Windows XPからの移行における最大の課題はIE 6で動くアプリだ。MicrosoftはWindowsの単一インスタンス上で複数バージョンのIEを稼働させることを禁止している。だが、ライセンス違反をせずに新OSでIE 6アプリを動かす方法がある。
2014年4月のWindows XPサポート終了まで残り10カ月を切った。2014年4月のサポート終了以降はMicrosoftからセキュリティパッチが提供されなくなるため、Windows XP環境を残している企業はWindows 7/8へ移行する必要に迫られる。ここで多くの企業にとって課題となるのは、OS自体のアップグレードよりも、OS上で動くアプリケーションである。特に、Webブラウザ上で動作するWebアプリケーションの互換性が問題となるだろう。Windows XP時代に開発されたWebアプリケーションの多くは、Internet Explorer(以下、IE) 6での動作を前提としている。しかし、Windows 7/8に搭載されているIE 9/10は、独自実装が多かったIE 6とは違い、Web標準に近づいている。よって、IE 6向けに作られたWebアプリケーションの多くは、IE 9/10上では正常に動作しない恐れがあるのだ。
アプリケーションの互換性への対処としては、IE 6のWebアプリケーションを全てIE 9/10対応に作り直すことや、Windows 7の場合は「Windows XPモード」の使用、Windows 8であれば「Windows 8 Hyper-V」を使用することによって仮想環境でWindows XPを実行することができる。さらにアプリケーション仮想化と、さまざまな手段がある。この中でアプリケーションの互換性だけを見れば、比較的コストや手間が掛からず安定性を担保できるのはアプリケーション仮想化だろう。アプリケーションの改修はアプリケーション数によっては大幅な改修コストが掛かるし、当時のアプリケーション開発担当者がおらず、どう改修してよいか分からないというケースもあり得る。また、XPモードは同一のクライアント端末上に2つのOSを稼働させるためパフォーマンスに支障が出る恐れがあり、長期的な利用には向かない。Windows 8 Hyper-Vに関しては、64ビット版のPC環境が前提の他、Windowsライセンスが二重に必要だ。VDIはバックエンドのサーバ/ストレージ台数がアプリケーション仮想化と比べて多く必要で、コストが膨らむ懸念がある。
ただし、アプリケーション仮想化の際には、1つ気を付けなければならないことがある。それはIE 9/10などの上でIE 6を仮想化することがMicrosoftのライセンス上、認められていないことだ。Microsoftによると、Windowsの単一インスタンス上で、複数バージョンのIEを実行することはサポートされない。技術的にはできてしまうから厄介で、それを知らずにIE 6を仮想環境でカプセル化してしまっている企業は多いようだ。このようなライセンス違反に陥らないために、2013年5月に登場した製品が双日システムズの開発した「thinforie」(シンフォリエ)である。
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