相違点を明らかにする
VMwareのアプリケーション仮想化ツール、2製品あるのには意味がある(1/2 ページ)
VMwareは2種類のアプリケーション仮想化ツールを提供しているが、IT部門はどちらか一方を選ぶ必要はない。「VMware App Volumes」と「VMware ThinApp」を併用すれば、アプリケーション配信のさまざまな選択肢を利用できる。
米VMwareのアプリケーション仮想化ソフトウェア「VMware ThinApp」とアプリケーション配信ソフトウェア「VMware App Volumes」はいずれもエンドユーザーコンピューティング向け統合プラットフォーム「VMware Horizon」にバンドルされるツールだ。どちらもユーザーにアプリケーションを配布する役割を果たすが、それぞれの機能は異なる。
アプリケーショングループを仮想デスクトップに配布するには、より新しい技術であるApp Volumesを使うのが適している。一方、互換性の問題から他と分離する必要があるアプリケーションを配布するにはThinAppを使うのが便利だ。VMwareはモバイルデバイスや物理PCなど、あらゆるタイプのエンドポイントにアプリケーションを配信できるようにすることを目指しており、年次イベント「VMworld 2015」では、エンタープライズモバイルデバイス管理(MDM)製品「AirWatch」とApp Volumesを統合した新技術「Project A2」を発表している。
ThinAppは以前からある定番ツール
ThinAppはアプリケーション仮想化製品であり、ソフトウェア配布機能も備えている。ThinAppは2008年からVMware Horizonに統合されており、App Volumesよりも以前から提供されているツールだ。App Volumesは、VMwareが2014年に買収した米CloudVolumesのソリューションを改称したものだ。
ThinAppでキャプチャーされたアプリケーションは、OSから切り離された「バブル」内で動作する。バブルは仮想化された各ThinAppパッケージに含まれ、ファイルシステムとデスクトップレジストリの上に実装される。ThinAppアプリケーションには、同じOS上の他のアプリケーションとは異なるファイルやレジストリ設定を含めることが可能だ。また、バブル内のアプリケーションは同じデスクトップで動作中の他のアプリケーションからは見えないので、互換性のないアプリケーションを1つのデスクトップで一緒に動作させることも可能だ。ただし、これはもろ刃の剣でもある。企業はときには2つのアプリケーションを統合したり、プラグインアプリケーションとして他のアプリケーションにインストールしたりしたい場合がある。そのようなときには相互アクセスが必要だが、こうして分離されているとそれはできない。
またThinAppによって、本来インストールできないアプリケーションを実行することも可能だ。例えば、Webアプリケーションをあらためて開発することなく「Windows XP」からの移行を果たしたい企業は、ThinAppを使えば「Windows 7」で「Internet Explorer 6」を実行できる。
ThinAppアプリケーションをデスクトップに配布する方法は幾つかある。仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)環境では、理想的には高性能ストレージを使って、全てのデスクトップがアクセスできるファイル共有にアプリケーションを置く。つまり、ユーザーは社内ネットワークを経由してアプリケーションにアクセスするということだ。IT管理者はネットワークが過負荷にならないよう注意する必要がある。さもなければ、アプリケーションのパフォーマンスが損なわれることになりかねない。
App Volumesは新しい方法を提供
App Volumesは現在、VMwareのデスクトップ仮想化バンドルの最上位エディションである「Horizon Enterprise」にしか含まれていないが、ThinAppはHorizonの全エディションに含まれる。App Volumesは仮想ディスクイメージ(VMDKファイル)とゲストディスク/レジストリフィルタドライバを組み合わせて使用することで、アプリケーションが仮想マシンにインストールされているかのようにみせることが可能だ。
エージェント機能「App Volumes Agent」を使って、ホストOS上のセキュアなコンテナにアプリケーショングループを格納する。さらに「Writable Volume」を使えば、ユーザーがインストールしたアプリケーション、ローカルプロファイルの設定、ファイルなどのデータを保持できる。デスクトップOSはファイルシステムとレジストリの単一のパッケージを参照し、デスクトップで動作する全てのアプリケーションがこの同じビューを参照する。
VDIのディスクイメージは「AppStack」と呼ばれ、「VMware ESXi」サーバにアクセス可能なデータストアに置かれる。これにより、アプリケーションのアクセス先はストレージスタックとなり、仮想マシンには依存しない。優れたパフォーマンスを確保するには、App Volumesファイルを高速データストアに格納すべきであり、可能であればSSD(ソリッドステートドライブ)を使ってもいいほどだ。
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