2015年1月、Windows Server 2008のメインストリームサポートが終了する。Windows Server 2003の延長サポートも2015年7月には打ち切られる。Windows Server 2012への移行も、いよいよ秒読みが始まった。
Windows Server 2012には300を超える新機能や技術が詰め込まれている。だが、こうした大量の機能が、Windows Server 2012への早期移行を促す好材料になるとは必ずしもいえないようだ。デモを見てその気になり、真剣に評価を始める企業もあれば、まだWindows Server 2008 R2へのアップグレード途中で、Windows Server 2012は視野にすら入っていない企業もある。
米国の大手銀行で上級システム管理者を務めるユージーン・リー氏は、「Windows Server 2012は興味深い製品だが、移行するとなれば幾つかの検討材料が生じる」として、慎重な姿勢を見せる。Windows Server 2012は仮想化、クラウド環境に対応する多様な機能を持つため、「移行後のシステム要件だけでなく、仮想化やクラウドの活用についても検討することになる」ためだ。リー氏はそうした手間を挙げて「当面はWindows Server 2008を使い続けるつもりだ」と話す。
一方で、「Windows Server 2012には、旧バージョンのWindows Serverからデータやアプリケーションを問題なく移行できる」と見るアナリストもいる。米IDCのシステムソフトウェア担当プログラム副社長、アル・ギレン氏は、「Windows Server 2012への移行で一番良い方法はハイパーバイザーの機能を利用することだ。Hyper-V 3.0と新たに搭載された豊富なストレージ機能を利用すれば、Windows Server 2003で使っていたアプリケーションも問題なく移行できる。移行に掛かるコストや時間も節約できるはずだ」と評価する。
「社内のステージングサーバにWindows Server 2012をハイパーバイザーとして導入すれば大きなメリットが得られる。導入プロセスも複雑ではない」と、同様の見方を示す企業のIT管理者も少なくない。会計事務所、米Tamiyasu, Smith, Horn & Braunの公認会計士で、Microsoft MVP(Most Valuable Professional)アワード受賞者でもあるスーザン・ブラッドリー氏も、肯定的な見解を持つユーザーの1人だ。同氏は事務所での導入経験を次のように話す。
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