住宅・オフィス用鍵最大手の情報セキュリティ対策
セキュリティ対策で残業抑制? 美和ロックが見つけた“奇策”とは(1/2 ページ)
セキュリティ対策の一環として導入したIT資産管理製品をワークライフバランス実現に生かす――。そんな取り組みを進めるのが、住宅・オフィス用錠最大手の美和ロックだ。
オフィスビルや住宅用の鍵を製造・販売する美和ロック(東京都港区)は、2015年に創立70周年を迎えた老舗企業だ。賃貸住戸や戸建てで広く普及するシリンダー(鍵穴)にとどまらず、キーを出さずにドアノブのボタンを押せば施解錠できるマンション用電気錠「iELZero」、扉に入退室管理機能を内蔵したシステム「PicoA」などの新製品を相次ぎ投入。品質と革新性を追求するその姿勢が評価され、市場シェアは60%を誇る。表面に「MIWA」のロゴが刻印された鍵を見たことがない人は、恐らくいないと言っても過言ではないだろう。
そんな“物理セキュリティの盟主”ともいえる美和ロックは、社内の情報システムのセキュリティ対策にも余念がない。その代表例が、社内のクライアントPCのセキュリティ対策である。IT資産管理製品の導入で、クライアントPCの利用状況の可視化や従業員のセキュリティ意識向上に役立てている。さらには、ワークライフバランスの実現にもIT資産管理製品を生かそうとしている。
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IT資産管理導入の背景:個人情報保護法でセキュリティ対策見直しの機運
美和ロックがIT資産管理製品を導入したきっかけとなったのが、2003年に成立した個人情報保護法である。この個人情報保護法の成立に伴い、社内で危機管理強化の機運が高まったのを受け、情報システム部はセキュリティ対策の見直しに着手。その中核となったのが、全社のIT資産の洗い出しと管理徹底だった。
「それまではクライアントPCやソフトウェアの購入などを各部門が必要に応じて実施していたので、例えば全社でクライアントPCが何台あるかも分からない状態だった」。こう明かすのは、美和ロック情報システム部次長の小菅且彦氏である。情報漏えい対策を強化する大前提として、従業員がデータを直接扱うクライアントPCの利用状況を可視化する必要があったのだ。
TCO(総所有コスト)の削減やコンプライアンス順守といった上層部の要請も、IT資産管理の見直しを後押しした。実は情報システム部の現場からも、ソフトウェアの利用状況が把握できず、ライセンス管理などの煩雑さに手を焼いているとの声が以前からあったという。こうしたさまざまな課題を解決する手段として導入を検討したのが、IT資産管理製品だった。
選定理由:「禁止より抑止」のポリシー具現化が鍵に
あまたあるIT資産管理製品の中から、どの製品を選ぶべきか。約1年かけたという製品選定では、「『禁止』よりも『抑止』に焦点を当てて選定を進めた」と小菅氏は語る。クライアントPCでできることの多くを禁止してしまえば、不正行為の芽を摘みやすいという考え方もあるだろう。だが美和ロックは、セキュリティと利便性のバランスをとるべく、不正行為の抑止に軸足を置いた形だ。
こうした考えの下で製品選定を進めた末に白羽の矢を立てたのが、エムオーテックスのIT資産管理製品「LanScope Cat」だった。美和ロック情報システム部主任の岩田匡史氏は、「特にLanScope Catが備える操作ログの監視機能は、あえて社内にアナウンスすることで不正行為の抑止効果が期待できると考えた」と語る。どのユーザーがいつ何をしたのかといった詳細な操作内容がログとして取得できるLanScope Catの機能を評価した形だ。
競合製品も検討対象に入れていたものの、「他社製品は比較的、抑止よりも禁止に焦点を当てていると判断した」(岩田氏)ことから、採用には至らなかったという。最終的には、こうした機能面や操作性、サポート体制を総合的に評価して、LanScope Catに決定した。
2005年にLanScope Catを導入した美和ロック。販売管理を担う販売部門の他、生産管理を担う工場部門のクライアントPCもLanScope Catで一元管理している。実は同社の情報システム部門は、販売部門と工場部門で担当が分かれており、大半のシステム運用は別に実施してきた。ただし、LanScope Catについては販売部門側の情報システム部門が運用を一手に担い、販売部門と工場部門双方のクライアントPCを一貫したポリシーで管理している。
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