世界で今なお150万本が残留か
10秒で侵入される――ついにサポート終了、「Windows Server 2003」継続利用したらどうなる?(1/2 ページ)
「Windows Server 2003」のサポート期限が終了したにもかかわらず、いまだに多くの組織がリスク回避のために必要なアップグレードやセキュリティ対策を行っていない。
「Windows Server 2003」の延長サポートが終了した。今後も同サーバOSを使い続けることで、企業はさまざまなリスクを増大させる恐れがある。Windows Server 2003のメインストリームサポートが終了した2010年7月以降、セキュリティ以外の更新プログラムの提供は打ち切られていた。延長サポートの終了は必然であり事前に分かっていたことだった。しかしながら、多くの企業ではまだ、リスク回避に必要なアップグレードを完了していない。
関連記事
Windows Server 2003からの移行を考える
- 企業に残る「Windows Server 2003」は300万台 サポート終了で真っ先にやるべきことは?
- サポート終了目前、「Windows Server 2003」の継続利用は“初めから負けると決まった賭け”
Windows Server 2003移行のポイント
次期Windows Serverの実力は?
Windows XPサポート切れの教訓
現在もWindows Server 2003を稼働するシステムや組織の数は正確には分かっていない。最近の調査を見ると、安心とはいえないものの、少なくとも正しい方向に向かっていることは分かる。エンドポイントセキュリティ企業の米Bit9が2015年3月に実施した調査では、2015年7月14日(米国時間)のサポート終了後もWindows Server 2003を使い続けると回答した企業は30%だった。だがさらに大きな問題は、回答者の57%がサポートの終了日を知らなかったことだ。
カナダのSoftchoiceが6月、企業200社で稼働するサーバおよそ9万台を対象に実施した調査では、その21%に依然としてWindows Server 2003が搭載されていた。これは前年に比べると11ポイントの減少である。
データセンターアナリティクス企業の米CloudPhysicsの調査でも同様に、サーバの18%にまだWindows Server 2003が搭載されていることが分かった。ただしこうした数字から何が推定されるのか、全体としてどのような意味があるのかははっきりしない。2015年5月の米IDCの推計では、ライセンスを受けてインストールされたWindows Server 2003が今もなお世界で150万本も存在する。
アナリストはこの数字について、組織当たりが保有するWindows Server 2003マシンの台数はごく少数にとどまり、大量に運用している企業は極めて少ないと見る。米Trustwaveの脅威インテリジェンスマネジャーであるカール・シグラー氏によれば、Microsoftがスポンサーとなって米Spiceworksが実施した最近の調査では、61%の企業はネットワーク上にまだ少なくとも1台のWindows Server 2003マシンがあることが分かった。
ただ、サポート期限切れに伴うリスクがあるのは事実だが、7月15日以降すぐに組織が危険にさらされるわけではない、とシグラー氏は言う。
「Windows Server 2003を使っていて、何らかの理由で移行できないとしても直ちに影響が出るわけではない。事態は徐々に進行し、今後、重要なセキュリティ修正がリリースされていくに従い、セキュリティの溝はどんどん大きくなる」(同氏)
シグラー氏が最も危惧する事態は、Windows Server 2003システムをセットアップした管理者が既に退職していて、ネットワーク上に同システムがあることを現在の管理者が知らない場合だ。
「脆弱性スキャンで最初にすべきことの1つは、そうしたシステムを調べることだ。何があるかを知ることは、持っているものを守るための第1歩になる。組織は月に1回、または四半期に1回の脆弱性スキャンとリスク評価に着手しなければならない」と同氏は言う。
管理者がネットワーク上のサポート期限切れマシンにまつわるリスク状況を把握すれば、アップグレードやクラウドへの移行、マシンの隔離など、リスクを回避するための対策は幾つもある。だがそれぞれのマシンのセキュリティ対策には時間を要する。
「まずダウンタイムに備えたテストを行って計画を立てれば、実際のアップグレードプロセスに必要な期間をはっきり推定できる。1~2日で済むかもしれないし、複雑さの度合いによっては何週間も擁することもある。必要な時間は少なく見積もりがちだが、一般的にはマシン1台につき1カ月弱の時間が必要だ」(同氏)
サポート期限切れのシステムは、たとえコストが掛かってもアップグレードか、セキュリティ対策が必要だと専門家は指摘する。米Intelのセキュリティ部門であるIntel Securityでデータセンターセキュリティディレクターを務めるJK・ライエリアス氏は、企業がシステムのアップグレードを遅らせているのは、コンプライアンス順守のために新たな監査が必要になるためかもしれないと見る。
「新しい環境にアップグレードして、コンプライアンス規制の対象になると、書類の作成をもう一度やり直さなければならなくなる。ハードウェアへの投資だけでなく、アプリケーションを32ビットから64ビット環境へアップグレードするためのコストも必要だ。従ってアップグレードや移行のコストはケースバイケースで異なる」(ライエリアス氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー