SMBが検討すべきWindows Server 2003移行のポイント【第2回】
「Windows Server 2003」移行は誰が、いつ、何をすべきか
「Windows Server 2003」からのサーバ移行を考える際、全ての移行作業を自社で行う場合や一部を外部委託する場合など、さまざまなケースがある。果たして、どのタイミングで誰が何を担うべきなのだろうか。
前回(「Windows Server 2003」移行であらためて考えたい“サーバ仮想化”)では、「Windows Server 2003」からの移行に際し、サーバ仮想化の活用を検討することのメリットについて解説した。だが、そうした高度なサーバ移行の計画立案や実作業の全てを中堅・中小企業が自ら担うことは難しいかもしれない。必要に応じてITの専門家である販社/システムインテグレーター(SIer)の力を借りるのが確実といえるだろう。
そこで今回は、Windows Server 2003からの移行において、「どのタイミングで誰が何を担うべきか?」について考えていくことにする。
これまでの連載
2014年後半は「移行作業の段取りに問題がないか」を見直す良いタイミング
Windows Server 2003からの移行に限らず、ITの導入や管理/運用では「スケジュール」が非常に重要だ。以下のグラフは年商5億円以上100億円未満の中堅・中小企業に対して、「Windows Server 2003からの移行作業を開始する時期」を尋ねた結果である。ここでの「移行作業の開始」とは計画立案や予算確保ではなく、新しいサーバの導入や既存データの移動といった具体的な移行作業を開始する時期を指す。
「既に作業を開始している」という回答が42.5%と最も多く、2015年7月のサポート終了に向けて既に実作業に着手している中堅・中小企業が半数弱を占めていることが分かる。サーバの場合にはトラブルが発生すれば業務全体が停止する恐れもあるため、十分な時間をかけて取り組む必要がある。そのため、「Windows XP」のサポート終了時と比べても早い段階で移行作業に着手する割合が高い状況になっているといえるだろう。次に多く挙げられているのは「2014年10月~2014年12月の間」(19.8%)である。まさに本連載の掲載時期に移行作業に着手しようとする中堅・中小企業も2割程度存在しているわけだ。2014年の後半から年末にかけては「移行作業の段取りに問題はないか?」をあらためて見直すためのちょうど良いタイミングといえるだろう。
「販社/SIerに全てお任せ」という状態にしないことが大切
冒頭でも述べたように、ITの導入や管理/運用では必要に応じてITの専門家である販社/SIerの力を借りるのが確実だ。では、Windows Server 2003からの移行に際して、販社/SIerからの支援を受けている中堅・中小企業はどれくらい存在するのだろうか? 以下のグラフは年商5億円以上100億円未満の中堅・中小企業に対し、「Windows Server 2003から移行する際の実施体制」を尋ねた結果である。選択肢の中の「計画立案」とはサーバ移行の計画を立てるプロセス、「実作業」とは実際のシステムの入れ替えを行うプロセスを指す。また、「自社」は社内の人員のみでカバーする場合を指し、「委託」は販社/SIerから支援を受ける場合を指している。
「計画立案:自社、実作業:自社」という回答が36.8%と最も多く挙げられていることが分かる。Windows Server 2003からの移行は一般的には「現状と同じ業務システム環境を新しいOSの上で再現するための取り組み」となり、大幅な売上増、業務改善、コスト削減などが期待できるわけではない。そのため費用が発生する外部への委託は避けて、できる限り社内人員でカバーしようと考えるのが当然といえるだろう。確かに、こうしたコスト重視の考え方も1つの選択肢ではある。だが、第1回でも述べたようにWindows Server 2003からの移行はサーバ環境の改善に取り組むための絶好の機会でもある。そして、既に多くの中堅・中小企業がWindows Server 2003からの移行と同時にサーバ仮想化の活用に踏み出している。
ここで「Windows Server 2003からの移行と同時にサーバ仮想化に取り組む企業に対しては販社/SIerが相当な支援を行っているのではないか?」と考える人も少なくないだろう。そこでご覧いただきたいのが以下のグラフである。先ほどの「Windows Server 2003から移行する際の実施体制」のデータを「移行と同時にサーバ仮想化を適用するかどうか?」を尋ねた結果に応じて集計したものだ。
「仮想化なし」と「仮想化あり」を比べると、「計画立案:委託、実作業:委託」や「計画立案:自社と委託の混在、実作業:委託」の回答割合は「仮想化なし」の方が高い一方で、「計画立案:自社と委託の混在、実作業:自社と委託の混在」の回答割合は「仮想化あり」の方が高くなっている。
「サーバ仮想化は難しいので、販社/SIerに実作業を全て委託するケースが多いのでは?」と考えるのが普通だろう。だが、実際はむしろ逆であり、サーバ仮想化に取り組む中堅・中小企業はそうではない場合と比べ、実作業についても販社/SIerの力を借りながら自ら取り組む(自社と委託の混在)割合が高くなっているのだ。第1回でも触れたように、サーバ仮想化環境は一度構築して終わりというわけではない。新たに試験導入が必要になった時には、既存システムが稼働するサーバ上に試験環境を一時的に共存させるなど、中長期的な視点に立ってメリットを享受することが大切だ。そのためにはサーバ仮想化が加わった新たなサーバ環境を中堅・中小企業も自ら十分理解しておく必要がある。そして、上記のグラフが示すように、そういった取り組みを実践している中堅・中小企業が既に存在しているわけだ。
Windows Server 2003からの移行を単なる負担だけに終わらせないためには、サーバ仮想化の活用に代表される新たな取り組みを並行して進めることが有効だ。だが、その際には販社/SIerに全てを任せてしまうのではなく、中堅・中小企業も一緒に携わることで今後に向けたノウハウを蓄積することが非常に大切といえるだろう。
次回はWindows Server 2003からの移行と一緒に進めておくべき業務システム関連の取り組みについて考えていくことにする。
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SMBが検討すべきWindows Server 2003移行のポイント
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