう。スタイラスは新しいタブレットの購入を検討するときに最初に思い浮かぶ付属品ではないかもしれない。だが、スタイラスを使用すると大きな追加機能を手に入れることができる。どのスタイラスを選んだ場合でも普遍的なことがある。それは何かを描画したり、メモを取ったりするときの精度、機能、快適さが指に勝ることだ。iPadで使用するペン先がゴム製の安価でシンプルなスタイラスを選んでも、GALAXY Note Pro 12.2やSurface Pro 3のように複数の機能を搭載した筆圧を感知するスタイラスが付属しているタブレットを選んでも、小型のVivoTab Note 8を選んだ場合も同様である。
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