Windows Server 2003のサポート終了まで1年を切り、HPは、顧客を新しいMicrosoft OS、ITインフラ、HPのサポートへ移行させようとパートナーを通じて後押ししている。
「Windows Server 2003」からの顧客の移行は世界で100億ドルのビジネスチャンスをもたらすといわれている。そのチャンスをつかもうと、米Hewlett-Packard(HP)と米Microsoftは、同OSのサポート終了をちょうど1年後に控えた2014年7月14日(米国時間)、Microsoftのパートナー向け年次カンファレンス「Microsoft Worldwide Partner Conference 2014」において、パートナーの結集を目指した新しい共同プログラム「HP Microsoft Windows Server 2003 Migration Program」を発表した。
HPとMicrosoftによると、Windows Server 2003が稼働しているサーバは1100万台以上あるという。Microsoftは、移行が必要なライセンス数は2200万以上と報告している。
「調査したところ、このOSのサポート終了まであと1年しかないのに、顧客の6割は移行計画を立てていないことが分かった」と、HPのチャネルパートナー、アライアンス、OEMマーケティング担当副社長、ダグ・オースアウト氏は語った。
そこにパートナーのビジネスチャンスがある。
このプログラム(HP Microsoft Windows Server 2003 Migration Program)は、パートナーが顧客を新しいMicrosoft OS、サーバ、ストレージ、ネットワークとHPのサポートおよび金融サービスのパッケージに移行させる取り組みを支援するように設計されている。同プログラムは発表と同時に開始されている。
「われわれにとって、市場への主なルートはチャネルだ。このプログラムでは、顧客が安全、迅速、効率的に、『Windows Server 2012 R2』のような新しいOSに移行するお手伝いをしていく」と、HPのサーバ部門グローバルマーケティング担当副社長を務めるジム・ガンシア氏は語った。
移行には平均して200日程度かかるため、顧客とパートナーは今から着手すべきだと、HPは述べている。Windows Server 2003のサポート終了前に同OSから移行しなかった企業は、政府規制に反するアプリケーションを使用するリスクを負う。政府規制はヘルスケア企業や金融サービス企業にとってとりわけ重要だ。また、サポートの終了でセキュリティ更新プログラムやパッチがリリースされなくなると、システムがハッカーの攻撃に対して無防備になってしまう。
「OSをアップデートした顧客はパフォーマンスの向上や、ビジネス部門のマネジャーが望むような業績達成を期待できる」とガンシア氏は説明した。
HPは、パートナーはこの新しいビジネスチャンスをつかむ準備がどれだけできているかについて触れ、「必要なサービス提供能力を持っているパートナーは全体の6割にとどまる」との見方を示した。だが同社は、Microsoftと共同で開発した新しいツールセットをパートナーに提供していく。
「この新ツールによってパートナーは顧客のために簡易な現状評価を行うことができ、それが移行のきっかけになる」とガンシア氏は語った。
「われわれはMicrosoftとの協力によってノウハウの粋を結集してパッケージ化し、パートナーが業界のベストプラクティスに基づく評価方法を学べるようにしている」(同氏)
HP Microsoft Windows Server 2003 Migration Programには、以下が含まれる。
また、HPとMicrosoftは、新プログラムで販売やマーケティングのリソースも提供していく。その中には、パートナーがWindows Server 2003環境のリプレースを行う際に実施される、Windows ServerとMicrosoft OSのライセンスの組み合わせに関する特別プロモーション、有利な奨励金制度を盛り込んだ「HP Financial Services」、販売支援やトレーニングのリソース、「Windows 2003 End-of-Support Event Kit」、共同マーケティング資産などが含まれる。
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