MicrosoftのOffice 365戦略、鍵はセキュリティのアピールAzure Active Directory&Office 365

Office for iPhoneの公開やDropboxとの連携、Office 365へのシフトなど、MicrosoftのOffice戦略が大きく変わろうとしている。クラウドへの移行を進める同社の鍵を握るのは、やはりセキュリティになりそうだ。

2015年01月09日 08時00分 公開
[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米Microsoftは、モバイルとクラウドに関する同社の戦略を具体化するために多忙な毎日を送っている。「Office for iPhone」のアップデートやAndroidタブレット向けOfficeのβバージョンのリリースに加え、DropboxをOfficeスイートに統合した。

Computer Weekly日本語版 1月7日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 1月7日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 最近のこうした製品開発から、Windowsが最有力OSの座から陥落したのを受けて、自社製品の復活を目指すMicrosoftの取り組みが見て取れる。

 同社のCEOサトヤ・ナデラ氏は、「当社が提唱するモバイルファーストおよびクラウドファーストの世界では、デバイスやプラットフォームを問わず、簡単に作成、共有、コラボレーションできる手段が求められる」と話す。

 Microsoftは、iOSおよびAndroid向けOfficeアプリの最新アップデートでDropboxとOfficeとの最初のWeb統合を組み込んだ。Office Onlineとの統合は2015年前半に実現する見込みだ。また、Dropboxは今後数カ月以内にWindows PhoneおよびWindowsタブレットプラットフォームでのDropboxアプリケーションの提供を予定している。

クラウド利用のメリットの売り込み

 Microsoftにとって、Office 365の構築を続けることも大切だが、クラウドでもセキュリティが確保され、管理が容易になることをIT部門に売り込むことも重要だ。

 2014年10月に開催されたTechEd Europeのデモで、MicrosoftのPC、タブレット、スマートフォン担当バイスプレジデントのジョー・ベルフィオーレ氏は、ユーザーがコンピュータを初めて起動する際にAzure Active Directory(以下、Azure AD)経由でログインする方法を紹介した。ユーザーがログイン資格情報を入力すると、アプリケーションが新しいPCに自動的にダウンロードされる。

 Azure ADは、Microsoftのデバイス管理戦略の心臓部で、デスクトップPC、ノートPC、タブレット、スマートフォン全てに対応する。Active DirectoryはオンプレミスITにロールベースのアクセスを提供するが、Azure ADはこれをクラウドまで拡張する。ユーザーは、インターネット経由でAzure ADに接続できるデバイスであれば認証を受けることができる。

管理者に的を絞ったセキュリティ

 Microsoft製品マーケティング部門のシニアディレクターを務めるアンドリュー・コンウェイ氏は、MDMとAzure ADの違いを次のように語った。

ITmedia マーケティング新着記事

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...

news058.jpg

アドビ、Adobe Firefly機能搭載の「Adobe Express」モバイル版アプリを一般提供
アドビは、生成AI「Adobe Firefly」の機能を利用できる「Adobe Express」モバイル版アプ...