国際モダンホスピタルショウ2015に見る
医療・ヘルスケア分野で活況化するウェアラブル端末の最前線(1/2 ページ)
2015年7月15日から17日までの3日間、東京ビッグサイトで「国際モダンホスピタルショウ2015」が開催された。本稿では、ウェアラブル端末に関する出展ブースの内容を紹介する。
「健康・医療・福祉の新時代へ ~連携と地域包括ケアの充実を目指して~」をテーマに掲げた国際モダンホスピタルショウ2015(以下、ホスピタルショウ)。今回の出展企業数は356社、総来場者数は8万2149人となった。前回より来場者が889人増え、医療IT分野への関心の高まりがうかがえた。
展示会場は「看護・介護・リハビリゾーン」「医療機器、環境設備ゾーン」「健診・ヘルスケアゾーン」「医療情報システムゾーン」の5つで構成。また、スポット展示では「医療・介護・ヘルスケア分野におけるICTの新潮流~急速な進化を遂げる『ウェアラブル』の活用~」をテーマに、新たに医療、介護、ヘルスケア分野での活用を見据えたウェアラブル機器が展示され、来場者の注目を集めていた。本稿では、モダンホスピタルショウで展示されていたウェアラブル関連の製品・サービスを紹介する。
医療用ヘッドマウントディスプレイ「AiRScouter WD-250A」
ブラザー工業とブラザー販売は、ヘッドマウントディスプレイ「AiRScouter」の医療モデル「WD-250A」を展示。ブラザー工業は東京大学と2013年からAiRScouterによる超音波画像の表示・確認に関する検証や共同研究を行い、画像の見やすさや装着感などを改良した業務モデル「WD-200A」とWD-250Aを開発した。医療関係者はAiRScouterを使うと、画面を見ながら両手で作業したり、AiRScouterに表示した情報と実視野の情報をわずかな視線移動だけで確認できる。
WD-250Aは、ハイビジョン映像形式である720P(1280×720ピクセル)の高解像度の液晶パネルを採用。焦点距離調整機能を備え、映し出す映像の奥行を30センチから5メートルまで自由に調整できるようにしている。ブラザー販売は「通常のヘッドマウントディスプレイは映像の奥行きが4メートルで固定されている。WD-250Aは、施術部位と映像情報を同一視野で確認可能にすることで作業効率の向上やミスの防止に貢献する」と説明する。医療関係者は、WD-250Aを他の医療機器と連係させることで、エコーやX線画像、三次元CT装置などと施術部位を同一視野で見ながら施術できる。実際、東京大学医学部附属病院はWD-250Aの導入で、透析治療時にエコー画像と穿刺部位を確認し、血管中央へのより安心・安全な穿刺ができるようにしたという。
WD-250AはインタフェースとしてHDMIに加え、医療用映像機器などへの汎用性が高いビデオ端子、医用電気機器の安全規格「IEC 60601-1」に準拠したACアダプターを搭載。映像の任意の部分に焦点を当てて拡張(ズーム)できる「任意部分拡大モード」を備える。眼鏡をかけていても装着可能で、フレキシブルアームの採用により作業姿勢に合わせて最適なポジションにディスプレイを固定することもできる。ブラザー販売によると、人工透析や麻酔科、救急医療でも適応可能だという。2015年10月に販売開始する。
スマホと連動する腕時計型活動量計「PULSENSE」
エプソン販売は、2014年11月に販売開始した腕時計型活動量計「PULSENSE」を展示していた。PULSENSEは加速度センサーに加えて脈拍センサーを搭載。患者の腕に装着するとセンサーからのLED光を皮膚内の血管に照射し、脈拍を計測する。脈拍の測定には、血中のヘモグロビンが光を吸収する性質を利用。ヘモグロビンが吸収せずに反射した光を受光素子で測定し、その光量の変化から脈拍を計測する。
またPULSENSEは、歩数や歩行距離、運動量、睡眠状態などの活動量を計測する機能も備える。専用スマートフォンアプリ「PULSENSE View」と連動することで、運動強度別に心拍数を分類した「心拍ゾーン」や脈拍数をグラフでリアルタイム表示したり、1日の活動履歴を表示することもできる。
PULSENSEは液晶表示型「PS-500B」、バンド型「PS-100」シリーズがある。PS-500Bが2万4800円、PS-100が1万9800円(いずれも税別)。現在、PULSENSEは医療機器ではないため、エプソン販売は一般消費者や健康保険組合向けにPULSENSEを展開している。エプソングループは、PULSENSEを用いたメタボリックシンドローム改善につなげるプログラムを開発し、健康保険組合向けに提供。また、研究機関と共同で糖尿病患者を対象に、脈拍を指標とする運動効果に関する研究を進めているという。
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