初めてのOffice 365
Office 365を導入するときにIT管理者が知るべき2つのポイント(2/2 ページ)
Office 365 ProPlusのインストール
Office 365 ProPlusに話を移します。Office 365 ProPlusのライセンスは、デバイスごとではなくエンドユーザー個人にひも付くことから、エンドユーザー主体でソフトウェアをインストールするのが一般的な方法です。Office 365 ProPlusは、1ユーザーライセンス当たりクライアントPCに対して5台、タブレット5台、スマートフォン5台の最大15デバイスにインストール可能です。エンドユーザーは会社の端末だけではなく、個人で使用するさまざまなデバイスに対してOffice 365 ProPlusをインストールすることができます。
参考:Volume Licensing(オンラインサービス条件2015年8月1日)
http://www.microsoftvolumelicensing.com/Downloader.aspx?documenttype=OST&lang=Japanese
ただし、ここでの注意点としてライセンスの課題があります。例えば、米Amazon Web Servicesが提供する仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」にOffice 365 ProPlusをインストールして使用する場合です。このことはライセンス的に大丈夫なのかということが、インターネットユーザーの一部で話題になりました。Amazon WorkSpacesでは、サーバOSをクライアントとして使用でき、そこにOffice 365 ProPlusをインストールすることは技術的には可能です。
2015年8月の「マイクロソフトボリュームライセンスオンラインサービス条件」によると下記のようになっています。
共有コンピュータライセンス認証によって、ネットワークサーバまたは Microsoft Azure Platformサービス上にソフトウェアをインストールし、当該ソフトウェアを使用してドキュメントを作成、編集、または保存することもできます。この使用権において、「ネットワークサーバ」とは、お客様専用の物理ハードウェアサーバを意味します。
Amazon WorkSpacesのWindowsクライアントは、サーバOSをエンドユーザーが専有していない環境となることからオンラインサービス条件に反し、ライセンス上使用することができないとのことです。今後この条件は変わるかもしれませんが、現状ではエンドユーザーに「Amazon WorkSpacesではOffice 365 ProPlusのインストールや利用は避ける」よう告知する必要があると考えられます。
Office 365 ProPlusは「クイック実行」(C2R)という技術によるストリーミング展開が可能で、必要な機能のモジュールを都度インストールしながら実行できます。このC2Rにより、数分でアプリケーションが使用可能な状態になります。Office 365 ProPlusはエンドユーザーのクライアントPCにインストールされ、インターネットに常時接続する必要はありません。ただし、最低30日に1回は接続しないと機能制限モードになり、文章の閲覧、印刷以外は実行不可能になります。インターネットに接続していると常にライセンスの確認が行われ、ライセンスのステータスをチェックし、プロダクトキーが延長されます。また、常に最新の状態を保つため、更新プログラムがアプリケーションに自動的に適用されます。
エンドユーザーが端末にOffice 365 ProPlusをインストールするには、ローカル管理者権限が必要であることに注意が必要です。なお、自動更新プログラムは、各アプリケーションのシステム配下で実行されるため、ローカル管理者権限は不要です。
これらの点が、従来の企業向けMicrosoft Officeである「Office Professional Plus 2013」との違いとなります。Office Professional Plus 2013はボリュームライセンスメディアを使用してMSIファイルでインストールし、そのプロセスでボリュームライセンスのプロダクトキーの入力を必要とします。C2Rとは異なり、インストールに時間がかかり、更新プログラムが自動的に適用されることはありません。よって、Office Professional Plus 2013の更新管理にはWindowsと同様に「Windows Update」を利用します。一方Office 365 ProPlusは個別に更新管理をすることになります。エンドユーザー自身でインストールしたOffice 365 ProPlusは、端末をインターネットへ接続した際、システム側で自動的に更新管理するので、常に最新のアプリケーションを使用することになります。
エンドユーザーはOffice 365のWebサイトにログイン後「Office 365の設定」ページに移動し、「ソフトウェア」画面からソフトウェアのインストールや管理をします(図3)。この画面では、Office 365 ProPlusをインストールしたデバイスや、インストール可能な残りのライセンス数を把握できます。また、エンドユーザーは全てのアプリケーションをインストールすることになり、特定のアプリケーションだけをインストールすることはできません。Office 365の管理者はエンドユーザーのインストール状況をOffice 365の管理ツールである「Office管理センター」の画面から確認することが可能です。
例えば、5台全てのクライアントPCにOffice 365 ProPlusがインストールされている状況で、6台目のPCにインストールするにはどうすればよいのでしょうか。この場合はOffice管理センターから、Office 365 ProPlusのインストール済みPCのいずれかを「非アクティブ」に設定する必要があります。非アクティブにしたPCは「機能制限モード」になり、ドキュメントの閲覧のみが可能になります。非アクティブにしてもOffice 365 ProPlusがPCから自動的にアンインストールされることはなく、再度アクティブにすることで、全ての機能を使用できます。
Office 365 ProPlusの管理されたインストール
企業でOffice 365 ProPlusを使用する際、エンドユーザー自身にインストールをしてもらうこともできます。ただしそのためには、先にも述べたように使用するクライアントPCのローカル管理者権限がエンドユーザーに割り当てられている必要があります。セキュリティの問題でエンドユーザーに対しアプリケーションのインストールを許可しない運用をしている企業などは、エンドユーザーにローカル管理者権限を割り当ててはいないでしょう。
実はOffice 365 ProPlusは、エンドユーザーを介さずにMicrosoft Officeソフトウェア郡の特定のソフトウェアをインストールする仕組みを用意しています。これについては次回で詳しく説明します。
まとめ
エンドユーザーが個別にOffice 365 ProPlusをインストールすることで、自由にアプリケーションを使用してもらえる半面、IT管理者としては特定のアプリケーションのみに使用を限定するなどのカスタマイズをしたい場合があるでしょう。次回は、IT管理者によるOffice 365 ProPlusのインストール方法を解説します。
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