失敗経験を語れないところは“地雷”の可能性
AWS専門SIerを選ぶ3つの視点、技術者の質をどう見極める?
AWSのスキルを持っている人が社内にいない場合は、新規クラウドプロジェクトを外部委託することをお勧めする。ただし、委託先企業の質がプロジェクトの成否を分ける可能性があることに留意されたい。
米Amazon Web Services(Amazon)の「Amazon Web Services」(AWS)の実装を計画しているが、社内にAWSのスキルを持った人材がいないという状況は珍しくない。AWSの人気が高まるにつれ、AWS認定のアーキテクト、開発者、管理者の数は、需要に追い付かなくなっている。多くの企業は、こうしたスキルを獲得するために、AWSプロフェッショナルサービスパートナーを利用している。
ただし、全てのAWSプロフェッショナルサービスパートナーが同じわけではない。規模の大小に関係なく、適切なパートナーを選択することが、最初または2つ目のAWSプロジェクトの成否を左右する可能性がある。では、パートナーはどのように選定したら良いのだろうか。本稿では、パートナーの選定に役立つ幾つかの手順を紹介する。
1.パートナー企業の従業員数を確認する
AWSの認定資格を保有しているパートナー企業の従業員数を検討する。認定資格によって高品質なサービスが保証されるわけではないが、そのパートナーが従業員のスキルと専門知識に投資していることが分かるだろう。
どのような規模であっても、パートナーはAWSの認定資格を保有する従業員の数と認定資格の種類を提示できるはずだ。それは、Amazonがパートナーになる企業に対して一定レベルの認定資格を要求しているからだ。
2.パートナーが実施したプロジェクトの数を確認する
AWSのスキルを保有する従業員数に基づき、パートナーが実施したプロジェクトの数を特定されたい。この数は簡単な計算で求めることができる。
パートナー1:認定資格を保有する従業員100人、完了したプロジェクト10件
パートナー2:認定資格を保有する従業員10人、完了したプロジェクト12件
複雑さや期間はプロジェクトによって異なる。だが、認定資格を保有する技術者が少ない中で完了したプロジェクト数を考えると、パートナー2の方が適切な選択肢といえる。このパートナーの方が、あなたの会社に応用できる関連性と価値の高いAWSに関する経験を持っている可能性は高い。
一般的に規模の大きな会社ほど専門性は低い。従業員として抱える技術者に給与を支払えるだけの仕事を確保するには、AWSだけでなくAWS以外のプロジェクトも引き受ける必要があるからだ。規模の小さな会社は、AWSのみに集中することが可能だ。そのため、このような会社には適切な経験があり、プロジェクトに応用可能な適切なスキルを持ち合わせていないリスクは低くなる。
3.パートナーの能力を詳細に調査、分析する
パートナーの規模に関係なく、何らかのデューディリジェンスを実施されたい。つまり、参考資料を確認し、AWSプロジェクトを推進するパートナーの能力について掘り下げた質問を行うことだ。探しているのは既存従業員の補強要員ではなく、プロジェクトを一任するパートナーだ。これには、支払いにひも付けられた細かい納期を守ることも含まれる。
答えにくい質問でも遠慮することはない。過去のクライアントや既存のクライアント、そしてAWS担当者に話を聞くことだ。それから、AWSの認定資格を保有している技術者と話ができるようパートナーに依頼されたい。主な検討基準は、そのパートナーが従事したプロジェクトの数と複雑さである。
失敗を認めていることも重要なデータになる。優れたAWSコンサルタントほど、どこかで失敗しているものだ。重要なのは、失敗を認めて、失敗の原因を把握していることである。失敗した経験がないと主張するパートナーは、誠実さに欠けているか、求めている経験がないかのどちらかだ。
AWSのスキルを備えたプロフェッショナルサービスパートナーは、今後数年間で重要な存在になり、多くの企業がクラウドコンピューティングで成功する一端を担うようになるだろう。だが、最終的にクラウド目標の達成に役立つのは、パートナーの規模ではなく、そのパートナーに所属する人材の質と経験だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
7
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
8
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
9
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
10
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー