企業導入など今後の動向にも注目
5分で分かる「Android for Work」、ビジネス仕様のAndroid端末を作るには
「Android for Work」は、Android端末の業務利用を支援する米Google主導の取り組みである。Androidをビジネス仕様にする各種機能やサービスが用意されている。その主な機能や特徴を紹介する。
米GoogleのモバイルOS「Android」は、エンタープライズ市場でこれまであまり受け入れられてこなかった。だが、その状況は変わりつつある。Googleが「Android for Work」プログラムを開始したことで、セキュリティや管理の面でエンタープライズモバイル管理(EMM)製品との連係が強化されるからだ。
Android for Workは、私物端末向けの仕事用プロファイル設定やIT部門向けの管理・セキュリティ機能など、一連のサービスと技術コンポーネントで構成されている。実際の製品とサービスはEMMベンダーが提供する。米VMware傘下の米AirWatch、米Citrix Systems、米IBM傘下の米Fiberlink Communications、米MobileIron、カナダBlackBerry、ドイツSAPなどが既にGoogleのパートナーとなっている。
本稿では、Android for Workの主な機能を紹介する。なお、「Android 5.0 Lollipop」(以下、Lollipop)の利用を前提としている。
ネイティブな業務用アプリ
スマートフォンやタブレットを業務で利用する場合、単一の端末で業務用と個人用のアプリとデータを切り離したいはずだ。Androidの最新版であるLollipopでは、端末の業務利用を支援する機能が組み込まれているのである。
IT部門は端末のプロファイルを設定することで、EMMコンソールからアプリを管理、展開することができる。コンテナ技術によってサンドボックス化されたセキュアな領域を作ることで、業務用アプリを隔離することが可能になる。アプリの見た目にほとんど違いはないが、Android for Workによって保護されていることを示すバッジが付与されている。
仕事用プロファイルの実装
Lollipopを搭載する端末であれば、仕事用プロファイルを設定することができる。Ice Cream Sandwich)~Android 4.4(KitKat)の古いバージョン向けには、「Android for Workアプリ」が用意されている。「Google Play for Work」は社内向けアプリの展開、管理を容易にする専用アプリストアだ。Lollipop対応のスマートフォンには「Samsung GALAXY Note4/Note3」「GALAXY S4」「HTC One」「LG G3」などがある。
仕事用プロファイルの実装は、IT部門がEMMコンソールを使って行う。ユーザーはDevice Policy Clientを使って、デバイスの暗号化とパスコードの設定、Googleアカウント情報をセットアップする。これにより仕事用プロファイルにひも付けられたアプリケーションを利用できるようになる。
生産性機能
Android for Workには、社外業務を効率化する機能も盛り込まれている。例えば、Lollipopを搭載した端末であれば、個人メールと同じ流れの中で会社メールを閲覧することができる。添付ファイルとリンクの使用を制限することもできる。モバイル端末で編集した添付ファイルのドキュメントをGoogle Driveや承認されたクラウドストレージサービスに保存しておけば、社内の端末からそのファイルにアクセスすることが可能だ。その全ての作業を暗号化された安全な環境で行える。
Android for Workのパッケージには、「Chrome」ブラウザ、「Google Slides」「Google Docs」「Google Sheets」をはじめとした生産性アプリが組み込まれている。これらのアプリの利用に後ろ向きな企業は多い。その理由は主に、米Microsoftの大規模なビジネス生産性基盤が導入されているためだ。だが、Android for Workによってアプリの利用準備が整ってきたことを考えると、より多くの組織での導入が進むのかどうか今後の展開に目が離せない。
モバイルの利用が進むにつれて、エンタープライズITにおいても複雑で煩雑なツールから生産性の高いツールへと移行していくことが非常に重要だ。
リモートワイプ
大半の従業員は、組織がプライベートの情報にアクセスしないと信じている。だが、BYOD(私物端末の業務利用)を導入する最大の懸念事項は、IT部門によって個人の端末が強制的に管理、監視されないかという点である。Android for Workを利用すれば、個人と業務のデータを分離することができるため、IT部門は必要に応じて、業務用のデータだけを削除することができる。
アプリのアップデート
Android for Workでは、エンドユーザーの操作や作業を必要とせずに、IT部門がアプリの展開と削除を行える。IT部門が業務アプリに変更を加えたとしても、ユーザーがその通知に気が付かない場合がある。そのため、IT部門が更新作業を直接実行できるのは、素晴らしい選択肢である。デバイスやアプリの更新はIT管理者が実施し、ユーザーは後から通知を受け取るだけだ。
Android for Workの企業導入については、今後の動向に注目だ。既に導入を検討している場合は、ホワイトペーパーを探してみることをお勧めする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー